こんにちは!ミナギです。
今回は筆者の大好きな映画監督「ジョン・カーニー」氏のオススメ音楽映画2つ、そして筆者の思うそれぞれの劇中歌の魅力を紹介したいと思います。
映画も音楽も、日常に彩をくれる、我々の人生を豊かにしてくれる最も大きなアイテムだと思います。
ジョン・カーニー作品は、これまで、これからの人生における「音楽」の役割や魅力を、登場人物たちや劇中歌が画面を通して教えてくれるところが、筆者の考える大きな魅力です。
ここで紹介する映画を見ればあなたも、音楽、そして映画をもっと好きになること間違い無しだと思います!
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/BeginAgainMovie/)
①『はじまりのうた』(13)
音楽がつなげる出会い、それぞれの物語をリスタート:あらすじ
音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)は、仕事といえど音楽を完全にビジネスとして捉えきれない、頑固な性格。
若手の発掘や、近年流行りの音楽に興味を持てず、仕事も全くうまくいきません。
私生活の面でも家族とも別居しており、酒に逃げる日々が続いています。
そんな時たまたま立ち寄ったバーで、シンガーソングライターのグレタ(キーナ・ナイトレイ)と出会います。
「新曲だから粗い部分もあるけど」とグレタが歌い始めた曲を聴いて、ダンは運命の出会いを確信。
契約させてくれ、と打診します。
2人の出会いとグレタの音楽が、人生の物語を大きく動かすのです。
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人生にそれぞれの意味をもたらす、「音楽」の役割。
映画の内容や楽曲等、総合点としてジョン・カーニー作品の中で筆者が一番好きな作品です。
冒頭、バーでグレタの楽曲を初めて聞いたダンが、頭の中で後ろの楽器たちを1つ1つ順番に動かしてアレンジを始め、ダンの脳内で楽曲ができていくシーンがあります。
楽曲が形になっていく所が見れると共に、どんどん楽曲が彩られていく様が、運命の出会いに気持ちが盛り上がっていくダンの心情をうまく表現していて大好きなシーンです。
またもう1つ紹介したいシーンが、ダンとクレアがそれぞれお互いの恋人と昔聞いていたプレイリストを公開しあうシーン。
「プレイリストには性格が出る」というセリフの通りで、人に見せるのは意外と恥ずかしいもの。
普段はお堅い感じの人でも、覗くと結構甘々なラブソングが入ってたり。(笑)
こんな恋愛をする人なんだな、意外とこんな性格なんだな、とその人のことを少し内面から知れるなんとも面白い提案を視聴者に与えているシーンだなと思います。
過去と未来を繋ぐ「Lost Stars」、恋を切なく歌った楽曲たち
この映画の代表曲といっても良い「Lost Stars」は、デイヴ役で作中にも登場しているアメリカのミュージシャン、アダム・レヴィーンの楽曲。
恋をさまよう星に例えた、なんとも切なくて美しい1曲です。
冒頭の「お願い 私を見ないで」と「お願い 私を見て」という対比した2つの歌詞の連続が、揺れ動く気持ちを見事に表現していて素敵だなと思います。
また筆者イチオシの楽曲は、物語中盤で路上レコーディングを行う楽曲「Coming up Roses」。
こちらも淡い恋心を歌った切ない楽曲ですが、小気味いいテンポとユーモアのある歌詞で、なんともポップに仕上がっているところが特徴的で素敵ですね。
また、これはジョン・カーニー作品の楽曲全てに言える事なのですが、ピアノなどの鍵盤楽器や、バイオリン、チェロなどのストリングスの入り方が本当に綺麗です。
作中に「ピアノは空間を埋める」と出てきますがまさにその通りで、鍵盤やストリングスの音が楽曲をより壮大にして、物語を彩っているように思います。
(物語の内容故、今作の楽曲の殆どは失恋ソングです。
ぶっちゃけ普段筆者はあまり聴かないジャンルなのですが、英詞の方が直接的で尚且つ間接的で、むしろすっと心に入ってくる印象があるので、失恋系は洋楽で聞く方が筆者は好きなのです。)
②『ONCE ダブリンの街角で』(07)
偶然出会う2人のミュージシャン:あらすじ
主人公の男(グレン・ハンサード)は、恋人に去られ、傷心状態のまま毎日のようにダブリンのストリートで歌う路上ミュージシャン。
とある日、チェコからの移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)が、歌う彼に話しかけます。
彼女もピアノを弾くことが趣味であり、ひょんな事で意気投合した2人は、楽器屋で男の曲をセッションします。
その後男はデビューへの足掛かりとして自分の楽曲をレコーディングするのですが、音楽のセンスと人間に魅力を感じた女に、レコーディングに参加してほしいと頼みます。
苦しい生活、切なすぎるリアルな恋物語
今作は少し前の作品ですので映像にも若干古さを感じますが、この淡さが作品とマッチしているように思います。
移民問題や、綺麗事だけではないリアルな恋模様とその結末が、なんとも切ない1作です。
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全ての人に聴いて欲しい「Falling Slowly」
この作品、本当に楽曲がすべて素晴らしい、名曲のオンパレード!
初めてこの映画を見たとき、筆者は演奏シーンの度に冗談抜きで震えました。
主人公の2人は当時から今まで現役で活躍されてるミュージシャンの為、歌唱力やメロディ、歌詞、どれをとってもクオリティがやはり格別だなと感じます。
中でもオススメの曲をいくつか紹介します。
最初にスタジオでレコーディングする楽曲「When Your Mind’s Made Up」は、5拍子の少し変わった楽曲です。
きれいなメロディとピアノの旋律が印象的で、後半のヴォーカルが声を張り上げるパートではまさにグレン・ハンサード魅力爆発!といった感じですね。
途中から入るドラムの音もたまりません。
楽曲と映画の世界観にゆっくり沈んでいく
また、女が弾き語る「The Hill」という楽曲も、切なく綺麗なメロディに乗せて歌われる「私の天使はどこなの」というサビの歌詞が印象的で素敵です。
そしてなんといっても筆者が最も紹介したい曲は、冒頭楽器屋で2人がセッションする楽曲「Falling Slowly」。
あまりに綺麗なメロディとコーラスワーク、そして切ない一方で希望に満ち溢れた歌詞。
この楽曲と映画の世界観にゆっくり沈んでいく様な、少し退廃的な印象もあるこの曲は、本当に大名曲だと思います。
ちなみに筆者は「自分の葬式で流してほしいプレイリスト」というのを徐々に作っていますが、現在そこに入っている楽曲の1つでもあります。
(恥ずかしいので、このプレイリストは誰にも公開しませんが。(笑) )
余談ですが、筆者は「沈」という言葉がとても好きなのです。
沈めるという事はまだ底があるという事だし、沈まないと浮かぶこともできませんからね。
まとめ:『シング・ストリート』もおすすめ!
いかがでしたでしょうか?
今回紹介できませんでしたが、「バンドの良さ」に焦点を当てた作品『シング・ストリート』もとても面白くていい楽曲がつまった作品ですね。
気になるものがありましたら是非映画を見て、その後サウンドトラックでより音楽の世界にも浸ってみてください!
それでは。
《ライター:野元ミナギ》クリックで担当記事一覧へ→
■1998年生まれ、大分県在住。
「Sleeping Girls」というバンドでボーカルとギター、作詞作曲をしています。
音楽、映画、お酒、オカルト、猫、水族館、お笑いなどなどが好きです。
好きな映画達の魅力が上手く伝われば幸せです。
■X→https://twitter.com/ponagitin6937
■Instagram →https://www.instagram.com/minagi6937
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