こんにちは!ミナギです。
今回は『パーティで女の子に話しかけるには』について、あらすじと魅力を紹介していきたいと思います。
こちらかなりクセが強く、パッケージからは色々な意味で想像を裏切られる作品かと思います。
奇抜な世界観の中、節々にある切なさや青春の甘酸っぱさ。
突飛な反面、意外と多くの人に刺さる要素が詰まった素敵な映画です。
特に音楽好き、パンクロック好きや、日々モンモンとしながら暮らしている思春期ド真ん中のティーンエイジャーなんかには是非チェックして欲しいですね!
(冒頭画像:引用https://gaga.ne.jp/girlsatparties/)
あらすじ:地球で出会うエンとザン、キーワードはパンク!
舞台は1977年、ロンドン郊外。
主人公のエン(アレックス・シャープ)は、母親と2人で暮らす冴えない男の子。
エンはパンクロックをこよなく愛しており、革ジャンを着て自転車で街を駆けまわります。
同じくパンク好きの仲間と、その日もエンを含む3人で注目しているパンクバンドのライブを見に行きます。
ライブに魅せられた3人は、憧れのバンドマンやその取り巻きの女の子たちと仲良くなるべく、ライブの打ち上げパーティへ参加しようと試みます。
迷い込んだ奇妙なパーティ、女の子に話しかけるには?
打ち上げ会場を探す道中で迷ってしまった3人ですが、どこからともなく音楽が聞こえてきます。
音の鳴る方へ歩いていくとそこには大きい空き家があり、中ではパーティが行われているようでした。
尋ねてみると、中からなんとも奇抜な格好をした女性が出てきて、エン達を招き入れます。
中では色とりどりの格好をした男女がそれぞれ踊ったり歌ったり、まるでカルト宗教団体かのような異様な光景が広がっています。
エンはそこで、ザン(エル・ファニング)という美しい少女に出会います。
映画のキーワードは、「パンク」!
知れば知るほどに不思議で、それでいて真っすぐなザンに、エンはどんどん恋に落ちていきます。
そしてザンもまた、偶然出会った「現地の少年」のエンに惹かれていきます。
なんとザンや廃墟のパーティにいた人間たちは実は遠い星から来た異星人であり、地球へ旅に来ていたのでした。
彼らが星に帰るまでの期間はあと48時間。
大人たちに反抗し組織を抜け出してきたザンは、エンに言います。
「一緒に行く、パンクへ」
魅力①:新感覚の、「サイケ×SF×青春×パンク」
はい、ざっとあらすじを書いてみましたが如何でしょうか?
パンク?カルト宗教?異星人・・・?
書きながら、自分でも何を言っているのかよくわからなくなってしまう様な、濃ゆさ盛りだくさんの超展開ですよね(笑)。
実際、かなりカルト要素の強い、サイケデリックで極彩色な雰囲気が伺えると思います。
しかしこの映画、これでいて物語の主軸は結構しっかりした青春ものなんです。
住む星の違う2人が共に大人たちへ反発し、共感しあい、知らなかった感情のコロニーへと出会っていく。
しかも一緒に居られる時間は48時間、という期限付きです。
こう書くと、まるで携帯小説の様な、結構ベタでありがちな感じもしますよね。
画面やセリフ、演技からくるインパクトとベタのミスマッチが気持ちよく、見ていくにつれ視聴者をどんどん引き込んでいくのです。
名前を付けるなら「サイケ・SF・青春パンクムービー!」といったところでしょうか。(笑)
見れば見る程、病みつきになっていく世界観
そしてまた、記事を書くにあたってもう一度この作品を見直した際、初めて見た時とは違う発見や感覚がありました。
内容を知ったうえで見ると、セリフ一つ一つや細かな描写など、かなり理解しやすくグッときます。
随所小難しい言葉が出てくる作品なので、所見では頭にクジャクの如くはてなマークが出てきてしまう人も少なくないかと思いますが、全て理解できなくともなんの問題もありません。
映画に関わらず「難解な作品」に出くわしたときは、正解を探したり無理に理解しようとしたりせず、自分の感じたままにまずは捉える、というのが筆者の流儀です。
