着こなしが学べる、ファッショナブルな映画シーン
映画のテーマはさまざまですが、内容の面白さに加えおしゃれ好きな人には興味津々なのが登場人物のファッション。
今回取り上げる映画ファッションは、2022年5月に公開された『帰らない日曜日』。
まるで絵画を見ているかのように繊細で淡く、そして官能的でぜひおすすめしたい映画です。
英国紳士の典型ともいえる俳優「コリン・ファース」が登場します。
今記事では映画紹介とともに、彼の洒落たスーツの着こなしを紹介したいと思います。
また、後半ではスーツの必須アイテム、ネクタイについて、これも彼の代表作『キングスマン』を取り上げました。
(冒頭画像:引用 https://movies.shochiku.co.jp/sunday/)
映画『帰らない日曜日』:あらすじ
舞台は、資産家ゴドフリー(コリン・ファース)が当主を務めるニヴン家。
そこで、住み込みのメイドとして働いている孤児院育ちのジェーン(オデッサ・ヤング)は、イギリス中のメイドが里帰りを許される、年に一度の「母の日」に恋人と幸せなひとときを過ごすことになります。
ジェーンの恋人は、ニヴン家と家族ぐるみの付き合いがあるシェリンガム家の跡継ぎポール(ジョシュ・オコナー)。
メイドであるジェーンとは身分違いの恋。
人生を切り開くのは、行動するかしないか
身分違いの恋に、ハラハラと涙を流す話ではないのがこの作品の素晴らしいところです。
裸でポールの屋敷を散策するジェーンのシーンは、彼女の逞しさををよく表していると思います。
どんな生まれであっても、どんなに叶わない恋を経験しても人生は続いていくもの。
悲観にくれたままたった一度の人生を過ごすのか、それすらも武器にして前に進むのか。
静かに進んでいく物語の中で強烈なメッセージが放たれる瞬間をぜひ体験してください。
●オデッサ・ヤング(Odessa Young)
誕生日:1998年1月11日生まれ
星座:みずがめ座
出身:オーストラリア・シドニー
▶おすすめの代表作品
衣装担当:天才的デザイナー、サンディ・パウエル
さて、ファッション視点での一番の注目は、衣装を担当したのが、『シンデレラ』(15)『女王陛下のお気に入り』(18)などでアカデミー賞ノミネート史上最多、3度の衣装デザイン賞を受賞しているサンディ・パウエルだということです。
本作でも天才ぶりは発揮されていて、華美ではないもののさりげない柄や色使いが目を惹くうえに、それぞれのキャラクターらしさが引き出されている衣装は見事です。
そんな今作では、もちろん衣装も見どころ。
優しさに溢れたニヴン家当主を演じたコリン・ファースのスーツの着こなしを解説していきます。
イギリスの正統派俳優、コリン・ファース
アカデミー主演男優賞受賞など、錚々たる賞を受賞している名優コリン・ファース。
真面目で神経質そうな役から、悪役や優しい役まで幅広く演じられる確かな演技力には定評がありますよね。
スーツを着ている役が多いイメージがありますが、清潔感があり適度な華やかさもあるスーツの着こなし方は日本人でも真似がしやすいポイントがたくさんあります。
50代以降の着こなしにオススメ!『帰らない日曜日』
本作では優しい眼差しで静かに家族、友人、メイドであるジェーンを見守る役を担っています。
コリン・ファースは60代ですが、おそらく役の年齢も同じくらいの設定ではないでしょうか。
同年代の男性にオススメしたいのが、モスグリーンのチェック柄のスーツに同系色のニットベスト×えんじ色のネクタイとチーフの着こなしです。
白髪を活かしているグレーヘアーにも映えてとてもステキですよね。
グリーン×レッドは派手な色の組み合わせですが、モスグリーンのように色のトーンを落とすと上品に着こなすことができます。
この時、グレーやネイビーなど一色のスーツを選ぶのは要注意!
とたんに古い感じが出てきますので、チェック柄やストライプなど柄が入っているスーツを選ぶのがオススメです。
コリン・ファースのようにお顔に丸みが多い方は、ギンガムチェックや千鳥格子など小さなチェック柄が似合いやすいです。
反対にお顔に丸みが少なくシャープな印象の方は、タータンチェックなど中間〜大きめでチェックの線が複雑な柄が似合いやすいので参考にしてみてくださいね。
●コリン・ファース(Colin Firth)
誕生日:1960年9月10日(おとめ座)
身長:187cm
出身:イギリス・イングランド
▶おすすめの代表作品
ネクタイの柄にも注意!『キングスマン』
スーツを着て颯爽と敵と戦うスパイ映画『キングスマン』。
ロンドンのオーダーメイド高級紳士服店が並ぶサヴィル・ロウにある高級テイラー「キングスマン」。
ここが彼らエージェントのアジトということで、クラシカルなスーツを着こなすコリン・ファースが堪能できる映画です。
さて、この映画で注目するのはネクタイです。
欧米ではどんなネクタイをしているかで「相手を見透かす」ことが普通に行われていることをご存知ですか?
日本では「フォーマルな場にはネクタイ」ということが重要ですが、どんなネクタイをしているかはあまり意識されていませんよね。
キングスマンのエージェントは、上の画像のような斜めにストライプが入ったネクタイを男女問わず締めていることが多いです。
日本でもよく見かける柄ですが、この「ノ」の字柄のネクタイの起源はイギリスで「レジメンタル」といい、語源は「連隊に属する」=「特定のグループに属する」ことを意味しています。
(アメリカ式は、向かって右下にストライプが向かいます)。
つまり「キングスマン」というスパイ機関 = 特定のグループに属していることをネクタイで表しているんです。
うーん!さすがスーツの本場イギリス!
また、イギリスの私立大学ではスクールタイとも呼ばれていますので、フォーマルな場にはそぐわない柄であると言われています。
とはいえ、レジメンタル柄は普段のビジネスシーンではコーディネートしやすい柄ですよね。
就活生や新入社員であれば特に気にせず使用しても違和感はありませんが、中堅どころになったら少し工夫が必要です。
- 暗めの色を選ぶ(水色をよく見かけますが、薄い色は避けるのがオススメです)
- 重厚感、高級感のある生地を選ぶ
- 結び目にボリュームと立体感を作る(オススメの結び方:ダブルノット、セミウィンザーノット)
この3つのポイントを押さえてネクタイを選んでみてくださいね!
まとめ
さて、スーツの解説は楽しんでいただけたでしょうか?
いろいろと解説をしましたが、スーツで何より大切なのはサイズです!サイズが命!!
『キングスマン』では昔のイメージがあるタブルスーツを基本としていますが、古くさく感じないのはサイズに配慮されているから。
みなさんの好みのスーツのテイストに合わせて、スーツの本場である3国(イギリス・アメリカ・イタリア)の映画作品を選んで観てみるのも良いですよね!
ぜひ、スーツの着こなしを楽しんでくださいね。
《ライター:咲里》 クリックで担当記事一覧へ→
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