HOLA!
先日映画館へ足を運び、「やはり映画と映画館はいいなぁ。」とつくづく感じた、映画を愛するなんじゅんです
今回は「老い」をテーマにした映画をご紹介したいと思います。
本当に来ないでほしいですね、「老い」。
でも「生まれた時から老いがはじまっている」、生まれたら死に向かうだけ。
それが人生、儚いものですね・・・。
では、「老い」をテーマにした5作品、早速行きましょう!
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/TheFatherMovieUS/)
①『VORTEX』:壊れるのは脳が先か、心が先か
今年2023年公開の本作品『VORTEX』(ヴォルテックス)。
ギャスパー・ノエ監督の新作映画で、主演は80歳にして初出演!のホラー映画界の巨匠ダリオ・アルジェント!
これは観るしかないと思い、映画館にすっ飛んでいきました!
この映画のキャッチコピー「壊れるのは脳が先か、心が先か」、とても考えさせられるフレーズですね・・・。
ギャスパー監督が「暴力」を封印した本作品はとても胸が痛く締め付けられ、そして愛おしかったです。
フランスで暮らす老夫婦に突如、予感としてやってくる「死」。
三週間前までは通常な生活を送れていた妻が、ある日認知症になり家族は焦燥感に駆られる。
無言で外出しては、今、自分が何をしているのか理解できず、そういった行動に夫は戸惑う。
一人息子は息子で、問題を抱えており・・・。
と、いった内容。
フィルムもこだわりがあり、おしゃれでした。
「男女」が裏テーマ、いくつになっても男でいたい?
もし自分が認知症になったら家族とどう向き合うか、と考えながら鑑賞していたので、途中から急に恐ろしくなり気づいたらすすり泣きをしておりました。
まだ自分には認知症の世界は遠いなんて思っている若い方にこそ観ていただきたい映画でした。
というのも、「意識もはっきりして身体も動くし無理もできるうちに何をやるか?」を、この映画を鑑賞して見つけてほしいからです。
たとえ妻といえど夫といえど、肉体的には別の他人に変わりはないのですが、人間、というか男と女って恐ろしい生き物だと思いました。
夫のためにと尽くしてきた妻は、ボケが入ってはいても夫のために「何かしちゃう」。
夫は、どれだけ老いても「男」でいたい。
「男女」が裏テーマだと勝手な解釈をしてしまいますが、いくつになっても男でいたい欲というか「男でいさせてくれよ。」という願いが実に儚かったです。
そしてやはり主演のアルジェント監督は男前です。
妻役のフランソワーズ・ルブランの目の演技にも注目。
死ぬときはみんな一人、溜息が出る美しい映画でした。
②『オットーという男』:生きる希望を取り戻さない物語
きました!演技派トム・ハンクス!
ゴミの分別や、地域近所のことに細かい独り身年配の「オットー」という男をトム・ハンクスが演じます。
一人で孤独で自殺を図ろうとするのですが、ある日メキシコ人一家が近所に越してきたことでオットーの人生は一転します。
移民、老害、孤独死、トランスジェンダーなど数々の現代問題をギュウギュウに詰め込んだ作品。
オットーを演じたトム・ハンクスは、さすがの演技力で魅了させてくれます。
メキシコ移民家族との交流に、打ち解けていくが…
メキシコ人移民で妊娠中のマリソル役を演じたマリアナ・トレビーニョがキュート!
夫が究極のドジなため、運転が鬼のように下手で自分が習得しようとオットーに教えてもらうことに。
マリソルがオットーに横で口うるさく言われたり、後ろの車に煽られたりとパニックになったときに放つオットーの言葉が印象的です。
「いいか?!君は慣れない環境、話せない言葉に取り組んだだろ!?ドジな夫に子供なんてもうすぐ三人目の母親だ!
そんなことが出来てきた君なら運転なんてなんともないだろ!」
たしかに!
そして、オットーは徐々に近隣の人たちと交流し、次第に孤独ではなくなるのですが彼から「死」は離れません。
というのは、どうしてか・・・。
是非ご鑑賞いただきたいです。
マリソル家族とも良好になり、「生きる希望」を取り戻さない物語なのが素晴らしい。
③『ファーザー』:認知症の老人から捉えた視点
『ファーザー』は、アンソニーホプキンス主演の「認知症の老人から捉えた視点」の映画です。
娘役のオリヴィア・コールマンが最高にいい!
