
毎日楽しく暮らしたいのに、何気ないことで心のバランスをなくしてしまうことってありませんか?
心許せる人との楽しい会話で、吹っ切ってしまうのも方法かもしれません。
でも、今はわざわざ人と対話する処方箋より、一旦、ひとりになってみませんか?
そして、「心温まる映画」でも見ながらサッサと気分を切り替える!
「人生って、まんざらでもないなぁ…」と思えたら、1本の映画、安いものです。
さまざまな人生背景に、ホッとする人間模様
紹介するのは、8本の洋画からです。
さまざまな年代、男と女、そして環境の違う人たちが登場します。
読者と映画に登場する人物の背景が違うのは当然で、まして海外作品なので悩みや人間関係の機微は違うかもしれません。
しかし、なんとか「せいいっぱい生きている人たち」を描いているという点ではまったく一緒です。
そんな人たちを見ると、きっと心が温かくなってきて、ホッと和んでいる自分に気付くことでしょう。
■目次~心温まる映画 8選~
1.The Glass Castle
『ガラスの城の約束』、嫌いなお父さんのこと

最初の「心温まる映画」は、家族がテーマです。
家族間の人間関係は、ややもすると普通の人間関係よりキツイかもしれません。
今作、『ガラスの城の約束』はアメリカで活躍する女性コラムニスト「ジャネット・ウォールズ」の自叙伝が原作。
両親と姉妹たち6人で暮らした家族の、父と娘にスポットが当たっています。
主人公ジャネット(ブリー・ラーソン)は、小さい頃は思い出をいっぱい作ってくれた父レックス(ウディ・ハレルソン)のことが好きでした。
しかし、成長するにつれ大酒飲みで約束を守らない父に次第に愛想を尽かし始めます。
大人になってやっと親から独立できたジャネットは、すっかり父親のことを忘れコラムニストとして忙しい日々を送っていました。
あえて父親と会うのも避けてきたのですが、ジャネットが結婚すると聞いた母親が、せめてフィアンセを父親に紹介したらと持ち掛けます。
多少、レックスの悪癖を聞いていたフィアンセも理解してくれ、二人は会うことに。
しかし、事態はとんでもないことに発展、父の悪癖は全然変わっていなかったのです。



もう金輪際と思った矢先、強弁の父親も長年の大酒飲みがたたってとうとう体調を崩すことに…。
久々に集まった姉妹たちの話題は、映画のタイトルともなった「ガラスの城の約束」のことでした。
悪口を言うものは誰もいず、みんなが笑顔で話すのは懐かしい父との思い出ばかり。
ギスギス感ばかりの家族映画と思いきや、最後にはやさしい安ど感に包まれます。
作品詳細:父親のことが大嫌いなあなたに見て欲しい映画、『ガラスの城の約束』
●ブリー・ラーソン(Brie Larson)
誕生日:1989年10月1日
出身地:アメリカ・カリフォルニア
身長: 170 cm
▶おすすめの代表作品
※感動のエンディングが待っています!
※2022年には、続編が予定されています。
2.Tully
『タリーと私の秘密の時間』、ナイトシッターの驚きの秘密



今作、『タリーと私の秘密の時間』もテーマは家族ですが、その中で子育てに奮闘するアラフォーママにスポットが当たっています。
主人公ママ、マーロー(シャーリーズ・セロン)は夫と二人の子どもと暮らす4人家族。
しかも、もうすぐ3人目の出産も控えています。
映画は、最初からタリーの孤軍奮闘ぶりが映し出されます。
(夫は、一応多忙なマーローに理解を示しているのですが、肝心のところにはちょっと手が届いていない様子)
出産前でもそんな状態ですから、出産後のバタバタが思いやられます。
果たして、この映画のどこが「心温まる」のでしょう…。
出産後のマーローは、激務そのものです。
疲れ切っているマーローを見かねた夫は、知り合いから「ナイトシッター」の情報を聞いてきてマーローに相談を持ち掛けます。
「ナイトシッター」とは、夜中の赤ちゃんの授乳など夜だけ育児の手伝いをしてくれる人です。
正直、それほど期待していなかったマーローですが、やってきたのはタリー(マッケンジー・デイヴィス)という若い女性。
すこぶる印象もよく、大変良く気の付く女性で仕事は完璧でした。



