1986年の1作目『トップガン』は、トニー・スコット監督によってがアクションドラマ映画として制作されました。
そして、新しい本作『トップガン・マーヴェリック』では前作同様トム・クルーズが主演し、その後の「マーヴェリック」を描いています。
公開以来、超ロングランの大ヒット作となった今作を、印象的なシーンを中心に筆者なりに考察してみました。
ぜひ、DVDや動画配信で名シーンを振り返ってみて下さい!
マッハ10に挑戦の冒頭シーン、パイロットは滅びる?
「マーヴェリック」の意味は、トム・クルーズ演じるかつてのパイロット「ピート・ミッチェル」につけられていた「コールサイン」で、「一匹狼」「異端者」などの意味があります。
「コールサイン」とは、アメリカ海軍内で個々のパイロットに付けられたあだ名のようなものです。
さて、ストーリーは前作から30数年後、パイロット養成学校(通称トップガン)の教官となったマーヴェリックがある実験で、最新の戦闘機に乗るところから始まります。
こちらは開発中のものでマッハ10で飛ぶことを目指すのですが、これまで良い結果が出ずに研究資金が打ち切られそうになっていました。
意を決して実験機に乗り込んだマーヴェリックですが、結果的にこのシーンでは成功します。
しかし、長官から命令に従わない無謀さを怒られ、「君達パイロットは滅びる運命だ」とまで言われてしまいます。
このシーンで何が示されているのかと言うと、どんなにテクノロジーが進んでもそれを操縦するパイロットの技術が必要不可欠だということ。
現在のアメリカ海軍の実態を投影しているのではないでしょうか。
●トム・クルーズ(Tom Cruise)
誕生日:1962年7月3日生まれ
星座:かに座
身長:170㎝
出身:アメリカ・ニューヨーク
▶おすすめの代表作品
ルースターとの出会い、マーヴェリックとの人間ドラマ
トップガンにきたマーベリックは、その夜にバーに向かいました。
そこで元カノであるペニー(ジェニファー・コネリー)と再会、また元相棒グースの息子であるルースター(マイルズ・テラー)がピアノを弾いて歌うシーンも1作目を連想させる流れがありました。
与えられたミッションを遂行するための訓練と並行して、マーベリックとルースターを中心とした人間ドラマが展開されます。
まず、ルースターの父親グースは海軍の飛行訓練中に亡くなり、その後母親も亡くしています。
そんな彼を見守るのが、グースのかつての相棒だったマーヴェリックです。
ここは1作目のマーヴェリックと全く同じです。
マーヴェリック自身もベトナム戦争で父親を亡くし、次に母親を亡くしていました。
そして父親と共に戦っていたバイパーが教官としてつきます。
この関係性の対比シーンも素晴らしかったです。
この作品では、マーベリックはルースターを息子のように守ろうと思っていますが、マーヴェリックがルースターの志願書を破ってしまったことで海軍学校に入れなかった4年間のロスをしてしまったと語られています。
●マイルズ・テラー(Miles Teller)
誕生日:1987年2月20日生まれ
星座:うお座
身長:183㎝
出身:アメリカ・ペンシルベニア州
▶おすすめの代表作品
※最後の最後まで、怒鳴り散らす指導者の本音がわからない!
見るべきは、マーベリックとペニーの関係性
そんなマーヴェリックを、成長させるためのキャラクターとしてペニーが配置されていました。
1作目のチャーリー(ケリー・マクギリス)とはラブロマンスとして描かれていた恋愛シーンでしたが、本作では主人公が成長するための恋愛でした。
ペニーがシングルマザーで娘と向き合っているという設定がこのことを表しています。
マーヴェリックは、ペニーに対して「君たち親子は以前よりもいい関係に見える」と言います。
するとペニーは、娘の「学ぶ力に任せてあれこれ言わないように」と。
こうしてマーヴェリックはルースターとの接し方を学んでいきます。
また、このシーンではマーヴェリックは海軍のことを仕事ではなくて自分の人生だと言い表していましたが、それに対してペニーはバーの経営者をしていました。
二人は職業を人生の一部として考えている、同じ人物と言うことになります。
さらに二人とも海に生きる人物として表現されていました。
このようにしてマーヴェリックは、やり方自体は違うのですが、同じ道を歩んでいるペニーから人生の大事なものを学んでいきます。
●ジェニファー・コネリー(Jennifer Connelly)
誕生日:1970年12月12日生まれ
星座:いて座
身長:169cm
出身:アメリカ・ニューヨーク州
▶おすすめの代表作品
80年代以降の若者を、マーベリックに投影
この映画は80年代以降、アメリカの歴史を引き継いできた世代と、どこか作られた感じのある今の社会で生きている若者の苦悩の対比があるのでは。
そして、マーヴェリックの世代から次の世代への継承物語となっていました。
マーヴェリックはトム・クルーズ自身を投影したキャラクターでもあるように思います。
「マニュアルにこだわりすぎるな」「敵もマニュアルを熟知している」というセリフを、俳優という仕事に置き換えると「台本とそれにとらわれ過ぎない演技」と解釈することもできます。
まとめ:トム・クルーズ自身の俳優としての人生観
トム・クルーズは、誰もが知っているように80年代の若手俳優の中でも特に注目を集めた人物の一人です。
今の若手俳優に映画というものを教え、それは彼の人生そのものも表しています。
そして、劇中ではパイロットというベストの中のベストを教え、次の世代を育てるマーヴェリック物語とも重なっている感動的な作品でした。
もう一度見返すと、また新たな感動がよみがえってくるはずです。
《ライター:Reina》
記事へのご感想・関連情報・続報コメントお待ちしています!