彼女のビジュアルが薄倖さを増しています。
アンソニー・ホプキンスは、勿論最高の認知症老人をリアルすぎるくらいに熱演しております。
ちょっと癖があるがお茶目なおじいちゃん、という役柄が怖さ倍増!
人間って老いるとこうなるの?!
と、まるで今でいうVR体験をしているような感覚になる映画です。
認知症からみた日常の恐ろしさやいかに、是非映像体験していただきたいです。
介護士が娘にみえたと思ったら、さっきドアから入ってきた娘が赤の他人になっていたり、知らない男は娘の夫だという。
とにかく見えているもの全てが自分を騙しているように思え収拾がつかなくなったとき人はどうなるか。
ボケが進行し、家族に「面倒見切れない」「イラつかせるな」と言われたらあなたならどうしますか?
でも、それも言われてないかもしれない、思い込みかもしれない…。
筆者はこの映画、早朝6時から鑑賞したのですが、観終えてまずやったことはジョギングと勉強でした。
ある意味ホラー映画の世界を是非体感してみてください
④『永遠に美しく…』:「老け」に悩む熟女の壮絶バトル!
ロバート・ゼメキス監督による「老けに悩む熟女の壮絶バトル」を描いたコメディ映画です。
有名美容整形外科の男と婚約するヘレン、だが学生時代かのライバルのマデリーンに彼をあっさり奪われてしまう。
14年後 超絶若さを取り戻したヘレンは再び元・婚約者を誘惑するが
その若さには秘密があり、秘密をかぎつけたマデリーンが反撃をする・・・
といったお話。
さすが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の監督、アメリカンコメディといった感じで笑いが止まりません。
ヘレン役のゴールディ・ホーンがとってもとーーーってもキレイで、キレッキレッのコメディ演技が冴えている!
コメディ作品出演が多いゴールディですが、本作のヘレン役は素晴らしい!
対するライバルのマデリーン役は、演技派のメリル・ストリープ、「女優」を見せつけられました。
体当たり演技のメリルにくぎ付けの一方で、疲れた中年役をやらせたらピカイチのブルース・ウィリスも出演しているのでおもしろくないわけがない!
「老化」をとめたい!
それにはどうするか、「楽」か「努力」か、はたまた「老いるのも悪くない」と振り切るか!?
永遠に美しくいたい、その想いがひしひしと伝わる本作品。
銀河鉄道333で哲郎が「機械の身体を手に入れたい」と願う、あれに少し近い気がしました。
⑤『アミューズメント・パーク』:ゾンビの生みの親の傑作
こちらは、「ゾンビ」の生みの親、ジョージ・A・ロメロ監督の「高齢」を無残に描いた作品です。
今作は1973年の制作ですが、当時エッジの効きすぎが問題で上映してくれる映画館がほぼなく封印状態となった幻の映画です。
(2021年にやっと公開されました。)
高齢者虐待に対する教育映画として製作されたらしい本作、さすが、ゾンビの生みの親らしくのっけから恐ろしい展開です。
(恐ろしいし醜いし胸糞が悪いし・・・)
ジェットコースターに乗る老人たち、「上った」と思いきやすぐに「急降下」をする、まるで彼らの人生を皮肉っているように描いています。
お金があっても所詮「老いぼれ」。
自分はプライドがあっても、若年層からみれば「老いている人」としか見られず、若年層はこれでもかというくらい容赦がありません。
いつかは来る「老い」に備え、若いうちに積極的に行動しましょうと呼びかけている映画なのです。
筆者は、とりあえず70すぎたら出来なくなることは何か?と考えた結果、今年もスノーボードへ行くことを決意いたしました。
本作品は52分しかないのですが、内容が濃いので忘れられない52分になると思います。
チキン片手に崩壊していく主演リンカーン・マーゼル氏がとてもいい。
今の20代~30代には観ていただきたい映画ナンバー1かもしれません。
それでもって、ポスターがおしゃれなことでもこの映画は有名です。
まとめ
さて、いかがでした?
今回は「老い」をテーマに映画をご紹介させていただきました。
どうせ老いていくなら素敵に老いていきましょう!
ではまたお会いしましょう
NOS VEMOS!
《ライター:なんじゅん》 クリックで担当記事一覧へ→
元舞台俳優・劇作家・現イラストレーター
中学生の頃から一人映画館をキめていたくらい大の映画好き。好きな映画は「髪結いの亭主」。
ポップコーンはバター多めで。
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