メリル・ストリープの代表作品『マーガレット・サッチャー』、2度目の主演女優賞獲得のレジェンド演技

メリル・ストリープ

歴代のイギリス首相で、1979年にはじめて女性首相となった第71代「マーガレット・サッチャー」

今から半世紀ほど前のイギリス史が垣間見れる映画が、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』です。

演じたのは名優メリル・ストリープです。

俳優が実在人物を演じるのは特に難しいと言われる中、一国の歴史的元首相を演じたのです。

彼女はサッチャーの声、仕草、そしてイギリス英語の発声を研究し尽くした上で出演した作品です。

そしてメリル・ストリープは今作で、2度目となるアカデミー賞主演女優賞を受賞。

実際のサッチャーの議会演説映像(YouTube)を最後に載せていますので比べてみて下さい。

サッチャーは、別名「鉄の女」と呼ばれていました。

映画の原題は、まさに『The Iron Lady』そのもの。そして、乗り移った感のあるメリル・ストリープの演技も合わせてご覧ください。

(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/theironladymovie/)

メリル・ストリープが激演『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』、2度目の主演女優賞獲得作品!

映画化された、伝説のイギリス女性首相

メリル・ストリープ
https://www.facebook.com/theironladymovie/

世界では、女性首相はそれまでにも誕生していました。

また、イギリスではサッチャーから5代後の2016年に、テリーザ・メイが同じく女性首相として就任。

(参考で、テリーザ・メイ首相の議会演説も最後に掲載)

ドイツでは、アンゲラ・メルケル首相がメイ首相より前の2005年に首相に就任しています。

主要国ばかり目が行きますが、さまざまな国で女性首相は決して珍しいことではありません。

しかし、女性首相が映画化されたのは今のところ彼女ただ一人。

しかも、サッチャーがまだ生存中(2013年没)の2011年の公開でした。

●メリル・ストリープ(Meryl Streep)

誕生日:1949年6月22日生まれ

星座:かに座

身長:168㎝

出身:アメリカ・ニュージャージー州

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※メリル・ストリープとクリント・イーストウッドが共演した切ない名作中の名作です。

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映画のイントロは、ショッキングなシーンから…

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夫デニス(ジム・ブロードベント)https://www.facebook.com/theironladymovie/

「鉄の女」というと冷酷な政治家のイメージがありますが、実はこの映画、サッチャーの引退後の様子から始まります。

食卓をはさみ、夫デニス(ジム・ブロードベント)と一緒に朝食をとるサッチャー。

彼女は、デニスに最近の高すぎる牛乳の話やトーストにバターをつけ過ぎることへの忠告など、普段着の夫婦の会話が流れます。

そこへやってきた家政婦は、それまでサッチャーを探していたのか、彼女に「あら?こちらにいらっしゃったのですね?」と声をかけます。

「そうよ、『私たち』はずっとここよ。」と言葉を返すサッチャー。

しかし、この言葉に映画を見ている私たちはショックを受けます。

激動の時代と交錯して紹介、若い頃の優し気な素顔…

メリル・ストリープ
https://www.facebook.com/theironladymovie/

テーブルの向こうにデニスが座っていると思っているのはサッチャーだけでした。

つまり、『私たち』はそこにいなくて、すでに認知症を発症していたサッチャー1人の幻影だったのです。

以降、映画は晩年を淋しく暮らすサッチャーの幻覚を映す一方で、激動の時代に一国を仕切った政治家の現実とを往来するのでした。

映画の前半は、彼女の若い頃をクローズアップ。

およそ「鉄の女」のイメージを持たない優しい彼女がデニスからプロポーズを受ける場面は、ごく普通の女性でした。

彼女が本格的に政治家への道を歩み始めたのは34歳の時、下院議員に当選して以降です。

男性議員ばかりの中、生まれた強い意志力

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当時の議会は男性議員ばかり。

彼女がその中で政治家として生きていくために学んだことは、自らの考えを貫くために強い意志力が必要だということでした。

デニスとの間に双子の子供をもうけますが、家庭のことは夫に任せ、振り切るようにして政治への道を邁進していきます。

そして巡ってきたチャンスが、所属していた保守党党首への立候補。

ライバル候補のない中で彼女は当選しますが、これは首相になることと直結していました。

議会で叫んだ、「この中に男はいないのか!」

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1979年、彼女は第71代首相に就任します。

男社会の中で揉まれた彼女は、決して男のようになったわけではありません。

彼女の政治的判断の中で、周囲の猛反対を押し切り意志を貫いた事例のひとつで「フォークランド紛争」が紹介されます。

イギリスからはるか遠く離れた南米近くの、イギリス領フォークランド。

ここに、アルゼンチン軍が侵攻し軍事衝突を起こした事件です。

本国から離れた島に艦隊を送ることに反対する議会に対し、強硬派の彼女はこんな一声で一蹴します。

「この中に、男はいないのか!」と。

まとめ:鉄の意志スピーチ「ノー、ノー、ノー!」

マーガレット・サッチャー
実在のマーガレット・サッチャー、右:米ロナルド・レーガン大統領(1981年)https://www.facebook.com/theironladymovie/

彼女の勇猛果敢な政治人生を示すものとして、本物のサッチャーのスピーチ映像があります。

当時のECC(欧州経済共同体)の施策に関して異議を唱えた有名な「No!No!No!」発言です。

(近年のブレグジットにも通じる発言です。)

続く、野党・労働党へのけん制発言は聞き込んでしまいます。

時代も政治的背景も違いますが、テリーザ・メイ前首相がEU離脱に関して行ったスピーチも合わせて紹介しています。

参考YouTube:メイ首相「本当にブレグジットを実施したいのか」

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