ソニーのアニメーション映画『スパイダーバース』シリーズの3作目、『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』。
第2作『アクロス・ザ・スパイダーバース』は記憶に新しいという人も多いのではないでしょうか。
今回は、クリフハンガーで幕を閉じた二作目を含む過去の作品のおさらいと、現時点でわかっている『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』についてお伝えします!
待ち遠しい、2024年公開の予定です。
(冒頭画像:https://twitter.com/SpiderVerse/)
『スパイダーマン:スパイダーバース』(18)
まずは1作目。
日本では2019年4月に公開された本作は、アメコミがそのまま動き出したような圧倒的なビジュアルセンスが話題になりました。
主人公は、ブルックリンに住む15歳の※マイルス・モラレス。
警察官の父親に看護師の母親、成績は優秀ですが、そのために地元を離れて進学校へ転校しなければなりません。
彼のニューヨークではスパイダーマンがヒーローとしてすでに活躍しており、マイルスには何の関係もないはずでした。
ところが、マイルスはあることがきっかけで蜘蛛に噛まれ、スパイダーマンとニューヨークのマフィア「キングピン」との争いに巻き込まれてしまいます。
そして、新しい能力に戸惑うマイルスの周りに、次々と「別の世界のスパイダーマン」が現れ始め……。
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マイルス・モラレス:ストレイト・アウタ・ブルックリン (MARVEL) コミック
※アフリカ系とヒスパニック系の両親に育てられ、現在はルームメイトたちと共に学生寮に暮らす、マイルス・モラレス。13歳の頃、遺伝子改造された蜘蛛に咬まれてスーパーパワーを得た彼は“親愛なる隣人”スパイダーマンとなって、今日も愛するホームタウンを飛び回る!【引用:Amazon】
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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(23)
前作から一年と少し。マイルスは新しいスパイダーマンとして活躍を続けますが、いつまで両親に正体を隠せばいいのか、またスパイダーマン仲間に会えるのか、進学先はどこにするのか、悩みが尽きません。
マイルスの前には、「スポット」と名乗る新しいヴィランが登場。
前作の加速器の爆発の影響で、時空間を移動する穴(スポット)を開けることのできる能力を得た、ある意味でマイルスが作り出したと言ってもいい存在です。
マイルスは、自分の世界へ帰ったはずのグウェンを追って、アース928の「ヌエバ・ヨーク」へ。
さまざまな世界のスパイダーマンたちが時空を超えて集まった「スパイダー・ソサエティ」で、スパイダーマンたちのリーダー的存在であるミゲルに会いに行きますが……。
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース アート・オブ・ザ・ムービー
※マイルス・モラレスがついに帰ってきた!本書『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース:アート・オブ・ザ・ムービー』は、ソニー・ピクチャーズ・アニメーションの制作チームによるアートワークにスポットライトを当てる。コンセプトアート、スケッチ、キャラクター・デザインや絵コンテを惜しむことなく収録した。【引用:Amazon】
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第3作目は、「マイルス」の物語の完結編に!
3作目『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』についてわかっていることはまだ多くありませんが、これでマイルス・モラレスを主人公とした物語は完結となるようです。
『アクロス・ザ・スパイダーバース』は、そこへ目掛けたいわば前編。
その分、マイルス以外のキャラクター、主に※グウェンの物語がしっかりと描かれていましたね。
マイルスとグウェンのダブル主人公と言ってもよかったほどです。
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※舞台は別の時間軸の世界。放射能を浴びたクモに噛まれ、ヒーローになったグウェン・ステイシー。日常生活やバンド活動、家族、友情、そして皆を守るための戦い。波乱に満ちたグウェンの冒険が始まる!【引用:Amazon】
最後に登場した「あの人」の物語も!?あらすじを大胆予想
『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』の内容については、私たちファンはまだほとんど知らされていません。
製作スタッフは秘密保持契約書にサインをしているというぐらいですから、ソニーはMCUやスターウォーズ並みのネタバレ対策を施している様子。
ある程度予想を立てるのであれば、2作目の最後に登場した人物が鍵を握っていることは間違いなさそうですね。
2作目の当初の予定は、その人物のエッセンスが多く入った「王子と乞食」のような話だったんだとか。
「王子と乞食」とは、1881年に書かれたマーク・トウェインの小説です。
貧民と王子という正反対の身分に生まれついた二人の少年がある日偶然出会い、お互いの見た目が双子のようにそっくりであることに気づくという物語。
いかがでしょう、『アクロス・ザ・スパイダーバース』をご覧になった方なら、このあらすじを聞いてちょっと鳥肌が立ちませんか?
