
「ディストピア」とは、ユートピアが「理想郷」としたのに対し「暗黒郷」と言われています。
高度に「監視」と「管理」をされた退廃する未来を、映画は予見して警鐘を鳴らしながら訴えてきました。
今記事では、そんな視点で代表的なおすすめディストピア映画をピックアップしてランキングで紹介しましょう。
紹介する映画は、おろかな人類を責めつつそこから生きる英知を教えてくれます。
ディストピア映画どんな作品が?おすすめ80作品!

外来種の人類支配、汚染された地球、彷徨う宇宙空間、記憶が支配される人間、監視社会、核戦争後の世界などディストピアは意外なほど身近に。
人類への警鐘がすべてではないとしても、なぜか止まらないのがディストピア映画です。
描き方はシリアス、ホラー・コメディ、SFホラーなど様々ですが、近作でも、こちらの『28年後…』『ミッキー17』など話題作が続きます。
まず、当サイトで紹介したものだけでも、こんなに集まりました。
まずは、ざっとご覧下さい。
そんな中から、当サイト内で上位検索された人気作品からトップ3を選んでみました。
➌位『アリータ』:廃棄物まみれの「アイアンシティ」

『アリータ: バトル・エンジェル』が描いたディストピアは、廃棄物にまみれた世界でなんとか生き延びる人たちです。
現在でもゴミ山から食べ物やクズ鉄を探す、最貧困地域の映像が流れますがあれに等しい世界がモデルかもしれません。
そんな中でも逞しく生き抜く主人公にエールを!といういことで第3位に!
日本の漫画家「木城ゆきと」氏による『銃夢』を原作に制作された有名な映画です。【銃夢(1)】
あらすじ:「ザレム」が監視する「アイアンシティ」

没落戦争(ザ・フォール)と呼ばれる壮絶な宇宙戦争から300年。
地球に住む大半の人類は「アイアンシティ」(鉄クズの街)と呼ばれる地域に住むことに。
しかし、頭上には裕福な連中が空中都市「ザレム」を作り、アイアンシティを監視するという二重構造になっていました。
「アイアンシティ」の人たちが漁る廃棄物は、まさに裕福な「ザレム」から排出されるものでした。
クズ鉄の山から発見、「サイボーグの頭部」が救世主!

んな中、映画が描くのは「アイアンシティ」から生まれた主人公「アリータ」(ローサ・サラザール)。
サイバネティックス(人工頭脳学)の専門医イド(クリストフ・ヴァルツ)が、クズ鉄の山から見つけたサイボーグの頭部がアリータでした。
イドの腕の良い修復により、アリータは過去の記憶とともに少女として蘇ります。
しかし、その過去の記憶は宇宙戦争の最前線で戦った優秀な戦闘員の記憶だったのです。
見どころは、廃墟となったアイアンシティ。
そして、アリータの戦闘能力でディストピアを作った空中都市の支配者に挑むのでした…。
関連記事:ヒューマノイドが生き残るSFサスペンス映画特集、ディストピア未来を映画から読み解く!
➋位:『セブン・シスターズ』、強制的「一人っ子政策」

『セブン・シスターズ』が描いたディストピアは、かつてのどこかの国を彷彿とさせる「強制的一人っ子政策」。
本作の背景にあったのは、遺伝子組み換え食品の影響で、三つ子や五つ子が普通にできてしまう多胎児問題がありました。
加えて地球的規模の食糧危機があり、人口抑制は人類生存を賭けた絶対政策だったのです。
ディストピアの形はいろいろあれど、奇抜なアイデアのストーリーと後半の圧巻アクションで第2位に!
あらすじ:政府の監視の目をくぐり抜ける秘策!

