
Netflixでスマッシュヒットをかましたドラマ『アドレセンス』。
皆さんはもうチェックしましたか?
主演に大抜擢されたオーウェン・クーパーは、これでもかと存在感を放ちながら、なんと本作がデビュー作!
オーウェンの素顔に迫るとともに、『アドレセンス』の凄いポイントを映画撮影経験のある筆者「もな」が熱弁します。
(冒頭画像:https://www.netflix.com/tudum/)
オーウェン・クーパー:プロフィール

『アドレセンス』で主演を務めたオーウェンは、撮影当時まだ14歳でした。
彼が演じるジェイミー・ミラーは、同じ学校の女子生徒を惨殺した容疑で逮捕されます。
オーウェンの演技力については後ほど語るとして…
何より驚きなのが、本ドラマがオーウェンにとってのデビュー作だということ。
それだけでなく、彼が俳優としてカメラの前で演技するのも、これが初めてだったのです。
オーウェンは元々、サッカー選手になりたかったそう。
ところが、何がきっかけとも分からないうちに俳優になりたいと思い始めたといいます。
それからわずか数年で鮮烈デビューを果たしてしまったのだから、天才としか言いようがないでしょう。
●オーウェン・クーパー(Owen Cooper)
誕生日:2009年12月5日生まれ
星座:いて座
出身:イギリス
新人とは思えない、ブキミすぎるオーウェンの演技力!

『アドレセンス』で見せるオーウェンの演技は、鳥肌を通り越してもはやブキミさすら感じさせます。
オーウェン演じるジェイミーは、どこにでもいそうな線の細い13歳の少年。
冒頭で警察がジェイミーの家に押し入り、彼を殺人の容疑で逮捕します。
何が起こったか分からず、狼狽し、父親に縋るジェイミーの姿はいたいけな少年そのもの。
しかし、捜査が進むうちに彼や青少年たち抱える複雑な問題が浮き彫りになっていき…。

本ドラマで最初にジェイミーに対して抱く印象は、「あらぬ嫌疑をかけられた可哀想な男の子」でしょう。
寄るべなさから男らしい父親を頼ろうとする姿がどこか儚げで、守ってあげたくなります。
ところが、物語が進むうち、彼に対する見方がガラッと変わっていくはず。
同じ人物を演じているはずなのに、顔つきすら違うように見せるオーウェンの演技力は、およそ新人とは思えないほどです。
解説:圧倒的な没入感、『アドレセンス』の凄さ!

本作『アドレセンス』の凄さはもちろん、オーウェンの怪演を見れることにあります。
なのですが、実はそれだけではありません。
本作には映画的な「凄さ」が2点あり、絶対見る価値のある作品だと感じました。
それぞれのポイントを徹底解説していきます。
凄いポイント①:1話ワンカット撮影の離れ業!

『アドレセンス』がこれほどまでに注目を浴びている理由の1つは、1話をワンカットで撮影しているからでしょう。
映画撮影経験のある私からするとこれは尋常ならざる挑戦です。
本作の1話の尺は、実に1時間以上。
俳優だけでなく、カメラには映らない全スタッフが、セリフや動き、撮影の手順を頭に叩き込まなければならないのはもちろんのこと、
撮影中、少しでも映ってはいけないものが映ったり、聞こえてはいけない音が聞こえたら終わり。
そんな緊張状態を1時間以上も保つのだから、『アドレセンス』のスタッフの結束力に拍手喝采を送りたいところです。
彼らの努力の結晶により、視聴者はよりドラマへの没入感を感じられるようになりました。
場面展開の際にカットが途切れないことで、ドラマがたった今目の前で繰り広げられているかのような錯覚に陥るのです。
私が特に息を呑んだのは、第3話。
ジェイミーと臨床心理士の会話劇がメインで物語が進み、徐々に彼の抱える闇が露呈していきます。
ワンカット会話劇にも関わらず飽きさせない仕掛けと、オーウェンの怪演っぷりをじっくり味わってください。

凄いポイント②:今こそ知るべき、社会問題とは?
『アドレセンス』の背景にあるのは、昨今欧米で社会問題となっている「インセル」。
インセルとは、不本意に禁欲主義者になってしまった男性のことを指します。
ものすごく噛み砕いて、「反フェミニズムの非モテ男子」と表現されることも。
欧米では、「インセルたちの反乱」と掲げた犯罪も起こるほど社会問題になってしまいました。
作中では物語が進むうち、ジェイミーはインセルの世界に足を踏み入れていたことが発覚していきます。
『アドレセンス』が凄いのは、犯罪を犯した青少年をただのモンスターとして描いていないこと。
良き両親の元に生まれ、不自由ない生活をしていたであろうジェイミー。
しかし彼は、親の目の届かない学校やSNSで、社会問題の闇に蝕まれていたのです。
何より苦しいのは、ジェイミーが「男らしさ」にも悩まされていたという事実。
父親は特に問題のない人物であるものの、無意識的にジェイミーに「男らしさ」を求めていました。
近年「マノスフィア」という言葉でも注目を浴びている社会問題ですね。

ジェイミーは、「女性から求められない屈辱感」と「男らしさ」との間でもがき苦しんでいたのです。
本ドラマに登場するのは、重苦しいトピックの連続。
それでも、現代の情報社会からどのようにして子供たちを守るべきか、考えずにはいられません。
まとめ:オーウェンは、今後も注目作への出演が決定!

オーウェン・クーパー(右2人目)は、間違いなく次世代を担う実力派俳優へと成長しそう!
すでに、BBCで放送予定のコメディ・シリーズ『Film Club(原題)』に出演しています。
また、2026年公開のエメラルド・フェネル監督作品『嵐が丘』の撮影にも参加しています。
映画館のスクリーンでオーウェンの名前を目にする日も近いでしょう。
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ウェス・アンダーソン作品の世界観が大好き!ライターの「もな」です。
映画にどハマりしたのは、小学生の頃に『ロード・オブ・ザ・リング』を観てから。
それからというもの、映画は私の人生にとって欠かせないもので、大学では映画学を専攻しました。
私の書く記事が、誰かと素敵な映画との出会いの場になったら嬉しいです。
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