華やかな映画の祭典、アカデミー賞!
HOLA!
筆者の予想では原爆の父を題材にした『オッペンハイマー』が受賞ではないかと思われます。
が、エマ・ストーンの体当たり演技と素晴らしい美術セットと世界観で魅せつけてくれた話題作『哀れなるものたち』も対抗馬として注目されていますね!
筆者は同作品を鑑賞いたしましたが、一人の女性が生まれ変わり強い女性へと成長していくストーリーが素晴らしかったです!
『オッペンハイマー』の日本公開はまだですが、もし受賞したら鑑賞の期待値があがりますね。
宮崎駿監督の長編アニメーション『君たちはどう生きるか』もノミネートされており、「日本人受賞!」もがんばってほしいです!
自分と向き合うこと、弱さを知ること、これから待ち受ける試練と成長失敗などメッセージが強くておもしろい作品でした!
観た後、インコをみるのがこわくなりました。
さて、今回は過去受賞作特集ということで早速いってみましょう!
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/OppenheimerMovie/)
①『パラサイト 半地下の家族』(20)
韓国の鬼才で奇才 ポン・ジュノ監督作品。
筆者はポン・ジュノ作品でしたら『母なる証明』という知的障害がある息子と母を描いた作品が好きですが、『パラサイト 半地下の家族』もなかなかに恐ろしい内容となっております。
貧乏一家がなりすまして金持ち一家の家ごとのっとるというお話。
この貧乏一家、根っからの貧乏人なので成り上がるまでせったいにめげない。
シーンの要所要所にピンチになるシーンが挟まれているのですが、めげない!あきらめない!
【第92回:作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を受賞】
腐った根性が、たまらなく愛おしい!
実は本当にこわいのは・・?
そして総じて見たら全員怖い・・。
みごたえが充分にある映画で、腐った根性がたまらなく愛おしくなります。
『母なる証明』の主演女優キム・ヘジャを見てもわかるように、ポン監督は「おばさん」と「おじさん」の扱いが上手すぎる。
俳優の演技のうまさの底力を見せてくれたポン・ジュノ監督には脱帽です。
②『それでも夜は明ける』(14)
ブラピ様の会社の映画、おもしろいんです!
こちらは、ブラッド・ピットが設立した映画製作会社「プランBエンターテインメント」作品です。
『ミナリ』や『オクジャ/okja』などのアジア作品もありますよ。
白人至上主義なんかとんでもねぇ!と主張している心も姿も美しいブラッドピット、彼の思いがひしひし伝わる本作品。
まだ奴隷制度が残るアメリカ、自由奴隷のソロモンはヴァイオリニストとして活躍していたが、ある日誘拐されてニューオーリンズに売り飛ばされてしまう。
自由奴隷だと主張するもむなしく、差別虐待の日々が約12年!
が、カナダ人労働者の男との出会いがソロモンの運命を大きく変える。
と、いった内容
筆者はニューオーリンズに行ったとき黒人のパワフルさに驚きました。
そうです、パワフルで野蛮だから白人は恐れて虐待と差別を繰り返したのです。
という日本人も昔は野蛮すぎるほどの野蛮人だったらしいのですが、皮膚の色が違えば何かしら起きるということを勉強するにはとてもいい映画だと思います。
【第86回:作品賞、助演女優賞、脚色賞を受賞】
とてもよくてとても悪い、マイケル・ファスベンダー!
主人公は自由奴隷(自由黒人ともいい、法的に奴隷ではない黒人のこと)の順風満帆な生活を送っているのですが一変して地獄にかわります。
同じ黒人なのにあちらは自由、こちらは地獄といった境遇での生活。
想像しただけで重くなりますよね。
ですが救世主がチャンスを持ってやってきた!「成功」「運」をいかに手にするかハラハラする映画です。
今、話題のネットフリックスオリジナル映画『ザ・キラー』の寡黙な殺し屋を演じている注目の俳優マイケル・ファスベンダー。
彼が演じた農園主がとてもいい!です。
とてもよくてとても悪い!
