心理学用語”ストックホルム症候群”の語源になった事件
今回紹介するのは、2020年公開の『ストックホルム・ケース』。(原題:Stockholm)
1970年代、実際にストックホルムで起こった銀行強盗事件をモデルにしたストーリー。
誰にでも起こりうるかもしれない、不思議な心理現象に迫ります。
そして、劇中に使われたボブ・ディランの楽曲も最後にあわせて紹介しましょう。
本作品のテーマ:人質が強盗犯を好きになる?!
ストックホルム症候群とは、
「誘拐や監禁事件の人質が、犯人に共感や好意を抱く現象」
だそうです。 (予告編より)
なかなか馴染みのない心理現象で、本当に?と疑問に思うかもしれませんが、映画を観ると妙に納得しました。
1分で読める、あらすじ紹介
アメリカ気取りのラースは、ある目的のためストックホルムの大手銀行を襲います。
人質として3人の銀行関係者をとらえ、警察やスウェーデン首相と交渉を行っていきます。
人質の一人ビアンカは、初めのうちは「死者を出さない、全員が生還する」という強い心を持ち、ラースと対峙していました。
しかし、極限状態においてラースの妙な優しさや親切心が垣間見えてくるうちに警察に対するアイディアなどを出し合い、強盗犯に協力するような(そして一線を超える?!)態度に変化していきます。
警察が解決に向けて動く中、2晩を共に過ごした強盗犯と人質たちはどのような結末を迎えるのでしょうか。
とにかく魅力的なキャスト
①ラース役 イーサン・ホーク
アメリカ気取りの主人公ラースを演じたのは、イーサン・ホーク。
●イーサン・ホーク(Ethan Hawke)
誕生日:1970年11月6日生まれ
星座:さそり座
身長:179cm
出身:アメリカ・テキサス州
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②ビアンカ役 ナオミ・ラパス
スウェーデン出身、本作品には納得のキャスティングです。
●ノオミ・ラパス(Noomi Rapace)
誕生日:1979年12月28日生まれ
星座:やぎ座
身長:163㎝
出身:スウェーデン
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※人質事件の心理現象「ストックホルム症候群」の意味がわかります。
セブン・シスターズ(予告編:Amazon) (楽天ブックス)
※奇想天外な発想で一人七役で登場!アクションもふんだんにあります!
③グンナー役 マーク・ストロング
髪の毛のある役は、久しぶりかもしれません。
●マーク・ストロング(Mark Strong)
誕生日:1963年8月5日生まれ
星座:しし座
身長:188cm
出身:イギリス・ ロンドン
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裏切りのサーカス (予告編:Amazon) (原作ジョン・ル・カレ :楽天)
※伝令が途中で遭遇するイギリス軍の幹部。なかなかの存在感です。
個人的見解:なぜこのような現象が起こるのか?
ポイントは強盗犯が人質に対して協力的であったり、人質想いの一面を見せる点にあるのではないかと感じました。
強盗犯は人質に対しても警察に対しても、厳しい態度を取るのが我々の先入観としてあるはず。
命が危ない、そんな緊迫した環境下で、少しでも信頼できそうな素振りを強盗犯が取ったとしたら…
「相手も人間なんだ」と思うことは意外とノーマルな感情の変化かもしれません。
筆者も、ラースたちはそこまで悪党に見えませんでした。
アプローチが下手なだけで、心は良い人なのでは?と思ってしまいました。
(既に私自身も、ストックホルム症候群にかかっているかもしれません。)
印象的な、”ストックホルム症候群”が全開なシーン
映画の中で印象深いシーンといえば、通気口からマイクを通して警察官たちが強盗犯や人質たちとの話し声を聞こうとしたシーン。
普通ならば、人質たちは助けを求めたり、怯えた声を出したりするはず。
さて、強盗犯と人質たちは何をしたでしょうか?
ここからは、ぜひ本編でご確認下さい。非常に興味深かったです。
劇中で使われるボブ・ディラン、楽曲が華を添える
映画の内容自体は”強盗犯と人質”というものですが、ボブ・ディランの楽曲のおかげで、シリアス過ぎないテイストになっています。
そんな楽曲を4曲、紹介しましょう。
1.NEW MORNING
映画のオープニングで、ラースが強盗に向けて準備をしているシーンで流れる曲。
まさに、これから事件が起こることを示唆している”NEW MORNING”です。
【YouTube:Bob Dylan – New Morning】
2.TONIGHT I’LL BE STAYING HERE WITH YOU
次は、”TONIGHT I’LL BE STAYING HERE WITH YOU”。
警察官の一人が銀行に駆け込むも、ラースに捕まってしまい無線を通じてカラオケを強要するシーン。
予想外の行動ですが、この時点でラースは悪い人には見えません。
この後、警察官含め長い戦いが待っていることが示唆されます。
【YouTube:Bob Dylan – Tonight I’ll Be Staying Here with You】
3.TOMORROW IS A LONG TIME
イーサン・ホークとマーク・ストロングが、まさかのアカペラで歌唱。
そして、ナオミ・ラパス演じるビアンカの表情も印象的でした。
「この人たちは、本当に悪い人たちなのか?」そんなことを考えているように思いました。
それが、”TOMORROW IS A LONG TIME”です。
【YouTube:Bob Dylan – Tomorrow Is a Long Time】
4.TO BE ALONE WITH YOU
こちらが使用されていたシーンも、面白かったです。
警察官たちを欺くためのある作戦を実行中に流れる曲”TO BE ALONE WITH YOU”です。
犯罪現場とは思えない謎の穏やかな空気。
ボブ・ディランの力かもしれません。
一方で、「この現状、どうにかしないの?」とツッコミを入れたくもなりました。
【YouTube:Bob Dylan – To Be Alone with You】
まとめ
『ストックホルム・ケース』の紹介、いかがでしたでしょうか。
人質事件というシビアなテーマの一方で気軽に鑑賞できる90分映画です。
ぜひ、不思議な感情を体験してみて下さい!
《ライター:Halle》 担当記事の一覧へクリック→
暇さえあれば、映画観る!がモットー。
映画が好きになったきっかけは、時間を持て余していた大学時代。
うかつにも数々のシリーズ映画に手を出してしまったのです。
Marvel、DC、スター・ウォーズ、トランスフォーマー、パイレーツ…
今ではすっかり映画が生活の一部になってしまいました。
Twitterでも、気ままに映画・海外ドラマネタでつぶやいています。
良かったら覗いてみて下さい(^^)//
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