巨匠ペドロ・アルモドバル監督『パラレル・マザーズ』、伝えたい愛のかたちとスペイン内戦とは

パラレルマザーズ
『パラレルマザーズ』

今回紹介するのは、スペインが誇る世界的映画監督、ペドロ・アルモドバル監督の最新作『パラレル・マザーズ』(22)です。

過去や現在、そして未来を交差しながら紡がれる二人の母親を通して描かれる「愛のかたち」とは。

映画の見どころと、映画に絡んでくる「スペイン内戦」についても後段、解説してみたいと思います。

スペイン映画『パラレル・マザーズ』:あらすじ

奇妙な出会いがもたらした、二人の女性の不思議な運命

ジャニス(ペネロペ・クルス)アナ(ミレナ・スミット)は、出産を控えて入院していた病院でたまたま同室になる。

そして互いに予想外の妊娠であったことから意気投合した二人は、同日に迎えた出産を終え、再会を約束し退院する。

シングルマザーとして順調に子育てをしていたジャニスは元恋人から、「実の娘とは思えない」と言われてしまう。

葛藤の末、娘(セシリア)のDNA検査を行うことに決めたジャニスだったが、物語は思わぬ方向に進み始める。


スチール写真ポスター(左:アナ、右:ジャニス)

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●ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodóvar)

誕生日:1951年9月25日生まれ

星座:てんびん座

出身:スペイン ラ・マンチャ

ペドロ・アルモドバル監督の主な作品


神経衰弱ぎりぎりの女たち(作品情報)


オール・アバウト・マイ・マザー(DVD

見どころ:最高のタッグと新しい才能

パラレルマザーズ,ペネロペクルス
左:ペドロ・アルモドバル監督 右:ペネロペ・クルス https://www.facebook.com/ParallelMothers/

今作品で、ペドロ・アルモドバル監督は主役のジャニス役にペネロペ・クルスを起用しています。

実はこの二人のスペイン人タッグは今回が初めてではなく、監督ペドロ・アルモドバルは彼のミューズとして、『オール・アバウト・マイ・マザー』(98)をはじめ、多くの作品で彼女を起用しています。

そんな二人のタッグは、今作でさらに円熟みを増し、主演として起用されたペネロペ・クルスは第78回ヴェネチア国際映画祭で最優秀主演女優賞を獲得しています。

彼女の持つ魅力が余すところなく引き出されている演技はみどころです。

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●ペネロペ・クルス(Penélope Cruz)


フォトPenelope Cruz署名

誕生日:1974年4月28日生まれ

星座:おうし座

身長:168㎝

出身:スペイン・マドリード

ペネロペ・クルスの出演映画一覧

▶おすすめの代表作品


美しき虜(DVD


それでも恋するバルセロナ(作品情報)

そして、もう一人この映画を語る上で欠かせない女優がいます。

それは今作でジャニスと対を成すアナ役に選ばれた、ミレナ・スミットでしょう。

なんと本作のキャスティングチームはInstagramで彼女の存在を知り、オファーをしたそうです。

そんな彼女はすでにアルモドバル監督に気に入られているようで、今作が彼女にとって長編作品2作目にもかかわらず、「偉大な新発見だ」と評価を受けています。

アルモドバル監督とペネロペ・クルスの深みの増したタッグに、この新しい才能。

この新旧素晴らしい製作陣は、まさに過去、現在、そして未来を交差する、この映画の物語にぴったりだといえるでしょう!

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左:アナ(ミレナ・スミット )右:ジャニス(ペネロペ・クルス)https://www.facebook.com/ParallelMothers/

●ミレナ・スミット(Milena Smit)

パラレルマザーズ,ミレナ・スミット
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誕生日:1996年10月5日生まれ

星座:てんびん座

出身:スペイン・エルチェ

解説:作品の重要な過去、スペイン内戦とは

この物語で重要な役目を果たすことになる『スペイン内戦』

1936年から1939年にかけて起こったこの内戦を簡単に解説します。

まず、この内戦は当時のファシズム体制と共産・社会主義体制の争いだということです。

当時のスペインでフランコという軍人がスペイン政府に対してクーデターを起こし、そこにドイツ・イタリア率いるファシズム体制、ソ連率いる共産・社会主義体制の二つの勢力がそれぞれフランコ側、政府側について争った出来事です。

この内戦では最終的にフランコ側が勝利を収めるのですが、彼らと同じくファシズム側として参戦していたドイツがスペインのゲルニカという街に無差別空爆を行うなど、スペインの国内はかなり悲惨な状態になりました。

ちなみに、ピカソはこのドイツによるゲルニカへの無差別空爆に反対するという形で作品『ゲルニカ』を描いています。

スペイン文化にとっても大きな転換点にもなったこの出来事はこの映画でも重要な「過去」として描かれているわけです。


「スペイン内戦――1936-1939 (単行本・上)


「ゲルニカピカソ、故国への愛」

まとめ:アルモドバル監督の伝えたかったこと

何度も述べたようにこの物語は、過去、現在、そして未来を交差して進んでいきます。

一度観ただけだと、ストーリーの構成の複雑さに困惑してしまい、うまく理解できないかもしれません。

ですが、アルモドバル監督のこの映画に思想みたいなものは一貫しているように感じます。

もしかしたら、僕の出した答えとこの映画を観た後に読者の皆さんが出す答えは、違うかもしれません。

いろいろな解釈があっていいと思います。

僕らはそれぞれのパラレルな世界に生きていますからね。

それでは!

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