2018年、まだコロナのコの字も知らない私たちは、映画館である映画に夢中になりました。
それがイギリスのロックバンド、「クイーン」の軌跡を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』です。
クイーンの音楽を同世代で聞いていたわけではない20代の私たちを心の底から魅了し、夢中にさせた、『ボヘミアン・ラプソディ』の魅力を紐解いていきたいと思います。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/BohemianRhapsodyJP/)
極上音響上映、立川「シネマシティ」で鑑賞!
私のレビューの中でも何度も出てきている立川「シネマシティ」。
私は「話題になっているから!」というなんともミーハーな理由で映画館に足を運びました。
この先、『ボヘミアン・ラプソディ』の「ボ」の字を見るだけでウルウルしてしまう程に、人生を変えられてしまうとも知らずに。
立川シネマシティでは極上音響上映という上映を行っているスクリーンがあります。
なんでも、ライブやコンサートで使っているスピーカーが常設されているとか。
確かに、高い音は臨場感を高め、低音は心臓の芯までズンズンと響き渡って、私たちの心を揺さぶります。
「音楽を楽しむ映画ならここ!」と、八王子市民のわたしが足を運んでしまう映画館でもあります。
そのおかげか、『ボヘミアン・ラプソディ』は私の心の臓まで入り込み、数年経った今でも私の心を掴んで離しません。
【YouTube:Queen – Bohemian Rhapsody (Live Aid 1985)】
参考:常識破りの成功 映画館に革命を 立川シネマシティ「極上爆音上映」の野心(週刊アスキー)
『ボヘミアン・ラプソディ』:あらすじ
ファルーク・バルサラ(後のフレディ・マーキュリー)(ラミ・マレック)という名の青年は、ライブハウスで見かけて魅了されたバンドに声をかけます。
そのバンドのボーカルが脱退したことを知り、自分をボーカルに、と、その場で歌声を披露します。
そのメンバーがクイーンの前身バンドとなり、後に彼らは「クイーン」を結成します。
そしてファルークは、自らの名前を「フレディ・マーキュリー」と改名します。
以前、ライブの人波の中で出会った女性、メアリーとの関係を深めつつも、クイーンは段々と大きなバンドになっていきます。
中でも、彼らの代表曲「キラー・クイーン」は話題曲となり、瞬く間にクイーンの名を広める名刺代わりの曲となっていきます。
全米でツアーを成功させ、クイーンのメンバーは次のアルバム制作のために田舎の一軒家に籠ります。
その後、表題にもなっている「ボヘミアン・ラプソディ」を発表するのですが、「長すぎてラジオで流してもらえない」と、レコード会社からこの曲の制作を反対されてしまいます。
ですが、実際ラジオでボヘミアン・ラプソディーが流れると、世界では大絶賛され、ますますクイーンの名が世界で広まるのでした。
クイーンが有名になればなるほど、フレディは窮屈になっていきました。
自分の性的マイノリティに気付いたり、それがきっかけで、婚約していたメアリーとの関係が破綻してしまったり。
フレディは孤独の一途を辿っていきました。
終いには、フレディだけが別のレコード会社とソロ契約を結んでしまったことで、信頼しているクイーンのメンバーの間にも亀裂が走ることになります。
そんな中、自分の体調の変化を感じたフレディは、再びメンバーの元を訪れて…。
二度観て、二度も号泣してしまった映画
筆者は、実はこの映画を二度映画館で観ているのですが、一度目も二度目も映画館で大号泣してしまいました。
この映画は、特に「ここで泣かそう!」というシーンが盛り込まれているわけではありません。
ですが、フレディの誰にも理解されない孤独、本当は大好きな仲間たちとの亀裂、周りに人が集まれば集まるほど窮屈になっていく暮らし。
そんな、スターにしか分からない苦しみや、「本当はこんなこと言いたいわけじゃなかったんじゃないのかな」と思ってしまう、フレディの不器用だけど優しい性格。