③『アメリカン・ビューティー』(20)
アメリカの中流家庭の崩壊をコミカルに描いた作品『アメリカン・ビューティー』。
見栄っ張りな妻に生意気盛りの娘、自身も中年の危機を感じているレスター(ケヴィン・スペイシー)。
ある日、娘のチアリーディングの試合を見に行った際、娘の友達のアンジェラに恋をしてしまいます。
そのことで、どんどん何もかも崩壊していく…。
というお話です。
男はいつまでも男で、女はいつまでも女ということを見せてくれた作品。
主人公レスターは、40代後半のド中年。
「このまま、じーさんになって死んでいく人生か、このままでいいのかな?」と考えるお年です。
【第72回:作品賞を受賞】
ださ親父の青春、描き方が一押し!
昔は妻もかわいくて、娘も小さくて、自分の言うことを二人とも素直に聞いてくれて幸せだった…。
時の流れとともに二人とも自我が出てきて、いつの間にか自分が虐げられてる家庭にひっそり身を置いている、こんなおじさん沢山いますよね。
「年を重ねること」への不安は誰しもあること。
レスターの頭の中にいる妄想上のアンジェラは薔薇風呂に浸かっていてレスターを誘惑していたりと。
おじさんなのに頭の中はいつまでも中学生並み(しかもどこか古い)、そんなレスターが可愛くてたまらなくなってきます。
おじさんだから経験と知識はそこいらの若造より遥かにあるんだよ、お嬢さん。
危険を冒したい年頃の女子なら「アリかも」となってしまうのかも・・・。
その描き方が一押しです。
④『シェイプ・オブ・ウォーター』(18)
半魚人と声が出せない清掃員のラブストーリーで、独創的な世界観を描くギレルモ・デル・トロ監督作品です。
美術セットの凝り方は半端じゃないギレルモ監督。
ダークファンタジー作品で彼の右に出る人はいないかも・・・。
ティム・バートン監督もファンタジーを描いていますが、彼のはゴシックホラーテイストですね。
筆者の大好きな女優、サリー・ホーキンスがとてもかわいい。
【第90回:作品賞・監督賞・作曲賞・美術賞を受賞】
半魚人がかっこいい、童話のような作品!
そしてアセットと呼ばれる半魚人がとてもハンサムに見えてくるから不思議です。
半魚人は誰が見てもの不思議生物で、自分は声が出せない障害をもっている。
形は違うがどこか共通点があり、独りぼっちだったのにいつの間にか二人の時間を共有していた時、恋は生まれるのです。
童話のような本作品、ラストは「よかったね!」と「どこか悲しい!」の感情が同時にきます。
自分にとっての幸せを見つけたくなる映画です。
まとめ
いかがでしたか?
アカデミー賞は華やかな映画の祭典。
ここまでくるのにどれだけの人の汗と涙が出ているのでしょうか・・エンターテインメントの世界は本当に苦労の連発。
だからこそ、観客を引き込む力がえげつない。
今年のノミネート作品そして受賞作品はどれも一押しなので是非ご鑑賞くださいね!
それでは、またお会いしましょう!
NOS VEMOS
《ライター:なんじゅん》 クリックで担当記事一覧へ→
元舞台俳優・劇作家・現イラストレーター
中学生の頃から一人映画館をキめていたくらい大の映画好き。好きな映画は「髪結いの亭主」。
ポップコーンはバター多めで。
自分の好みの映画ばかり追ってると、アカデミー賞作品でも見れてないものが結構あるんですよね。この記事を読んで、観てた2作にはとても共感し、見れてない「それでも夜は明ける」と、「アメリカン・ビューティー」を是非観てみたいと思いました。記事の途中のイラストもとても可愛いです( ᐢ_ᐢ )
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ありがとうございます!よろしくおねがいいたします!