
ハリウッド映画はアメリカの映画産業ですが、携わる人たち、そして女優・俳優は世界中から集まってきます。
「ダイバーシティ」(多様性)の旗印のもとに映画が制作されているのは言うまでもありません。
映画の楽しみ方のひとつとして、話題作や人気映画のキャスト陣を出身国でみていくと意外と面白いものです。
そんな中で最近注目度が上昇し、検索も増えているのがオーストラリア出身の女優・俳優です。
同じ英語圏として何気なく観ているのですが、ハリウッドとははるか離れたオーストラリア出身だったんだ!と。
さあ、どんな人がいるのか出演映画作品とともに紹介していきましょう。
『TENET テネット』で注目!「エリザベス・デビッキ」

最近よく見かける女優で、出身がオーストラリアだったんだ!と改めて思うのがこの二人!
エリザベス・デビッキとマーゴット・ロビーの二人。
エリザベス・デビッキは、クリストファー・ノーラン監督の話題作『TENET テネット』に登場。
過去と現代が交差するという難解なストーリーの一方で、映画の流れを左右する謎の美女「キャット」として登場し話題をさらいました。
参考記事:『テネット』で注目、エリザベス・デビッキ。超身長のモデル的美女!
彼女が最初に注目されたのは、オーストラリアの大学を卒業して間もない頃(23歳)に登場した『華麗なるギャツビー』。
監督がオーストラリア出身だったことが関係しているのでしょうか。(後述)
絢爛豪華な映画シチュエーションの中で、一層に精彩を放つ彼女を見ることができます。



映画賞レースの常連に、「マーゴット・ロビー」



もうひとりの注目女優は、マーゴット・ロビー。
奇しくも同じ1990年生まれですが、映画賞レースでは彼女の方がリード。
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』や『スキャンダル』など、最近は出る映画でアカデミー賞ノミネート実績を持っています。
人気度も急上昇で、DCコミックスの『ハーレイ・クイン』シリーズは快調に三作目を数えることに。
2人とも年齢的にますますこれからの活躍が期待されます。
参考記事:マーゴット・ロビーおすすめ映画3選、ハーレイ・クインから『死の谷間』まで
太っちょの人気キャラ、「レベル・ウィルソン」



レベル・ウィルソンは、名前より可愛げのある「太っちょキャラ」から彼女を思い出す人がいるかもしれませんね。
そのキャラクターが際立つ映画は、なんといっても『ピッチ・パーフェクト』シリーズ。
大学のアカペラ・サークルに登場する名前も、「ファット(太っちょ)・エイミー」でなかなかの演技で笑わせてくれます。
また、『ジョジョ・ラビット』『キャッツ』など、コメディエンヌの面目躍如といったところです。
オーストラリアからアメリカに渡った頃は苦労したようですが、後ほど紹介するオーストラリア出身の大先輩ニコール・キッドマンに助けられたとのこと。
バズ・ラーマン監督映画、起用キャストの顔ぶれ



次に紹介するのはバズ・ラーマン監督と『華麗なるギャツビー』、そしてそこで起用したオーストラリア出身のキャスト陣です。
バズラーマン監督こそ、オーストラリア出身で名門「オーストラリア国立演劇学院」を卒業しています。
(俳優の中にもこの学院出身者はたくさんいます。ケイト・ブランシェット、ジュディ・デイヴィス、ヒューゴ・ウィーヴィング、メル・ギブソンなど。いずれも後ほど名前が出てきます。)
監督の代表作品は、わかりやすいところから『オーストラリア』。
同じくオーストラリア出身のニコールキッドマンとヒュー・ジャックマンを主演に迎えています。
第二次世界大戦前後の、波乱のオーストラリアが舞台の抒情あふれる映画です。



そしてこの画像は、『華麗なるギャツビー』の主要キャストの面々。
冒頭に紹介したエリザベス・デビッキ(右から2番目)、アイラ・フィッシャー(最左)、ジョエル・エドガートン(左から2番目)がオーストラリア出身です。
オーストラリア愛あふれる、「ニコール・キッドマン」



さて、今記事でもう何度か名前の出たニコール・キッドマンは、オーストラリア出身俳優を語る時、もっとも有名な女優です。
いや、彼女の場合「オーストラリア出身」と括らなくても、「世界のトップ女優」で通用する特別な存在。
とはいうものの、「オーストラリア愛」も強く、前段のバズ・ラーマン監督とのタッグもさることながら、以外でもオーストラリアに縁のある映画に多数出演しています。
トップ画像は、広大なオーストラリアの砂漠地帯に残る先住民アボリジニの虹蛇伝説を描いた『虹蛇と眠る女』のワンシーン。
豊かな自然は、一方で過酷な現実を見せつけられる映画です。
行方不明になった子どもを探し、荒野を彷徨う主人公を演じるニコール・キッドマンの体当たりの演技から何か郷土愛さえ感じます。
参考記事:スピリチュアル映画『虹蛇と眠る女』、結末とアボリジニ伝説の読み方
そして、『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』でも再び、愛情あふれるオーストラリア人の母を演じます。
今作で彼女が養子として迎えた子どもはインド出身のストリートチルドレン。
成人してルーツ探しに悩む子どもを見守る役柄ですが、最後の奇跡に涙が止まらなくなります。
参考記事:グーグルアースが繋ぐ奇跡の感動実話、『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
忘れてはならない、実力派のベテラン女優



