洋画で輝く7人の秘書、人間ドラマから垣間見た魅力・楽しさ・やりがいに感動!

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『J・エドガー』FBI長官秘書・ヘレン・ギャンディ

テレビ朝日の木曜ドラマ「七人の秘書」が、全話平均視聴率14.5%という高視聴率のうちに終了しました。

「要人であるボスを支え、組織に仕え、目立たぬことこそを極意」の黒子こと、「秘書」たちを描いたドラマです。

何者だ?と聞かれたら、「名乗るほどのものでは…」と謙虚そうだが、その実、しっかりとした意志をもつ存在。

「半沢直樹」の例にたがわず、わかりやすさが成功の原因とも言われ、そぞろ続編の話も聞かれるこの頃です。


「七人の秘書」Mission1 

一方、海外の洋画でも「秘書」の人間ドラマが垣間見える映画があります。

主役=ボスをフォロー、時に叱咤激励して支え持ち上げていった秘書たちの魅力、楽しさ、やりがいとは…。

今記事では、「七人の秘書」にちなんで、熱く輝いていた秘書7人を登場する映画から紹介したいと思います。

(硬軟取り混ぜさまざまな業界から選出。実在は4名)

『プラダを着た悪魔』

❶「アンドレア・サックス」、ファッション業界の下積み秘書

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https://www.facebook.com/TheDevilWearsPradaMovie

アンドレア・サックス、通称「アンディ」(アン・ハサウェイ)は大ヒット作『プラダを着た悪魔』に登場する、鬼編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の秘書。

▶アン・ハサウェイの出演映画一覧

ファッション誌の編集長秘書といえば聞こえはいいのですが、実態は小間使いとなんら変わらない彼女。

ただでさえテンポの速いファッション業界で、ミランダの矢継ぎ早の指示にめげそうになるアンディがいました。


プラダを着た悪魔 (予告編)

口ぐせは、「That’s all.」。質問したいことがあっても、そのスキさえ与えないのです。

タイトルの「プラダを着た悪魔」とは、まさにアンディが仕えた編集長のこと。

職場にはもう一人先輩秘書がいるのですが、一から仕事を教えてくれるような雰囲気でもありません。

田舎から出てきた彼女、また、さほどファッションにも興味があるようにも見えなかったアンディ。

その彼女が秘書として仕事をモノにし、いかにして「悪魔」とコミュニケーションをとっていくか、見どころイッパイの秘書ドラマです。

参考記事:ラックスだけ?もっと華麗に「アン・ハサウェイ」のおすすめ映画3選

『ウィンストン・チャーチル』

❷「エリザベス・レイトン」、戦時中イギリス首相・実在秘書

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https://www.facebook.com/DarkestHourUK

エリザベス・レイトン(リリー・ジェームズ)は、第二次世界大戦中のイギリス首相、ウィンストン・チャーチルに仕えた(1941 ~1945年)実在の秘書です。

数々の名演説を残したチャーチル首相ですが、そのスピーチ原稿の口述タイピングをしていたのが彼女。

映画のフルタイトル『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』にあるように、時代は第二次大戦でイギリスがナチス・ドイツからの猛攻撃を受けた時期です。

▶リリー・ジェームズの出演映画一覧

必死に徹底抗戦を模索するチャーチル(ゲイリー・オールドマン)ですが、ナチスとの講和を企む反対派の勢力に押され彼の苦悩が続きます。

時に、妻クレメンティーン(クリスティン・スコット・トーマス)にも弱音をはき夫婦喧嘩になることも。

そんな中、チャーチルのいら立ちを受け止めた秘書エリザベスがいました。

立場上、何も発言できない彼女ですが、国を思う気持ちは人一倍。

タイピングしながら彼女が訴えたのは、身内はじめ多くの兵士がイギリスの勝利を信じて必死に戦っているということ。

しばらくして、チャーチルはエリザベスにあの有名な議会スピーチ、「ネバー・サレンダー」の口述タイピングを依頼するのでした。

▶ゲイリー・オールドマンの出演映画一覧

We shall fight on the beaches、We shall fight on the landing grounds、

We shall fight in the fields and in the streets、We shall fight in the hills

(われわれは海岸でも、水際でも、街でも、そして丘でも戦う!)

We shall never surrender!われわれは決して降伏しない!


ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 (予告編)

『ヒッチコック』

❸「ペギー・ロバートソン」、伝説の映画監督・実在秘書

ヒッチコック,秘書
https://www.facebook.com/hitchcockthemovie 中:「ペギー・ロバートソン」 右:「アルフレッド・ヒッチコック」

「ペギー・ロバートソン」は、1940~60年代のヒット映画メーカー「アルフレッド・ヒッチコック」監督に寄り添った、脚本監督兼秘書の実在女性です。

あまり知られていませんが、後半期のヒット映画『サイコ』の制作秘話を描いた監督の伝記映画『ヒッチコック』に登場。

監督(アンソニー・ホプキンス)はさまざまな伝説を持つ人物ですが、今作から長きにわたり仕えた秘書ペギー(トニ・コレット)の存在感を知ることができます。

▶トニ・コレットの出演映画一覧

『サイコ』は、『北北西に進路を取れ』が成功裏に終わった後に制作が始まった映画です。

次々とヒット作を出していたものの、周囲で彼の限界を心配する声が上がっていたのも事実。

しかし、ヒッチコック自身の制作意欲は高まる一方でした。

そんな中、ヒッチコックが秘書ペギーに頼んだのは次回作の素材探しでした。

そして見つけたのが、実在した殺人鬼エド・ゲインの物語「サイコ」

ヒッチコックの妻アルマヘレ・ミレン)と一緒になり、完成まで監督を支えたのは秘書のペギーでした。

映画のメインは夫婦ですが、トニ・コレット演じる気丈な秘書ペギーの手堅さが、最終的に大ヒットに結び付いていくプロセスを見ることができます。

▶アンソニー・ホプキンスの出演映画一覧


ヒッチコック (予告編)

『アイアンマン』

❹「ペッパー・ポッツ」、スーパーヒーローを愛した秘書

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https://www.facebook.com/ironman

アメコミ、マーベル、そして「アイアンマン」と聞けば、『アイアンマン』(3作)『アベンジャーズ』(4作)両シリーズのメイン・スーパーヒーローとしてあまりにも有名でです。

一方、忘れてならないのは、シリーズを通してアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)を支えたえた長年の秘書ペッパー・ポッツウィネス・パルトロー)の存在です。

▶グウィネス・パルトローの出演映画一覧

アイアンマンが、もともと企業CEOのトニーだった頃からの関係です。

トニー自らが開発したパワードスーツにより、スーパーヒーロー集団のリーダーとなってからの彼の激務は相当なもの。

ペッパーは、秘書としての仕事以上にアイアンマンことトニーに愛情を注いでいくのがわかります。

「アイアンマン」は残念ながら、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で終わってしまいました。

エンディングで瀕死の状態になったアイアンマンにかけよる人物がいました。

共に戦ったスーパーヒーロー(キャプテン・アメリカ、ハルク、キャプテン・マーベル…)より大切だった人物。

今となっては結婚し、子どもも設けていた妻ペッパー・ポッツだったのです。

▶ロバート・ダウニー・Jrの出演映画一覧


アイアンマン(予告編)

『カフェソサイエティ』

❺「ヴォニー」、エンタメ業界実力者・憧れの美人秘書

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https://www.facebook.com/cafesocietyfilm 左:「ボビー」 右:「ヴォニー」

ところで「秘書」からイメージするのは、有力者に仕える「美人秘書」

魂胆があってもなくても、美人秘書となると近寄る男はいっぱいいます。

1930年代のハリウッドを描いた『カフェ・ソサイエティ』には、そんな典型的な秘書物語がありました。

映画産業・政治家・ギャングの人間模様と愛憎を描く、ウディ・アレン監督の作品です。


カフェ・ソサエティ(予告編)

登場する秘書は、映画業界を取り仕切る実力者「フィル」の美人秘書「ヴォニー」(クリステン・スチュワート)

一目見て採用を即決したフィルは、実は妻帯者だったのですがのちに彼から、妻との離婚を前提にしたプロポーズをすることになります。

モテる彼女は気ままで幸せな「お飾り秘書」…、と思っていたら人生そう簡単には行かず映画は意外な展開をします。

▶クリステン・スチュワートの出演映画一覧

ある日、ヴォニーの前に現れたのはフィルの甥ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)

