2023年9月15日(金)に公開されました『グランツーリスモ』を皆さんは鑑賞されましたか?
プロゲーマーが実際のカーレーサーとして養成される、胸アツな実話ベースの物語です。
こちらの作品を監督したのは、ニール・ブロムカンプ監督です。
実は彼の作品はメカっぽい作風が多いので、『グランツーリスモ』は全く異なる雰囲気で話題を呼んでいます。
今回は、ニール・ブロムカンプ監督の原点ともいえる、初の長編作品『第9地区』の魅力を掘り下げていきます。
ネタバレしない超限界ラインで執筆していますので、気になるポイントはぜひ映画本編でお確かめ下さい!
(冒頭画像:https://www.facebook.com/District9/)
社会派SF映画『第9地区』:作品概要
ニール・ブロムカンプ監督の『第9地区』は、日本では2010年に公開されました。
ほとんど無名の俳優を起用し、まるでドキュメンタリーを観ているかのような感覚を味わえる社会派SF映画です。
冒頭から、何やら危機を乗り越えたような、一波去ったような雰囲気でコメンテーターが語り、「何が起こったのか??」と思わずにはいられません。
徐々に明らかになっていくその経緯を、我々は最後まで緊張しながら徐々に知ることになるのです。
本作品のすごさ:アカデミー賞ノミネート作品
ニール・ブロムカンプ監督の初長編作品にして、第82回米アカデミー賞の作品賞、脚色賞、編集賞、視覚効果賞にノミネートされました。
残念ながら全ての部門で賞獲得にはなりませんでしたが、ノミネートにふさわしい迫力とメッセージ性の強い作品となっています。
■参考:第82回米アカデミー賞における各部門の受賞作品
作品賞…『ハート・ロッカー』、脚色賞…『プレシャス』、編集賞…『ハート・ロッカー』、視覚効果賞…『アバター』
あらすじ:国家組織に監視されたエイリアン
(微ネタバレ)
南アフリカ、ヨハネスブルクの上空に突如として現れた宇宙船。
この船は上空で停止するも、何かが起こる気配はない。
人間たちはこの宇宙船を調査することを決定し、宇宙船の中へ入り込む。
中に入った調査隊が見つけたのは、衰弱した大量のエイリアンたちであった。
このエイリアンたちは地上へ下ろされ、国家組織MNUによって“第9地区”と呼ばれる場所に隔離し監視されることになる。
しかし、だんだんとエイリアンは増殖し、人間たちと小競り合いが生まれ、治安が悪くなっていきます。
28年後、MNUはこの実態を改善するために、“第10地区”と呼ばれる場所へエイリアンを一斉移住させることを決定。
新地区への大移動と立ち退き交渉の指揮官を任された、MNUのエイリアン課に務めるヴィカスという一職員の身に起こる事件を通じて、エイリアンと人間の衝突が描かれます。
映画『第9地区』、魅力を解説!
①ノンフィクションのようなリアリティ!
とにかく、ドキュメンタリータッチな作風が一番の見どころです。
冒頭には、ヴィカスをはじめラジオ局特派員や社会学者、技術者などのコメントがありますが、これから起こる恐ろしいことも(もちろん冒頭なので)大きく明らかにせず、不気味さを感じます。
宇宙船に入る様子や、エイリアンを救援することになってからの人間たちの様子など、開始1分からリアリティが溢れており、実際に起こった事なのではないかと錯覚させられます。
ニュースのような画面やホームビデオで撮ったような粗い映像など、緊迫感がより伝わる工夫もされている点に注目です。
30分後くらいから、ヴィカスの身に恐ろしいことが起き始めますが、その様子もほとんど説明はなく、訳も分からないまま進んでいきます。
②エイリアン“Prawn”の、衝撃的なビジュアル!
地上に下りてきたエイリアンたちは、初めて見たときには何とも受け入れがたいビジュアルだと、直感的に感じるでしょう。
大きな体と甲殻類のような体表、そして触覚や手の動きなど、衝撃的なビジュアルです。
映画の中で、人間たちはエイリアンのことを“Prawn”と呼んでいます。
“Prawn”は、エビの中でも大きなサイズのエビのことを指しますが、この映画の中では軽蔑の意味も込められていることに気づくと思います。
そして、非常に面白い設定があります。
エイリアンたちの大好物がキャットフードという点です。
エイリアンと人間のさまざまな交渉材料に使われており、エイリアンがキャットフードに夢中になる姿に滑稽さも見受けられます。
③異種の生き物、”種別”を超え人類と共存?
ヴィカスの身に起こる恐ろしい事故は、第9地区にはびこるエイリアンとの共存ということに繋がっていくと考察できます。
そもそもヴィカスのスタンスは、立ち退きの指揮官としてもエイリアンたちを完全に否定してはいませんでした。
思いがけずエイリアンの一人であるクリストファーと協力することになり、自らの利益とはいえ、そこで描かれる関係は種別を超えたものになります。
(ヴィカスも人間に対して、銃口を向ける展開となり、立場が揺らいでいきます。)
一方、エイリアン側の感覚としてはどうなのでしょうか…
知能は明らかに人間よりは劣っているような描写ですが、果たして、クリストファーは戻ってくるのか…ここからは想像するしかありません!
まとめ:飽きることのないスピーディ展開!
ヴィカスを通じて描かれる、エイリアンと人間の闘い。
非常にスピーディーな展開で、飽きること間違いなしです。
衝撃的なビジュアルも含めてぜひ鑑賞してみて下さい!
《ライター:Halle》
暇さえあれば、映画観る!がモットー。
映画が好きになったきっかけは、時間を持て余していた大学時代。
うかつにも数々のシリーズ映画に手を出してしまったのです。
Marvel、DC、スター・ウォーズ、トランスフォーマー、パイレーツ…
今ではすっかり映画が生活の一部になってしまいました。
Twitterでも、気ままに映画・海外ドラマネタでつぶやいています。
良かったら覗いてみて下さい(^^)//
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