あくまでごく初期の段階での構想ということなので、『ビヨンド』が必ずしもこういうストーリーになるということではなさそうですが、『アクロス』の最後の数十分は大きな意味のあるクリフハンガーと言えそうですね。
タイトルの『ビヨンド』、意味するものとは?
1作目からかなりはっきり描かれていたことではありますが、マイルスを噛んだ蜘蛛は、他のユニバースからやってきたスパイダーマンと同じように「バグって」いたことによる影響はかなり大きなものだったようです。
第1作目の原題『イントゥ・ザ・スパイダーバース』は、マルチバースという概念の導入でもありました。
第2作『アクロス・ザ・スパイダーバース』は、さまざまな世界を行き来しマイルスが自分の「立場」を知る物語であると言えます。
自分が他のスパイダーマンとは決定的に違う「異分子」だったと知ってしまったマイルス。
「お前の存在は間違いだった」「いるべきではなかった」と降りかかる声を跳ね除け、「自分の物語は自分で語る」と自分のアイデンティティを確立させる、とてもスパイダーマンらしい物語になりました。
「多くの人が共感できる、最大公約数の個人的な物語」という「スパイダーマン」の芯の部分が捉えられています。
そして、3作目のタイトルは『ビヨンド』(超える、超越する)。
マイルスが自分のアイデンティティについて、マルチバースのルールを超えた一つの答えを出すことが予想できます。
まとめ:『ビヨンド』は傑作の予感!気長に公開を待とう
『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』の公開時期は、当初2024年の初夏に予定されていました。
2作目からちょうど1年後です。
しかし、2023年7月から続いている全米映画俳優組合のストライキが影響して、スケジュールは一旦白紙になってしまいました。
考えてみれば、1作目から2作目も5年の間が空いています。
2作目のアニメーションの出来栄えからは、新型コロナウイルスの流行を差し引いてもあれを5年で作るのは早いのでは?と思ってしまうほどですよね。
早く続きが見たいのは山々ですが、筆者としては、是非とも時間をかけて、私たちが体験したことのない力強いアニメーションを作ってほしいと思っています。
アニメーターを含むハリウッドやその他の映画界での労働環境が問題になっている中、無理のないスケジュールで名作を生み出してほしいと願うばかりです!
【YouTube:ビヨンド・ザ・スクリーン:『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のクリエイターたち | ソニー公式】
《ライター:ぜろ》 担当記事一覧はこちらをクリック→
高校2年生で『アベンジャーズ』を観て以来の映画ファン。大学と大学院では映画研究にどっぷり浸かっていました。
アナログでファンアートを描いてはインスタグラムに載せています。楽し〜!
話題の作品や、そこにつながる過去の名作、注目のキャストなどをわかりやすく楽しく紹介していきたいです!
「スパイダーマン!?でも、アニメか…。」と思っていた私がハマったのが、このシリーズです。
音楽といい、アートといい、センスの塊。
こんなアニメ映画作れるの!?と驚きました。
『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)の主題歌、Post Malone, Swae Lee/Sunflower、最高に‘エモい’です。
『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)でマイルスのスパイダーマンに虜になった私が、次作『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023年)では、『アベンジャーズ・インフィニティウォー』(2018年)を観た後のような絶望の底に…。
何より、記事の中でも紹介されている新たな敵、「スポット」の不気味さ。
マイルスのスパイダーマンだけが表現できるラストはどんなものなのか。
公開を待つばかりです。