ジェームズ・キャメロン監督・制作のSF映画で有名な「アバター」シリーズ1作目は2009年でした。
そこから約13年がたち、世界的に大きな注目と人気を集めた『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を紹介します。
今回の作品では、前作同様3D映像もアピールしており、展開する波乱含みの映像とストーリーの両面からのめり込んでしまいます。
また、今作のサブタイトル「ウェイ・オブ・ウォーター」の通り、海の描写が素晴らしく本当に自分も泳いでいるかのような錯覚さえ生まれます。
今記事では、前作のストーリから今作まで続けて紹介し、映画『アバター』がシリーズを通して伝えようとしているメッセージを考察してみました。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/AVATARMOVIEJP/)
●ジェームズ・キャメロン監督(James Cameron)
誕生日:1954年8月16日生まれ
出身:カナダ・オンタリオ州
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前作からの背景、地球と人類のアバター計画
西暦2100年代あたりに人類は地球の資源を使いはたそうとし神秘の惑星パンドラに目をつけます。
ここの地下には希少鉱物があり、それを持ち帰ることで地球のエネルギー問題を解決できると思ったわけです。
が、そこには先住民である「ナヴィ族」が住んでいました。
彼らには文明が発達していないので、人類はあらゆる物を与えながら交渉をしようと考えていました。
しかし、彼らはそれらの全てを受け入れません。
困った人類はナヴィとの信頼関係を深めるために、「アバター(分身)計画」を始めることにしたのです。
地球人とナヴィのDNAを掛け合わせた人工生命体の「アバター」を操ることで、人体に有毒な大気の問題をクリアし、鉱物を採掘しようとしたのです。
主人公ジェイク、神秘の惑星パンドラへ
前作『アバター1』のストーリーは、主人公である「ジェイク・サリー」(サム・ワーシントン)が目の前に水玉が浮いていて広い宇宙ステーションで目覚めるシーンから始まります。
彼は元海兵隊員で下半身付随で車椅子の身だったが、「アバター」になることで自由に動き回ることができたのです。
そして、一卵性双生児の兄はアバター計画に参加する科学者でしたが亡くなってしまいます。
ジェイクであれば、兄とDNAが一緒なので兄の身代わりとしてアバターを動かすことができたのです。
しかし、パンドラ星開発を任された責任者はナヴィ族族との交渉が進展しないので武力行使を検討している状況でした。
そこへ、ジェイクは地球人居留地を警護する傭兵部隊の隊長「クオリッチ」大佐からナビ族の情報集めのスパイ活動をが命じられることに。
見返りに足を治すと言われ、こうしてジェイクは惑星パンドラへ鉱物を搾取するミッションに同行。
さらには、パンドラに住む異星人ナヴィ族に自分の意識を連結させることになったのです。
●サム・ワーシントン(Sam Worthington)
誕生日:1976年8月2日生まれ
星座:しし座
身長:178㎝
出身:イギリス~オーストラリア
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※全身特殊メイクの変身は、別世界にいざなってくれます!
※神ゼウスとの、おどろおどろしい戦いは引き込まれる!手で持ち上げたものが何か?
ナヴィはインディアンを投影、ジェイクを受け入れる
ナヴィは地球人のことを「スカイ・ピープル」と呼んでいましたが、彼らを受け入れ子供達を学校にまで通わせていました。
もちろん、アバターのことも知っているわけです。
なので、「ジェイク」は人間であることを隠しているわけではありませんでした。
また、そこに「ネイティリ」(ゾーイ・サルダナ)というパンドラ原住民ナヴィのオマティカヤ部族の女性が現れ、部族長たちと共にジェイクを招き入れます。
警戒心なさすぎなのではと思うかもしれませんが、「ナヴィ」にとって強奪や裏切りという概念はありませんでした。
自分達は自然の一部であって、自然は誰かの所有物ではないという考え方です。
なので、独占するという考えがありませんでした。
●ゾーイ・サルダナ(Zoë Saldaña)
誕生日:1978年6月19日生まれ
星座:ふたご座
身長:170㎝
出身:アメリカ・ニュー・ジャージー州
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一方、人類はナヴィの所有地を手に入れようと考えていました。
最初は「ジェイク」もナヴィの習慣や弱点を情報収集することが目的でしたが、彼らと同じ様な生き方をしていく中で、現地の言葉も学びながらどんどん共感。
人間がやろうとしていることに疑問を持ち始めるのです。
こうして、彼は最終的にパンドラ星の運命を決する選択を追られていくことになるのです。
「ウェイ・オブ・ウォーター」は、家族ストーリーに
さて、シリーズ2作目『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ではジェイクとネイティリが結ばれます。
4人の子供たちと平和な暮らしをしているシーンが描かれていますが、再び人類「スカイ・ピープル」がパンドラに現れその生活は一変してしまいました。
そして、ついに神聖な森を追われてしまうことに。
ジェイクとその一家がたどり着いた先は、別地域で暮らす海の部族である「メトケイナ族」でその庇護を受けることになりまます。
彼らは綺麗なマリンブルーの身体に、海の中を自由自在に泳げる太い尻尾を持っていたのです。
彼らは海の生物の乗り方や、海の中での深呼吸などを教えて次第に溶け込んでいくのですが、海辺の楽園にも人類の侵略の手が迫りはじめ、平穏な日々は終わりを迎えたのです。
征服者スカイ・ピープル、対するナヴィ反乱軍
この構図は、かつての地球の歴史上どこの植民地支配でも見られたことで、そして今も続く状況への批判も込められていると感じます。
さらに今回は鯨に似た海洋生物タルカンが登場し、捕鯨問題にも焦点が当てられているようです。
また、前作の戦いでジェイクに命を奪われ、彼への復讐にすべてをかけたクオリッチ大佐がアバターとなって現れてきます。
クオリッチが率いる「ブルーチーム」は皆、DNAの持ち主の記憶が組み込まれアバターとして蘇った部隊でした。
多くの展開がある中、終わりに近づくにつれ家族で支え合い様子が余韻を残していきます…。
まとめ:人類の歴史、そして私たちへのメッセージも
さて、それではこのストーリーは何を描いていたのでしょうか。
実はアメリカを軸とした世界の歴史を描いていたのです。
本作はSF映画であり、表向きは架空の話でしたが、その裏には現実の話が投影されていたのです。
たとえば、その中でもアメリカとインディアンの歴史を投影しているのではと思えるところも。
「彼ら」がやってきた時、現地の先住民達を上手に受け入れ土地や食べ物を与えたりしながら、その地で生きていくための術を教えていたのです。
インディアンの土地が神秘の惑星パンドラと重なり、森の民も海の民も「自然に敬意」を払い、精神の解放を大事にしていたのです。
さらに森や海の生き物たちとも心を交わし、命あるもの全てが繋がっているのだということを今の私たちに思い出させるメッセージが多く込められていた感動的な映画でした。
■ジェームズ・キャメロン『アバター』の世界観【管理人・選】
The ART of AVATAR ジェームズ・キャメロン『アバター』の世界
※構想14年、製作4年を費やし、あのキャメロン監督が「自らのイマジネーションに映像テクノロジーが追いついた」と評価した超大作映画「AVATAR」。その映像革命ともいえる驚異のビジュアル世界を、未公開素材を含む200点以上のビジュアル(ラフスケッチ、コンセプトアート、クリーチャー模型や映画スチール写真など)、キャメロン監督を始めとした豪華スタッフ陣へのインタビューなどで徹底公開! キャメロン監督が長年温めてきた「AVATAR」の世界を十二分に堪能できる内容となっています。
《ライター:Reina》
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