現在の王室騒動、比べものにならない「国家一大事」
イギリスの歴史は、王室の歴史なくしては語れません。
今も、なにかと話題になり話題の絶えないイギリス王室。
しかし、最近の話題は王室ファミリーの去就や、どちらかといえばスキャンダルに近いことなど。
今回紹介の映画『エリザベス』に出てくる「王室の歴史」は、もっとセンセーショナルで「国家一大事」的な話です。
(冒頭画像:引用https://www.twellv.co.jp/news/)
《目次:イギリス王室の歴史が面白い》
映画の舞台となるのは近世ヨーロッパのイギリスで、絶対王政をしく「エリザベス王朝」と呼ばれる時代。
主人公の女王であるエリザベスⅠ世が、絶対的権力をもって君臨するまでが描かれています。
1.エリザベスとイングランド
若干25歳で即位した、イングランドの若き女王
主演は、ケイト・ブランシェット。
これまで、数々の映画で主演女優賞、助演女優賞に名を連ねてきた名優ですが、彼女を一躍有名にした出世作といえます。
さて、エリザベス女王が若干25歳で即位(1558年~1603年)するのは、現在のイギリス・ブリテン島南半分の「イングランド」。
ちなみに、北は「スコットランド」で別の王国となります。
映画では、エリザベスが即位する前の初々しくも苦難の時代と、即位後、取り巻きの貴族に翻弄されながらも影響力を強めていく様子が描かれています。
現在のようなマスコミがこの時代に存在していたら、さぞかし王室ネタとスキャンダルには困らない逸話ばかりかもしれません。
主演:ケイト・ブランシェット
●ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)
誕生日:1969年5月14日(おうし座)
身長:174㎝
出身:オーストラリア
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2.女王に就くまで
即位直後、安定しない時代が続いた理由
父ヘンリー8世の子供として生まれたにもかかわらず、娘エリザベスの即位に際して周囲は猛反対。
なぜなら、エリザベスは庶子(非嫡出子)とされ、宗教上もプロテスタント(当時の国教はカトリック)であるというのが理由です。
そのため、現女王である姉メアリー1世からも疎まれ、彼女を後継者にすることに反対されます。
一時は、ロンドン塔に幽閉されるなど虐げられた存在でした。
メアリー1世に子供がいなかったことが幸いし、彼女の死後、かろうじて即位するのですが支持者の少ないエリザベスには苦難ばかり。
周囲は彼女の短命政権を予想、不安定な治世が続くのでした。
3.スコットランド対イングランド
因縁の対決、スコットランド対イングランド
エリザべス女王が落ち着かない理由が他にもありました。
それは、ブリテン島(現在のイギリス全土)の北半分、イングランドの北に位置するスコットランド王国の存在でした。
スコットランドには、夫と死別してフランスから一旦、出戻ってきたメアリー・スチュアート女王が支配していました。
メアリーは、もとをただせばエリザベスとは父ヘンリー8世をルーツとする親戚関係に。
エリザベスが正統なイングランド女王の資格がないとされた中で、メアリーは自分こそ正統なイングランド女王だと主張。
エリザベスに対して、兵を挙げた実績のある存在だったのです。
4.メアリーとエリザベス
関連作品『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
ところで、この二人の女王である、メアリー対エリザベスがイングランド女王の正統性を争った映画が、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』です。
シアーシャ・ローナンがメアリー・スコットランド女王、
マーゴット・ロビーがエリザベス女王を演じたヒット作で、二人の人気女優による両王国の確執が描かれています。
原題「Mary Queen of Scots」からもわかるように、視点はメアリー女王です。
今作『エリザベス』とともに、あわせて見ると歴史の裏表を見ることができ、ぜひおススメです。
●シアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)
誕生日:1994年4月12日(おひつじ座)
身長:168㎝
出身:アイルランド
▶おすすめの代表作品
●マーゴット・ロビー(Margot Robbie)
誕生日:1990年7月2日(かに座)
身長:168㎝
出身:オーストラリア
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5.「ヴァージン・クイーン」
「ヴァージン・クィーン」と呼ばれるまで
さて、『エリザベス』の見どころのひとつで、彼女の結婚観があります。
マスコミやパパラッチならずとも、若干25歳で即位した女王の結婚は気になることろです。
特に、支持基盤が弱いエリザベス女王の側近たちの思いは、早くエリザベスに結婚させ世継ぎを作らせること。
そのため、当時の常識として、対岸の強国フランスや「無敵艦隊」を誇るスペインとの融和を考えた政略結婚に腐心します。
しかし、エリザベスの興味は幼なじみのロバート・タドリー伯(ジョセフ・ファインズ)しかありません。
身分も高くなく、また、後になってわかるのですがタドリーが妻帯者だったことで二人の関係は破滅へと。
最終的に、エリザベスが結婚しない女王「ヴァージン・クィーン」と呼ばれるようになる過程となっていくのでした。
●ジョセフ・ファインズ(Joseph Fiennes)
誕生日:1970年5月27日(ふたご座)
身長:183cm
出身:イギリス・イングランド
▶おすすめの代表作品
※ケイト・ブランシェットが演じた「エリザベス」の最愛の男性を演じます。存在感のある脇役として印象に残ります。
6.「絶対女王」への道
絶対女王への道、導かれるエリザベス
そんな中、支持基盤の弱いエリザベスに見切りをつけ失脚を企むものと、逆に影のように寄り添い支えていくものとに分かれてきます。
失脚を企むのは、貴族のノーフォーク公。
女王をなんとか支えようとするのは、影の重臣ウォルシンガム。
二人がエリザベスを担ぎたいがために繰り出す、いわゆる諜報合戦は見どころです。
国王あるいは女王が意のままに一国を支配することを「絶対王政」と言います。
しかし、現実は周囲の貴族連中によって意のままに導かれていく様子は、400年後の官僚政治に通じるものがあるかも?
7.重臣「ウォルシンガム」
暗躍する諜報担当、重臣ウォルシンガム
短命政権と思われ、そして何度も暗殺されそうになりながらも生き延びてきたエリザベス。
その陰にいた重臣ウォルシンガムの存在は大きなものがあります。
彼はエリザベスの前に出て引っ張るタイプではありません。
王室の諜報機関のような役割で、彼女の失脚を図るものをあぶり出して行くのでした。
そんな重臣に守られるように、映画の終盤では頼りなげだったエリザベスがたくましく成長しているのに気付きます。
8.「ゴールデン・エイジ」
「ゴールデン・エイジ」へと続く
実はこの映画には、続編が制作されています。
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』がそれで、タイトル通り、エリザベスが名実ともに黄金時代を迎えていく様子が描かれています。
強敵スペイン海軍と戦った「アルマダの海戦」や、ヴァージン・クィーンとして「国家と結婚した」と言わしめた経緯などが出てきますのでぜひ、ご覧ください。
なにかと映画化される英国王室の歴史物語は、イギリスの歴史を知る上で面白いですよ。
同時に、当時の時代を彷彿とさせる絢爛豪華な宮廷衣装も見どころです。
《まとめ:イギリス王室の歴史が面白い》
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