新しい年の訪れ。
今年こそはこれまでの自分からもう一歩成長したい、と決意を新たにした方も少なくないはずです。
そんな1月のモチベーションを高めてくれるガールズムービー2作品をご紹介します。
進路、恋、友情、家族。体当たりで愛する『レディ・バード』
監督&脚本は『フランシス・ハ』『20センチュリー・ウーマン』などの女優グレタ・ガーウィグ。
カリフォルニアの田舎に住む女子高校生クリスティンは、自らレディ・バードと名乗り、周囲の人々にもそう呼ばせたがります。
ある日、母と大学見学に行ったレディ・バード。
地元のサクラメントではなく、憧れのニューヨークの大学に進みたいと言ったことで、母と口論になり、なんと走っている車から飛び降りてしまいます。
「Fuck mum」と書いたピンクのギプスで通学するレディ・バード。
冒頭のこんなエピソードからも、彼女の向こう見ずな個性が炸裂しています。
子役時代から数々の名作に出演し、圧倒的な透明感で印象を残すシアーシャ・ローナンが主演。
シアーシャと言えば栗色の柔らかい髪がブルーアイにマッチしていたイメージでしたが、赤毛のストレートボブもキュートです。
繊細で自然体でエネルギーに溢れたシアーシャの魅力が底知れません。
子供じゃないけどまだ大人でもない、ハイスクール最後の一年を描いた物語。
自分の名前がダサく思えて違う名前を妄想したり、見栄張ってイケてる友達と付き合ってみたり、周りの何もかもと衝突したり、傷つけて傷ついて、許して許されて。
そうしてやがて、自分の本当の望みや大切にしたいものを知っていくのです。
理想の自分と現実との差が、許せないほど大きなものに思えて体の中に収めておけず、窮屈であふれ出してしまいそうなそんなエネルギッシュな青春を、グレタ・ガーウィグならではの色彩感覚と瑞々しい心情表現でキュートに描いた良作です。
この作品から心に残った一言をご紹介します。
“Don’t you think maybe they are the same thing? Love and attention?”
「愛することと気にかけることは同じだと思わない?」
気になってイライラしてモヤモヤが止められない誰かのことや仕事のこと。
「愛しているからこんなにこだわってしまうんだな。」
と気付いただけでも、なんだか少し気分が軽くなりませんか?
少女の人も、かつて少女だった人も、そのどちらでもない人も、レディ・バードの一年を描いたこの作品には心に響くシーンがきっとあるはずです。
●シアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)
誕生日:1994年4月12日生まれ
星座:おひつじ座
身長:168㎝
出身:アイルランド
▶おすすめの代表作品
置かれた立場でベストを尽くし成長する『プラダを着た悪魔』
そして、ファッションムービーとしても人気の高いのがこちら。
ジャーナリスト志望のアンディは、ファッションには全く興味が無かったのに一流ファッション誌ランウェイの編集長の下でジュニア・アシスタントとして働くことになります。
そんなアンディの目線から見たファッション業界の裏側を、コミカルかつシニカルに描いた今作。
原作は、NY・Vogueの敏腕編集長アナ・ウインターの下でアシスタントを務めていたローレン・ワイズバーガーのベストセラー小説です。
主演のアンディを演じるのはアン・ハサウェイ。
最初は「ダサいスカートコンテストにでも出るつもり?」などと意地悪を言われていた彼女が、物語が進むうちにハイブランドのファッションを着こなし、どんどん洗練されていく様子にはドキドキさせられます。
●アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)
誕生日:1982年11月12日生まれ
星座:さそり座
身長:173㎝
出身:アメリカ・ニューヨーク州
▶おすすめの主演作品
※Amazonオリジナル。コメディエンヌのレベル・ウィルソンとの掛け合いが最高!
劇中に登場する鬼編集長ミランダは、アナ・ウインターをモデルに描かれたとも言われています。
アナ・ウインターはファッションドキュメンタリー映画『ファッションが教えてくれること』で、日本でも一躍知名度をあげました。
そのミランダをオーラたっぷりに演じるのは大女優メリル・ストリープ。
そしてアンディの先輩アシスタント役として、『ヴィクトリア女王 世紀の愛』『ボーダーライン』などのエミリー・ブラントが出演しています。
エミリーのファッションも素敵なので必見です。
筆者は20代半ばの頃、コートやバッグが作中にも登場している某ラグジュアリーブランドのジャパン社で働いていました。
当時の上司は、まさにミランダそのもの。
「服装は何でもいいの、ジャージでも構わない。ただ毎日必ずセンス良くエレガントにしてね。」
勤務初日に言われたその一言は、毎日の出勤前のコーデの悩みの種となりました。
公共交通機関などは使わず、人を待たせていても走るなんてエレガントではない行為はしない上司。
よく似たベルトを選ぶのに本気で悩み、つるつるした床でも一日中ピンヒールを履いて服の詰まった段ボール箱を持ち上げる日々。
まさに映画そのままの世界でした。
やっぱりファッションが好きだから、が原動力だったあの頃
それでもそんな世界が大好きだった自分にとって、アンディのニュートラルな視点で描かれたこの世界観には、自分たちの業界の異様さを指摘されたようで、とても痛快に感じました。
こんなバカバカしいことになんで苦労してるんだろう、と思いつつ、やっぱり好きだから、と改めて思わせてくれた作品です。
ファッション業界の裏側と言えば、着飾った女同士のドロドロを想像する方も多いと思いますが、実際は女だらけの業界の女性たちは皆強くストイックで、自分と仕事の在り方が全て。
他人を蹴落そうなんてあまり考えていない人ばかりだったように思います。
先輩アシスタントエミリーも、毒舌で意地悪なところもありますが、仕事への情熱に燃える裏表の無いサバサバした女性で、そんなキャラクター像のリアルさも大好きな作品です。
アンディは持ち前の賢さと気遣いで、特殊なこの世界でもやりがいを見出していきますが…。
この作品から含蓄に富んだ一言を。
「ようこそこっち側へ。仕事がうまく行き始めるとそうなるものだよ。」
そして続けます。
“Let me know your whole life goes up in smoke, that means it’s time for promotion.”
「君の生活がダメになったら教えて、それが昇進の時だよ。」
全てを手に入れるのは簡単ではないけれど、失うものがあれば手に入っているものもあるんですよね。
すごく励まされたその頃の気持ちを今もありありと思い出せる、大好きな作品です。
一年の始まりに、前向きなれる映画を
壁にぶつかっても諦めず、前に進み続けるヒロインに元気をもらえる2作品をご紹介しました。
その時はなんだか不本意に感じても、戦ったこと、一生懸命になったことはいつか未来の自分を作ってくれます。
恋に、夢に、仕事に。
失敗しても、理想の自分になかなか近づけなくても、体当たりでぶつかりながら前に進む彼女たちを見ていたら、きっと「今年も一年頑張ろう」と元気が湧いてくるはずです。
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