スパイ映画の代名詞といえば007シリーズですよね。
最新作『007 No Time To Die』の意味は「死んでいる暇などない」。つまり、人生を無駄にしないという主人公ジェイムス・ボンド(ダニエル・クレイグ)の生きざまを描いています。
ところで『007 No Time To Die』は英語学習にもおススメです。
というのも、映画シーンとセリフは目と耳で英語を覚えるトレーニングになるからです。
おなじ英語でも主人公ジェイムス・ボンドのような話し方もあれば、他の登場人物たちの言いまわしやアクセントも様々。
本記事では「007 No Time To Die」に出てくる Time や Life といった英単語に込められた意味を解説。
また、007シリーズでお馴染みのセリフ、ユニークで面白い英語フレーズも紹介します。
『007 No Time To Die』タイトルの意味とセリフ
We Have All The Time In The World
最愛の恋人マドレーヌ(レア・セドゥ)が運転中のボンドに
「もっとスピードあげて」
と楽しげに語りかけるシーン。
「あわてなくても時間はじゅうぶんある。」
という意味ですが、ふたりは恋人同士であり
“in the world “ が後ろにあるので
「ふたりは死ぬまで一緒だ。」
くらいのニュアンスでお互いの愛を確かめ合っています。
James, It’s A Good Life, This One…The Best
ライター:
James, it’s a good life, this one.
ジェームス おたがいいい人生を選んだな
ボンド:
The best.
最高だ
ここは負傷した旧友ライターがボンドに最後の言葉をかけるシーン。
「いつもリスクと隣りあわせな人生だったけれど満喫できたよな」
と、たがいを讃えあう気持ちが表されています。
日常英会話でも、友だち同士で盛りあがったときのシメ言葉としてよく使われるフレーズです。
Life Is All About Leaving Something Behind
テクノロジーを利用した生物兵器で世界を終わらせようとたくらむテロリスト、サフィン(ラミ・マレック)を阻止するためアジトに潜入するボンド。
しかし、待ちうけていたサフィンによって逆にボンドは追いこまれてしまう。
ボンドを前にサフィンが言放つセリフは、悪党ながら「人生における名言」と言えます。
どんなに大きな実績を残した人でも後世に残すものがなければ人々の記憶から消えてしまう…
なんとも切ないセリフではないでしょうか。
Do You Know What Time It Is? Time To Die
このセリフはサフィン一味に加担し、世界を陥れようとする科学者をMI6の同僚ノーミ(ラシャーナ・リンチ)が成敗するシーンでのもの。
ノーミは時間を聞いているようでいて実は
「覚悟しなさいよ。」
と、どうするつもりかを宣告しているわけです。
You Have More Time In The World
映画のクライマックスといえるシーン。
冒頭で ” We have all the time in the world.” とマドレーヌとボンドのふたりを言いあわらしていたセリフ。
ところが、ここでは “you” という一人称になっています。
いったいなぜ⁈
こたえは映画をチェックしてみてください。
I Shall Use My Time
The proper function of man is to live, not to exist.
人間は 存在するだけではなく 生きることが 本来の性分である
I shall not waste my days in trying to prolong them.
日々を長びかせ 無駄に過ごすのではなく
I shall use my time.
じぶんの時間を生きるべきなのだ
(引用:ジャック・ロンドン)
衝撃のラストが過ぎ去りMI-6の一同が集まるなか、部長M(レイフ・ファインズ)はジャック・ロンドンの言葉を引用してボンドという人物を言いあらわしています。
(ジャック・ロンドンとは、19世紀に存在したアメリカ人小説家。日本においても「荒野の叫び声」や「白い牙」が代表作として知られている。(Wikipedia))
タイトル『007 No Time To Die』の意味がもつ「死んでいる暇などない」とリンクしていて「人生を無駄に過ごさない」ジェームス・ボンドの人生観を言い当てた一節といえます。
ここに出てくる shall という助動詞は「~するべき」という強い意志をあらわす古典的な言葉。
shall をつかったフレーズは、ウィンストン・チャーチルの演説が有名です。
チャーチルはナチスドイツに対抗するため
We shall never surrender. 我々は絶対に降伏しない。
と国民に訴えかけ支持されたことは歴史から学ぶことができます。
007 シリーズ、決めゼリフやユニークな言いまわし
Shaken, Not Stirred
007シリーズで有名な決めゼリフのひとつです。
『007 No Time To Die』では、新入りCIA捜査官パロマ(アナ・デ・アルマス)を前にさりげなくオーダー。
Any Trouble? Constantly
なにか聞かれたときにユーモアを感じさせる返しをしたい!
そんなときに使えるお手本のようなセリフと言えます。
このシーンは、クルマが動かなくなり困っていたボンドの前に現われたノーミが白々しく質問をかけるところです。
普通なら「お困りですか?」と聞かれたら
「そうなんだよ実はさぁ。」
という具合になるところを
「Constantly 絶えずね」
とクールでユーモアのセンスがある返事です。
Three Weeks Training? Really? More Less
たった3週間でCIA捜査官としてハデに暴れまくるパロマ。そんな彼女に感心するボンド。
「More less.」とは、きちんと日数を言うのではなく「だいたいそれ位…」という程度のものです。
3週間より少し短いか、少し長いかという微妙なところを
「だいたいそれ位ね=まあそれくらいね=まあね」
という感じで訳しています。
アナ・デ・アルマスはキューバ出身の女優。アメリカでキャリアをスタートした頃はほとんど英語が話せなかったそうです。
後のインタビューによると、「生活がかかっていたから」と1日7時間、4ヶ月間を英語学習に費やしたとのこと。
『007 No Time To Die』でパロマ役を得たのは、アナのガッツが仕事運を呼びよせたのかもしれませんね。
Our Elected Leaders Aren’t Playing Nice In The Sandbox
スパイ活動を引退していると知りながら、科学者の救出をボンドに求めるライター捜査官。
ここでは、ライターがなぜ表だって救出活動ができないのかそのワケを語るシーン。
こどもの遊び場である「砂場」と「米英首脳の仲」を 皮肉めいた組みあわせで表現するセリフです。
まとめ
『007 No Time To Die』タイトルのもつ意味や英語学習に役だつセリフを紹介しました。
スパイアクション映画でありながら
「No Time To Die=死んでいる暇などない」
つまり、毎日をしっかりと生きていくことの大切さを教えてくれる映画でもあります。
映画で学ぶ英語は、ネイティブが話す英語の自然なスピードやさまざまな発音を聞くトレーニングにもなるので
『007 No Time To Die』を楽しみながらぜひ英語学習にも役立たせてください。
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《ライター:kisaragi》 クリックで記事一覧へ→