1度見てみて「なんじゃこりゃ!」となった人にも、是非繰り返し見てみることをお勧めします。
魅力②:作品を本物に、こだわりの音楽・衣装・演技
なんといってもこの映画の魅力は「演技、衣装、音楽」にあります。
まず1番に言いたいのが、筆者の大好きな主演女優のエル・ファニング。
筆者と同い年であり、映画で彼女の演技を見ては「自分も頑張らないとなー」と勝手に鼓舞してもらっています。
(筆者のしているバンドで、別作品の彼女の主演キャラクターの事を歌った曲もあったりします。)
彼女の演技力や、天真爛漫で破天荒さも感じる魅力が、この映画で最もよく出ていると思います。
エンとイチャイチャしているシーン…本当に羨ましいですね。
筆者もエルと公園で是非叫び合いたいものです。
また作中に出てくる、地元のパンクシーンを仕切っているボス的な存在、ボディシーア役で登場するのは、言わずと知れた名女優のニコール・キッドマン。
パンクス・スタイルも魅力的で、また彼女のセリフが筆者はとても好きです。
ザンに「パンクって何?」ときかれ、「ブルースの最終形さ。“抑圧者を倒せ”とか“自分らしくあれ”とか、ウンザリだよ」と答えるシーンがあります。
たまりませんね。
衣装は、『マイケル・コリンズ』や『シンデレラ』等を手掛けたサンディ・パウエル氏。
サンディ氏はロンドン・パンク界に精通しており、当時を再現するリアルな衣装を手掛けたとのことです。
個人的には、異星人たちの衣装が一体どの発想で生まれたのかも気になるところですが・・・(笑)
70年代パンクを代表する楽曲から、オリジナル楽曲まで
そして音楽。
名曲ぞろいで、当たり前ですが痺れるくらいカッコイイですね。
筆者は、物語大詰めで出てくる「Eat Me Alive」という、エンとザンがライブハウスで共に歌う映画オリジナル楽曲がとてもお気に入りです。
タイトルからしてもうかなりキテますよね。(笑)
この楽曲を通して、エンとザンお互いがお互いにウイルスのように感染しあって、「愛」というコロニーが生まれていくシーンは見所です。
またこの楽曲はジェイミー・ステュアート氏という音楽家と、監督のジョン・キャメロン・ミッチェル氏の共作だそうです。
ミッチェル監督は以前にも『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』というグラムロックをテーマにした映画を監督しており、またこの作品では俳優として主演も務めています。
今後の音楽映画シーンに欠かせない監督・俳優として、注目していきたいですね。
まとめ:2人のパンクの行方、どうなるのか?
如何でしたか?
何度も言いますが、本当にかなり奇抜な作品ですが、その中にとても切なくて心地よい青春が含まれた、とっても魅力的な作品です。
映画後半、物語は結構ショッキングな展開にもなっていきます。
「Eat Me Alive」の楽曲タイトルからも連想されますが、かなり衝撃展開です。
(藤子不二雄氏の短編に「ミノタウロスの皿」という作品がありますが、非常に近いものを感じますね。)
そしてこれが物語のキーにもなっていきます。
期限付きの2人の異性間、そして異星間の恋はどうなっていくのか。
そして物語はどう結末を迎えるのか。
納得、感動のラストシーンも、超見どころで必見です!
少しでも興味を持ってくださった方は、是非見てみてくださいね。
それでは。
《ライター:野元ミナギ》クリックで担当記事一覧へ→
■1998年生まれ、大分県在住。
「Sleeping Girls」というバンドでボーカルとギター、作詞作曲をしています。
音楽、映画、お酒、オカルト、猫、水族館、お笑いなどなどが好きです。
好きな映画達の魅力が上手く伝われば幸せです。
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