しかも、マーローが昼間にやり忘れているようなことまでしっかりやってくれるのでした。
おかげでマーローは余裕ができ、昔の元気を取り戻すマーロー。
さて、実はこの映画、最後にどんでん返しが仕掛けられています。
たまには夜の街に繰り出そうとマーローを誘ったタリーから、突然、告白されます。
「この仕事をやめなければならなくなった…。」と言い出したのです。
その理由を知った時、マーローだけではない誰にもある秘密にハッと気づくことに。
生活に疲れひんやりしていた心が、ホッとする瞬間に立ち会えますよ。
●シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)
誕生日:1975年8月7日(しし座)
身長:177㎝
出身:南アフリカ共和国
▶おすすめの代表作品
●マッケンジー・デイヴィス(Mackenzie Davis)
誕生日: 1987年4月1日(おひつじ座)
身長:180 cm
出身:カナダ・ バンクーバー
▶おすすめの代表作品
※女子同士のラブストーリー。マッケンジー・デイヴィスが輝いて見えますよ!
3.Jojo Rabbit
『ジョジョ・ラビット』、10歳の男の子とユダヤ人の交流



次に紹介する『ジョジ・ラビット』は、前2作と時代も背景を異なる映画です。
第二次大戦中の、ドイツの話です。
と言えば、思い起こすのは悪事を尽くしたナチス・ドイツ。
ちょっと馴染めない人もいるかもしれませんが、観れば必ず心の中の突っ張りが外れ気持ち良くなること受け合います。
主人公は、ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)という名前の10歳の子どもです。
なんと彼は、当時のナチスの国策でナチスの思想を植え付ける「ヒトラー・ユーゲント」という組織に入隊させられていました。
日に日に、「ハイル!ヒットラー!」という例の号令が上手になるのを自慢さえしていました。



そんなナチス思想にハマりつつあるジョジョは、ある日、自宅の隠し部屋にとんでもないものを見つけます。
それは、ユダヤ人の少女エルサ(トーマシン・マッケンジー)でした。
母親ロージー(スカーレット・ヨハンソン)と二人きりで住む家で、絶対ご法度のユダヤ人が匿われていたのです。
見つかれば大好きな母親もろとも死刑は必至。
ロージーが働きに出た昼間、ジョジョは人間以下と洗脳されていたユダヤ人に恐る恐る話しかけるのでした。
少女との会話を通じてジョジョが次第に感じ始めることに、戦争の醜さを知っている人はきっと心穏やかになるはず。
そして、何よりこころを揺さぶるのはジョジョと母親ロージーの会話です。
普通の戦争映画にはない、爽やかなエンディングを迎えます。
作品詳細:『ジョジョ・ラビット』は泣ける映画!ヒトラーユーゲントに10歳で入隊した男の子
●スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)
誕生日:1984年11月22日生まれ(いて座)
身長:160㎝
▶おすすめの代表作品
4.Gifted
『gifted/ギフテッド』、天才少女の悩みに寄り添う



続いてこちらも子どもが主人公の、心温まる映画です。
子どもの純粋な気持ちに触れた時は、なおホッとしますよね。
でも、今作『gifted/ギフテッド』の主人公メアリー(マッケンナ・グレイス)はちょっと変わっていました。
「Gifted」は天才を意味し、メアリーは7歳ながら数学の天才だったのです。
ただ、メアリーは両親がいなくて亡くなった母親の弟フランク(クリス・エヴァンス)に預けられていました。
フランクの方針で普通の小学校に通うメアリーだったのですが、圧倒的な天才脳のため学校でも浮いた存在でした。
先生はじめ周囲は、本人の将来を考え天才教育の専門学校へ転校するよう勧めます。
しかし、フランクは頑として断っていました。
なぜなら、友達関係を含め情緒的な教育には、今は普通の学校が適しているという信念があったからです。
メアリー自身もフランクが大好きで、学校生活を楽しんでいました。