ベテラン女優で、忘れてはならないオーストラリア出身女優をもう二人紹介しましょう。
ひとりは、ニコール・キッドマンの友人といわれるナオミ・ワッツ(14歳~オーストラリア)。
そして、オスカー女優のケイト・ブランシェット。
ナオミ・ワッツはいまでこそトップ女優となり、『ガラスの城の約束』や『追憶の森』などの話題作に登場するようになりましたが、「37歳のヒロイン」と揶揄された『キング・コング』までは苦労したようです。
参考記事:父親のことが大嫌いなあなたに見て欲しい映画、『ガラスの城の約束』
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しかし、そこでまた登場するのが同郷のニコール・キッドマン。
Instagramのツーショットは、ニコール・キッドマンの誕生日のもの。
若い頃の出会いからナオミ・ワッツをなにかとフォローし、今でも親しく付き合いしていると伝えられます。



ケイト・ブランシェットは、ナオミ・ワッツとほぼ同年齢のベテラン女優です。
映画賞レースで言えば、ニコール・キッドマンに続く数々の映画賞ホルダーといえます。
名作『エリザベス』はじめ、『アビエイター』『ブルージャスミン』など、アカデミー賞含め世界の映画賞を総なめにする実力派です。
参考記事:イギリス王室の歴史が面白い映画『エリザベス』、絶対女王への道!
この名優も!「メル・ギブソン」「ヒュー・ジャックマン」



もちろん、男優の顔ぶれもスゴイものがあります。
『オーストラリア』の主演、ヒュー・ジャックマンは前出のニコール・キッドマンたちとほぼ同年代の超有名男優です。
『X-メン』シリーズの濃い顔「ウルヴァリオン」と言えば思い出す人が多いかもしれませんね。
インパクトの強かった人気のミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』も素敵でした!
そして、大御所がいました。



メル・ギブソンです。
犯罪組織と闘う典型的アクション映画『リーサル・ウェポン』のヒーローとして一世風靡。
また、監督としても大活躍。
アカデミー賞監督賞を受賞した『ブレイブハート』が最も有名な他、沖縄戦の衛生兵を描いた話題作『ハクソーリッジ』でも監督賞ノミネートとなっています。
オーストラリア人気作家原作、『復讐のドレスコード』



最後に、面白いオーストラリア映画を紹介しておきましょう。
原作は、オーストラリアのベストセラー作家「ロザリー・ハム」。
劇場未公開であまり知られていませんが、オーストラリアが製作国の復讐サスペンス映画です。
(DVD名は『リベンジャー 復讐のドレス』)



残念ながら、主演のケイト・ウィンスレットはイギリス出身ですが、以外、主要キャストはほとんどオーストラリア出身です。
ひとり暮らしの母親の世話を口実に、ヨーロッパからオーストラリアの田舎に帰った有名デザイナーの復讐劇。
『虹蛇と眠る女』でニコール・キッドマンと共演した、ヒューゴ・ウィーヴィングがユニークな役で登場します。
(懐かしい映画では、『マトリックス』シリーズですね!)



また、母親役のジュディ・デイヴィス、故は渋いベテランの味を見せていました。
懐かしい知人役としてヘムズワース3兄弟の3番目、リアム・ヘムズワース、サラ・スヌークなどをキャスティング。
いずれも、オーストラリア出身の実力ハリウッド俳優で、原題「ドレスメーカー」のタイトルにふさわしく、40年代~50年代のファッションも見どころの楽しい映画となっています。
参考記事:サスペンス『リベンジャー 復讐のドレス』。50年代ファッションがケイト・ウィンスレットで蘇る!
■コラム:意外な出身国の俳優■
■洋画の楽しみ方~意外な出身国の女優・俳優~









まとめ~ロケ地としても頻出~



いかがでしたでしょうか。
こうやって見ると、実にたくさんの、しかも著名な女優・俳優、そして監督がオーストラリア出身ということに気付きます。
そして、いずれも人気映画、話題映画に出演しているのがわかります。
(いずれも、主にWikipedia調べ)
ここでは紹介できませんでしたが、広大な自然や名所のあるオーストラリアは映画制作のロケ地としてもよく使われています。
キャストと自然、両面から世界を楽しめるのは「洋画」ならではかもしれません。
もちろん、出身者はこれですべてでではありません。
まだまだたくさんの方がおられますのでまたの機会に紹介したいと思います。