
ウェス・アンダーソン監督の新作と聞いただけでワクワクが止まらない、筆者の「もな」です。
今回は待ちに待った、監督の最新作『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』を大胆解説!
ついにストーリーも明らかになり、監督の進化し続ける魅力を予測紹介していきたいと思います。
今回も豪華キャストが勢揃い!さらに新たな作風!とのことで、一層期待感が高まります。
では、『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』のあらすじと注目ポイントを具体的に見ていきましょう!
(トップ画像:https://www.facebook.com/thephoenicianscheme/)
あらすじ:父娘の旅を、ブラックジョーク満載で描く

物語の舞台は、架空の大独立国・フェニキア。
6度の暗殺未遂を潜り抜けてきたヨーロッパの大富豪ザ・ザ・コルダは、とあるプロジェクトを遂行しようとしていました。
そのプロジェクトとは、フェニキア国の陸海三つのインフラを整備するというもの。
成功すれば今後150年間も利益を得られる、一世一代の大計画だったのですが…。
妨害に遭ったザ・ザは、娘で修道女のリーズルと共に、資金調達の旅に出ることに。
ヨーロッパを横断する道中で様々な事件に巻き込まれていくのです。
痛烈な風刺が満載!3つの見どころを徹底解説

『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』は、かなりダークな仕上がりになっている様子。
「暴力×ユーモア×美術が三位一体となった作品」だと言えそうです。
全米公開とともに、「これまでのアンダーソン監督作品とは一味違う、どこか冷たい作風だ」といった声もあがっているのが、気になるところ。
本作の見どころを、現時点で分かる情報を元に3つにまとめて解説していきます。
➊アンダーソン節が光る、独特の視覚スタイル

アンダーソン監督作品と言えば、まずは美術に注目する人が多いでしょう。
本作でも独特の視覚スタイルは健在で、絵本をめくるような感覚で映画を楽しむことができます。
定番のシンメトリー構図や色彩にプラスして、暗黒アンダーソン色が濃いのも特徴。
前述通り本作は暴力描写が強化され、戸惑う観客も多いようです。
例えば、爆弾や銃、毒、手榴弾などなど…。
コーンコブパイプや血液バッグなど、印象的な小道具遊びも登場します。
それもそのはず、本作の主人公ザ・ザは何度も暗殺されそうになるキャラクターですからね。
本作は、今までのような愛すべきドタバタ劇よりも、計算された冷たさが生み出す皮肉に焦点を当てているのでしょう。
だからこそ、ふとした瞬間のアンダーソン監督らしいユーモアに、感情が大きく揺さぶられるのです。
➋進化したテーマは、「資本主義への皮肉」?

ストーリーの中核となるのは、ザ・ザが成功させようと目論む「フェニキア計画」。
彼はフェニキアの経済を支配するため、事業を展開し、市場を操作して飢饉を起こさせようとまでします。
そんなストーリーの背景や政治的設定には、どこか資本主義への皮肉めいたものが見え隠れするのです。
アンダーソン監督の仕掛ける痛烈な風刺には「やりすぎ!」という声もあるほど。
そもそも本作は、企業スパイを下敷きとして父娘の物語を描いたそうなので、メタ批判が盛り盛りであることには納得です。
ただ面白いだけではない、進化したアンダーソン監督の世界を味わえる作品に仕上がっているのではないでしょうか?
➌筆者の楽しみポイント、あの2世女優が参加!
では続いて、筆者「もな」の楽しみポイントを発表!
それはズバリ、ケイト・ウィンスレットの娘が主要キャストとして参加していることです。

2世女優として注目株とされている彼女の名前は、ミア・スレアプレトン。
ドラマ『I AM ルース』で母娘共演し、その名が知られるようになりました。
まだまだ女優としては駆け出しのミアですが、存在感は抜群。
今作『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』でも、アンダーソン監督作品の世界観に溶け込みつつ、どこか不思議な魅力を放っているのです。
予告ですでにミアに惹き込まれてしまったのだから、本編で恋に落ちること間違いなし!と、今から期待に胸を膨らませています。
THE PHOENICIAN SCHEME:YouTube公式予告編
豪華キャスト:俳優陣の掛け合いを楽しむ

アンダーソン監督作品といえば、「あ!この人も出てる!」と声を上げたくなる、豪華キャストにもワクワクしますよね。
『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』で主役のザ・ザを演じるのは、ベニチオ・デル・トロ。
娘のリーズル役はミア・スレアプレトン、彼らと旅する家庭教師のビョルン役はマイケル・セラと、アンダーソン監督作品初出演組が脇を固めます。
物語の中核を担うのが、上記に挙げた3人のキャラクターです。
ベニチオ「ザ・ザ」とミア「リーズル」、父娘関係が楽しみ!

その中でも、ベニチオとミアがどのような父娘関係を演じるかに特に注目したい点。
なにせ今作でも、アンダーソン監督が得意とする「家族の物語」が描かれているからです。
ベニチオ演じるザ・ザの、冷酷ながらどこか道化師のようなキャラクター性。
ミア演じるリーズルの、感情の起伏を排した気品溢れる振る舞い。
2人の関係は「贅沢さと謙虚さの対比」とも取れて、本作の痛烈な皮肉のひとつに組み込まれています。
この父娘関係が作品にどのような命を吹き込むのか、掛け合いをスクリーンで観れるのが楽しみで仕方ありません。
さらに常連キャストが、見どころを彩る!
さて、毎度アンダーソン監督作品には常連組と呼ばれるお馴染みのキャストが登場します。
本作では一体誰が出演しているのか、主なキャストをご紹介!
まずは、本作のラスボスことヌバルおじさんを演じる、ベネディクト・カンバーバッチ。

彼はザ・ザと決死のバトルを繰り広げるそうで、物語のカギを握るキャラクターと言えそうです。
他にも、ビジネスパートナーとの交渉の場にはトム・ハンクスの姿が。

また、スカーレット・ヨハンソン、ブライアン・クランストン、マチュー・アマルリックらも名を連ねています。

どのシーンに誰がどんな役どころで登場するかは、見てのお楽しみ。
カメオ出演を含め、何人の俳優を見つけられるかゲームをしても盛り上がりそうです。
まとめ:監督の変わらぬテーマとは?

『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』の日本公開は、2025年9月19日(金)。
どこまでも進化し続けるウェス・アンダーソンの世界ですが、根底にあるのは変わらぬテーマ「家族の絆と再生」です。
アンダーソン監督らしいビジュアルの美しさか、父娘の絆を描いた物語か。
あなたの心に響くのはどちらでしょうか?
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ウェス・アンダーソン作品の世界観が大好き!ライターの「もな」です。
映画にどハマりしたのは、小学生の頃に『ロード・オブ・ザ・リング』を観てから。
それからというもの、映画は私の人生にとって欠かせないもので、大学では映画学を専攻しました。
私の書く記事が、誰かと素敵な映画との出会いの場になったら嬉しいです。
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