マジメなボビーはヴォニーに一目ぼれし、奇妙な三角関係になってしまいます。

ボビーの気持ちも嬉しいし、実力者フィルとの玉の輿結婚も捨てがたいと悩む「お気楽秘書」。

シャレたラブ・コメディで、ちょっと息抜きしてみてはいがかでしょうか。

▶ジェシー・アイゼンバーグの出演映画一覧

『J・エドガー』

❻「ヘレン・ギャンディ」、誰もが恐れたFBI長官・実在秘書

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https://www.facebook.com/jedgarmovie (冒頭画像も)

さて、話はゴロっと変わってこちらの秘書は命がけ

企業でも政界でも、秘書が仕えた要人の機密業務を扱うのは、相当の口の堅さと信頼度が必要となります。

「ヘレン・ギャンディ」(ナオミ・ワッツ)は、国家の最重要機密事項を扱うアメリカFBI(連邦捜査局)の初代長官に仕えた秘書で、歴史的にも名を残した人です。

▶ナオミ・ワッツの出演映画一覧

初代FBI長官とは、「J・エドガー・フーヴァー」(レオナルド・ディカプリオ)のこと。

映画『J・エドガー』で描かれる彼は、国家安泰を損なう人物を自らが法律となって容赦なく粛清。

盗聴も排せず徹底した情報収集を行い、大統領や政府高官のスキャンダルさえ見逃さない徹底ぶりでした。


J.エドガー (字幕版)

得た情報は「ミス・ガンディ!」(エドガーがヘレン・ギャンディ秘書を呼ぶ声)を通じ、極秘ファイリングされていきます。

在任中、なんと8代の大統領に仕えた彼ですが、年齢には勝てず(77歳)任期中に自宅で突然死してしまいます。

秘書室で一報を受けたミス・ガンディが最初にしたこと。

彼女は一瞬驚いたものの、秘書室のドアをすぐに閉め、生前に長官と約束したすべての極秘ファイルの廃棄処分にとりかかるのでした。

▶レオナルド・ディカプリオの出演映画一覧

『最高の人生の見つけ方』

❼「トマス」、資産家の病院経営者・実直な男性秘書

最高の人生の見つけ方,秘書,トマス
https://www.facebook.com/thebucketlist 右:秘書「トマス」 左:「エドワード」

さて、最後は「感動物語」で締めくくりましょう。

ガンのため、余命が約半年と宣告された二人の初老男性の「決死旅行」物語です。

ひとりはエドワード・コール(ジャック・ニコルソン )で、病院経営で財をなしたワンマン資産家。

もう一人は、カーター・チェンバーズ(モーガン・フリーマン )で自動車の整備工。

二人がガン治療のため入院したのはエドワードが経営する病院で、たまたま同室となります。

雑談を交わすうちに、二人はお互いの余命がほぼ一緒だということを知ることに。


最高の人生の見つけ方 (予告編)

二人は死に怯えつつも、資産家エドワードの「死ぬまでにやりたいことを全部やろう!」の呼びかけで旅に出たのです。

同行は、エドワードに仕え旅程を管理する秘書「トマス」(ショーン・ヘイズ)のみ。

二人の「死出の旅」にも、感情を押し殺し付き合うだけでした。

(少しネタバレあり)

スカイ・ダイビング、世界の絶景観光、未体験ツアー…と、文字通り「命がけ」の旅で「やりたいリスト」を消し込んでいきます。

しかし、悪化する症状と死期は止まりません。

彼らのリストにまだ消されない項目が…。最後に実直だったトマスの取った行動に涙があふれてきます。

▶ショーン・ヘイズの出演映画一覧

まとめ~名を名乗れ!素晴らしき秘書たち~

7つの物語(映画)で共通なことがひとつありました。

それは、秘書たちが仕えるボスの「わがまま」

「あそこまで言われたら耐えられない!」と思える暴言や行動にハッとする場面が出てきます。

しかし、7人の秘書たちには、グッとこらえているかというとそうでもない雰囲気が。

プロ意識といえばきれいごとになりますが、気持ちの中に「消化する仕組み」が出来上がっていくのでしょうか。

映画自体の感動に加えて、さも端役のように出てくる彼ら彼女らに応援と賞賛の気持ちがこみ上げる瞬間です。

「名を名乗れ!素晴らしき秘書たちよ!」と。

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