そんな人間らしいところに涙が止まらなくなってしまいました。
二度目の鑑賞では、冒頭のライブの「Keep your self alive」から涙が止まらなくなってしまいました。
「ここからクイーンが始まって、色々な困難が待っているのか…。」と考えるだけで涙が出てしまい、開始数十分で号泣しているやばい人になってしまいました。
音楽を主題にした映画、あまり観ないのですが…
「ボヘミアン・ラプソディ」といえば、クイーンを詳しく知らない人でも知っている一曲ですよね。
例えばタイトルが、「フレディー・マーキュリー」だったら、「フレディの一生を描いた映画なのかな?」と思うのですが、曲名がタイトルだったので、音楽を聞かせることがメインの作品だと勘違いしていたんです。
ところがどっこいです。
劇中に流れる音楽はもちろん素晴らしいのですが、繊細な人の心を見事なまでに表現したストーリーが、クイーンの音楽と見事に合わさっていました。
筆者は、音楽を聞かせることがメインの映画があまり好きではないのですが、本作では、音楽を聞かせるというよりは、一つ一つの曲ができるまでの過程の中にあるストーリーと、繊細な人間模様を主に描いているように感じました。
「ライブエイド」シーン、ライブだけじゃないんです!
そして、この映画の見どころは、ラストの21分のライブエイドのシーン、と多くの人が語ります。
もちろん、フレディがクイーンのメンバーと和解し、フレディが命を削って歌っているライブは、それだけで胸が熱くなること間違いないです。
ですが筆者はそれ以上に、ライブをステージの端から観ているメアリーや、ジム・ハットンの優しい表情にも涙腺を刺激され、実家のテレビでライブの放送を観ているフレディの家族の姿を見て、わたしも家族になったかのような気分になり、やっぱりまた泣きました。
そして、最後まで観終わったあとに、もう一度冒頭のシーンを観てほしいです。
幕が上がるシーンは、フレディが今から命を燃やして大切な人たちにメッセージを届けたい。
そんなことが背中に書いてあるように見えました。
フレディは、惜しくもわたしが生まれる1年前に、45歳という若さで亡くなっています。
フレディと同じ時代を生きられなかったことは悲しいですが、彼とクイーンが残してくれた素晴らしい楽曲たちに、心の底から感謝したいです。
きっとこの映画を観たあと、帰りの電車で、車の中で、はたまた歩きながら余韻に浸って、すぐにクイーンの曲をダウンロードしてしまうでしょう。
■クイーンを知らない世代に!(管理人・選)
※かつてロンドンに暮らし、花盛りのロック・シーンをフィルムに収めたフォトグラファー、浅沼ワタル。1975年の出会いからクイーンと親交を深めた彼が撮影した、貴重な瞬間がここに。若く、野心的で、華麗なクイーンの忘れがたき記憶の記録。今まで見たことがない4人の表情と、テニスやビリヤードに没頭する意外な素顔も必見です。リッジファーム・スタジオ、「ボヘミアン・ラプソディ」MV撮影、ハイド・パーク・フリー・コンサート、全英ツアーなど、未公開写真多数収録。【引用:Amazon】
※アルバム『ホット・スペース』に伴うワールド・ツアーから、1982年6月5日、イギリスはミルトン・キーンズ・ボウルでのステージをステレオ&5.1chサラウンド音声で完全収録したライヴDVD。ボーナス・ディスクにはクイーン5度目の来日公演から1982年11月3日の西武球場での8曲と、同5月12日のウイーン公演からの4曲に加え、メンバーのインタビュー映像も収録。【引用:Amazon】
■映画『ボヘミアン・ラプソディ』エンディング曲:don’t stop me now
《ライター:永瀬花帆》 クリックで担当記事一覧へ→
グラビアアイドルとして活動中。ミニシアター系の映画をまんべんなく見ます。
普段映画を観ない方にも「観たい!」と思っていただけるような記事を目指してます!
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