そんな時、訴訟を起こしてでもメアリーを強硬に引き取ろうとする人間が現れます。
フランクの母で、メアリーの祖母になるイヴリンでした。
実は、イブリンはじめこの家系は天才の家系だったのです。
メアリーは一旦、祖母の家に引き取られるのですがショックを受け沈み込んでしまいます。
大好きだったフランクが自分を裏切ったと思い込んだのです。
さあ、映画の後半からは、周囲の人たちはメアリーをなんとか元通りにしてあげたいと頑張る姿が描かれています。
そして、メアリーに以前のような屈託のない笑顔が戻った時、人間にとって一番大切なことは何かを切々と教えてくれます。
《コラム:映画に飽きたら》
5.Lady Bird
『レディ・バード』、誰にもあったあんな時代



多感な17歳の女子高生が、自分のことを呼ぶときはこう呼んでと名付けた名前。
それが、「レディ・バード」でした。
特に何かと口うるさい母親にも、徹底して自分の本名クリスティン(シアーシャ・ローナン)と呼ばせません。
そんな、反抗期の典型のような彼女が学園生活や男友達との交流を通じてなんとか成長していく姿が描かれています。
見る人は、「私にもそんな時があったよね。」と共感を呼ぶ映画として話題になりました。
自称「レディ・バード」の毎日は、やりたい放題。
見ていて危なっかしさともどかしさでいっぱいです。
しかし、高校生活も終盤になり、進学のことでは急に神妙になり悩むという可愛い面も。
あまり勉強しなかったくせに、地元を離れたい一心で母親の反対するニューヨークの大学を志望していたのです。
そんなレディ・バードの将来が気になります。
助けてくれたのは、彼女をじっと見守っていた父親でした。
なんとか新しい門出のできた「レディ・バード」でしたが、新天地で初めて出会う男の子への自己紹介を聞いた時、ホッとする瞬間!
彼女は、自分のことをなんと言ったのでしょう!
作品詳細:卒業・入学式、旅立ちの日のおすすめ映画『レディ・バード』
●シアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)
誕生日:1994年4月12日
身長:168㎝
出身:アイルランド
▶おすすめの代表作品
6.The Bra
『ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を』、青いブラのメルヘン



こちらの映画は、これまで紹介した心温まる映画とは少し趣が変わります。
大きな特徴は、全編を通じて一切セリフがありません。
それが逆に登場人物の温かさを際立たせ、映画全体を微笑ましく仕上げているのです。
「ブラ」は、持ち主がわからなくなった青いブラジャーのことで、マジメな初老の男が一生懸命に所有者を探すというちょっと変わった物語です。
一体、「ブラ」に何があったのでしょう。
主人公となる初老の男は、アゼルバイジャンの草原を走る貨物列車の運転手ヌルラン(ミキ・マノイロビッチ)。
優雅に山あいを走る時はいいのですが、途中の難所は、洗濯物が線路を跨いで干された街中でした。
一日の勤務を終え列車を清掃するヌルランですが、列車の取っ手に引っかかったブラを発見します。
街中をすり抜けた時に、きっと引っかけたのかもしれません。
定年が近い真面目なヌルランは、仕事を最後まできっちりしておきたくて、捨てればという同僚の言葉を無視。
翌日、通過した街中に戻りブラの持ち主探しを始めるのでした。
民家を一軒一軒回り、「このブラに心当たりはありませんか?」と尋ねまわります。
ブラを見せた途端、変態扱いされ門前払いを食らうこともあれば、キレイなブラに興味を持ち試着を始める若い女性もあらわれます。
しかし、一向に現れない持ち主にさすがのヌルランも疲れ切った様子。
とぼとぼと線路沿いを歩いていると、視線の先にあるものを見てヌルランはハッと喜びます!
大人のメルヘンのなんとも嬉しい結末に出会い、ヌルランの姿にホッとするのは私だけでしょうか。
作品詳細:『ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を』アゼルバイジャンに溶け込むメルヘン
7.Green Book
『グリーンブック』、天才ピアニストと元用心棒