「強制的一人っ子政策」を徹底は、政府「児童分配局」の管理のもとに行われていました。
もし二人目以降を出産した場合は、冷凍保存にし、しかるべき時代に蘇生させるという徹底ぶりでした。
政府の徹底した監視に、人々は従わざるを得ないという状況の中、セットマン家に誕生したのはなんと「七つ子」だったのです。
政府の指導に従えば、6人を差し出さなければならず苦悩するセットマン家の祖父テレンス(ウィレム・デフォー)。
かわいい七つ子を前にし、テレンスは隠れて全員育てる決心をするのです。
その方法とは、政府登録は「カレン・セットマン」(ノオミ・ラパス)一人のみ!
究極の解決策、7人のローテーションが最後の破綻!?

7人の子供に付けられた名前は、Monday、Tuesday、Wednesday…Sunday、と順に曜日名が割り振られます。
外出は世間および政府にバレないよう、曜日名の付いた子供が、その曜日のみに外出可能としたのです。
成長したカレン(たち)は、児童分配局の監視を潜り抜け毎日交代で働きに出るのでした。
しかし、会社の同僚やカレンの恋人など、曜日ごとに異なる7つの個性に違和感を感じ始めるのに時間はかかりません。
そして、ある日「Monday」が夜になっても帰って来ませんでした…。
(原題:「What Happened to Monday」(いったい、Mondayに何があったの?サスペンスとしても楽しめる作品です。)
参考記事:1人7役の怪!邦画「水曜日が消えた」は、洋画『セブン・シスターズ』(ノオミ・ラパス)がヒント?
➊位:『ブレードランナー 2049』、レプリカントを狩る人間

ディストピア映画では、次の『ブレードランナー 2049』がもっとも有名かもしれません。
ひと言でいえば、「人間が人造人間(レプリカント)を狩る」というおぞましい世界を描いた映画です。
大ヒットした同名の前作『ブレードランナー』(82)が描いた世界亜は2019年、それからまさに30年後を描いた続編となります。
実は、2025年は集大成?の『ブレードランナー 2099』(Amazon配信)が用意されるという、息の長い見応えのあるディストピア作品ということで第1位に!
あらすじ:ますます悪化する、人間の生存環境…

2019年の地球は環境汚染が進み酸性雨の降りしきるディストピアと化していました。
デッカード(ハリソン・フォード)という捜査官(=ブレードランナー)が探しまくっていたのは人造人間の「レプリカント」。
宇宙開発用の労働力として増産されたのですが、精度の上がり過ぎた人造人間が予期せぬことに感情を持ち始め人間に造反し始めたのです。
あれから30年が経過、人間の生存環境はさらに悪化の一途をたどり、そこには太陽の射さない暗い世界がありました。
生殖能力のあるレプリカントの出現か…

そんな中、主人公は「K」(ライアン・ゴズリング)というコードを持ったブレードランナー。
いまや人間世界に紛れ込んでしまい、見分けのつかなくなったレプリカントを探し出すのが彼の仕事となっていました。
今作の最大のポイントは、「K」が発見した女型レプリカントの遺骨から、なんと妊娠の痕跡が見つかったことです。
監視され、支配される側の人造人間に生殖能力があることに本部は驚愕。
支配構造のバランスが崩れるのは必至とあって、「K」が特命捜査の任を受け持つのですが、捜索先で出会ったのは30年後のあのデッカードだったのです。
かつての一流ブレードランナーから聞き出した物語は、新たな世界の出現を予感していました…。

まとめ:「ユートピア」の再建を目指して~

ディストピア映画はどうしても人類の暗い将来を描いたものばかりで、ちょっとうんざりしますよね。
そこで、最後にまとめとして『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』を紹介しておきましょう。
この映画はディストピア映画ではありません。
かつて多くの惑星の種族が平和に共存していた良き時代を取り戻そうとする救世主=ヴァレリアン少佐(デイン・デハーン)と、ローレリーヌ軍曹(カーラ・デルヴィーニュ)の活躍を描いています。
映画の最初に登場し滅亡してしまう「惑星ミール」の請託を受け、頑張るさわやかな二人に救われますよ!
実はこのミール星こそ、「ユートピア」だったのです。
ぜひ、あわせてご覧ください。
記事へのご感想・関連情報・続報コメントお待ちしています!