この映画『グリーンブック』のテーマは、いまだ根強く残る黒人差別の問題です。
しかし、見終わった後に残る印象は差別問題を超越し、もっと大事な人間対人間の心温まるふれあいに感動します。
長旅を終えた二人のエンディングのシーンに、感極まって下さい。
時代は1960年代で、黒人差別が今よりもっとあからさまだった頃。
黒人の天才ピアニスト、ドクター・ドナルド・シャーリー、通称ドン(マハーシャラ・アリ)が、特に差別のひどいアメリカ南部へ一か月の興行ツアーに出る話です。
一緒に同行するのは、運転手募集広告で高額というだけで応募してきたイタリア系のトニー(ヴィゴ・モーテンセン)。
ナイトクラブをクビになった元用心棒で、ピアニストの通称ドンとは正反対の粗暴な男でした。
トニーは、必ずクリスマス前までには帰らせてほしいという約束を取り付けて出発します。
南部各地のコンサート会場を転々とする車中は、ドンとトニーは二人きり。
趣味も価値観も違う二人の会話は、滑稽そのもので見どころです。
なんの気遣いもせず話しかけるトニーに、ドンのうんざりした表情に先が思いやられます。
しかし、意外なことに黒人ドンがコンサート会場で受けひどい差別に対して、トニーは感情もあらわに怒り出します。
逆に、ドンがもういいからと、なだめに回るぐらいでした。
そんなことから、次第にドンとトニーはお互いに惹かれだすものを感じます。



コンサートも終盤にさしかかり、約束のクリスマス前の到着を目指して二人は旅路を急ぎます。
途中、ドンは家族のあるトニーを気遣い、家で帰りを待つ妻に手紙を書くように勧めます。
ところが、手紙など書いたことのないトニー。
文章の手ほどきをドンから教えてもらうシーンは、なんとも心が和みます。
さあ、後半の強行スケジュールをこなしやっとたどり着いたトニーの我が家。
そこには、彼の帰りを今か今かと待つファミリーがいるのでした…。
作品詳細:アカデミー賞受賞、黒人差別の『グリーンブック』を観ると、ますます映画ファンに!
8.Lion
『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』、奇跡の実話



さて、最後に紹介する『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』は奇跡の物語といっても過言ではない実話映画です。
タイトルが示す通り、25年目にしてやっと生家に戻った青年の話です。
その青年とは、インド出身でオーストラリアで育った実在のサルー・ブライアリー(デーヴ・パテール)です。
インドには5歳まで家族一緒に住んでいたのですが、兄と近くの駅舎近くまで出掛けた時、間違って乗った長距離列車が彼の運命を変えてしまったのです。
広大なインドを横断し、降りた駅は家から数千マイル。
以降、話す言葉ももどかしく、サルーはストリートチルドレンになってしまいます。
その後、孤児院を経由し養子縁組で出会ったのは、なんとオーストラリアに住む親切なブライアリー夫婦でした。
母親スー(ニコール・キッドマン)たちの温かい愛情に恵まれすくすくと育ったサルー。
大人になったサルーは、ある日、インド特有の揚げ菓子のにおいに出会います。
これこそ、サルーが小さい頃、貧しくて食べられなかった懐かしいお菓子。
これをキッカケに、自分のルーツ探しにいてもたってもいられなくなるのでした。



さあ、5歳の時の断片的な記憶は繋がるのでしょうか?
育てのスー家族も友人たちも、一緒に故郷探しに協力してくれました。
そして、今の時代だからこそ記憶を繋いでくれたのは「Googleearth」でした。
細い糸を一本、一本と手繰り寄せながら記憶を紡いでいくとそこには奇跡が待っていたのです。
(映画の最後の映像は、実際の感動の再会シーンとなっています。)
●ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)
誕生日:1967年6月20日(ふたご座)
身長:180㎝
出身:ハワイ~オーストラリア
まとめ~8作以外こんな映画も~
■まとめ~心温まる映画 8選~
いかがでしたでしょうか?
小さな子どもも、成長した大人も、また男も女も、それぞれの場所でみんな一生懸命生きている姿が描かれています。
主人公はじめ、助け合う人たちにしばらく自分を投影してみると面白い人生ドラマが出来上がります。
ぜひ一作、一作を丁寧に見てもらえれば、期せずして込みあげてくるものをきっと感じることでしょう。
「8作品以外のおすすめ映画」
■「心が温まる」映画。他にもこんな作品が
●『魔女がいっぱい』
※ユーモアたっぷりの心温まるファンタジー
●『ラスト・クリスマス』
※「ワム」の曲に乗せて…
●『スタンド・バイミー』
※誰にもあったあの頃。12歳の仲良し4人組の冒険…