どことなく不気味な、独特の雰囲気を持つ作品を生み出し続ける監督、※ギレルモ・デル・トロ。
そんな彼がメガホンをとった映画『クリムゾン・ピーク』は、ゴシックホラーにロマンスにミステリーと、見どころ満載な作品となっています。
この記事では、映画『クリムゾン・ピーク』の魅力について、細かく考察していきます。
(冒頭画像:引用https://twitter.com/CrimsonPeakJP/)
映画『クリムゾン・ピーク』:作品概要
映画『クリムゾン・ピーク』は、2015年に公開された作品です。
監督は『パンズ・ラビリンス』や『パシフィック・リム』などで知られる※ギレルモ・デル・トロ。
主演を務めるのは『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカと、『マイティ・ソー』のロキ役で知られるトム・ヒドルストン。
今作は、幽霊が巣くう暗い洋館と、そこに住まうミステリアスな姉弟の秘密を描いた作品です。
ゴシックホラーの名に違わず不気味な雰囲気を持つ今作ですが、ホラー好きからそうでない人まで、多くの人におすすめしたい作品となっています。
●ミア・ワシコウスカ(Mia Wasikowska)
誕生日:1989年10月14日生まれ
星座:てんびん座
身長:163cm
出身:オーストラリア・キャンベラ
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『クリムゾン・ピーク』:あらすじ
20世紀初頭のアメリカ。
実業家の父と暮らす少女のイーディス(ミア・ワシコウスカ)は、亡くなった母の幽霊から「クリムゾン・ピークに気を付けて」という警告を受けます。
それ以来、イーディスは「幽霊と交信できる」という力を持つことになりました。
時は流れ、成長したイーディスは小説家を目指し、日々、執筆に勤しんでいました。
そんな彼女を、周囲の人々は冷めた目線で見ています。
「普通の女性」にとって、恋愛やファッションに興味を示さないイーディスは異端だったのです。
そんな彼女を受け入れ、興味を示す男性が2人いました。
1人は医者のアラン。もう1人は、イギリスで準男爵の称号を持ち、イーディスの父に投資を持ちかけるためアメリカを訪れていたトーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)です。
イーディスは、紳士的で小説にも理解を示してくれるトーマスに惹かれていました。
やがてイーディスの父が亡くなったことをきっかけとして、彼女はトーマスと結婚。
トーマスの生家である屋敷で暮らすことになりました。
そこは、赤い粘土質の地層を持つ、大きいながらも古ぼけた洋館でした。
●トム・ヒドルストン(Tom Hiddleston)
誕生日:1981年2月9日生まれ
星座:みずがめ座
身長:188cm
出身:イギリス・イングランド
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ホラーとロマンス、ミステリーの見事な融合
映画『クリムゾン・ピーク』の特徴は、ホラーとロマンス、そしてミステリーを組み合わせた作品であるということです。
そしてそれは、今作最大の魅力にもつながっています。
通常、作品内に多くの要素を詰め合わせてしまうと、物語自体が薄れてしまう可能性が高まります。
両立させようと思うあまり、一番伝えたい部分が伝わらなくなってしまうのです。
しかし今作は、ホラー・ロマンス・ミステリーという3つの要素がうまくバランスを取っています。
作中で登場する不気味な亡霊たち。
それらは、骸骨、もしくは、血やクリムゾン・ピークの土壌で赤く染まった(全身の皮が剥がれているようにも見える)姿をとっており、イーディスだけではなく観客にも恐怖を与えます。
しかし、彼女たちはイーディスに害を及ぼすわけではありません。
むしろ、もっと恐ろしいものから、彼女を救おうとしているのです。
次に、イーディスとトーマスのロマンス。
2人のロマンスは、他の恋愛映画のように甘いものではありません。
2人が愛を交わすシーンは限りなく少なく、トーマスはイーディスにキスをすることすらためらっているからです。
しかし、トーマスがイーディスに向ける目線や言動の数々。
そこには確かに、愛情が感じられます。
そして、ミステリー。
クリムゾン・ピークの屋敷では、何が起こったのでしょうか。
なぜ、亡霊が巣くっているのでしょうか。
予想のつく結論はあるものの、イーディスの手によってそれが解き明かされて行く様は、目を離すことができません。
今作を見る際は、上記の1つ1つに注目しながら鑑賞することをおすすめします。
舞台や衣装・小道具が作り上げる、雰囲気たっぷりの世界観
ギレルモ・デル・トロと言えば、映画のメイクや衣装、小道具の細部に至るまでこだわりぬくことで有名です。
また、2006年公開の『パンズ・ラビリンス』が代表するように、不気味で少し歪な(それでいて心惹かれてしまう)クリーチャーを登場させることでも知られています。
一度でも彼が造形したクリーチャーを見たならば、二度と忘れることはできないでしょう。
そして、こうしたこだわりの数々は、今作でも存分に生かされています。
イーディスと、ルシール(トーマスの姉、ジェシカ・チャステイン)の着るドレスの違い。
トーマス姉弟が住む屋敷に施された装飾たち。
白い雪に染みていく、血の様に赤い土。
何より、先の項でも触れた恐ろしい幽霊たち。
こうした物の中には、気にしなければ見逃してしまうような些細なものも含まれています。
しかし、例え見逃してしまったとしても、全てが重なり作り上げる独特の雰囲気を感じとることはできるはずです。
細部に散りばめられたこだわりの数々。
そして、こだわりが作り上げるギレルモ・デル・トロの世界観。
これこそが、今作の持つ第2の魅力なのです。
■※ギレルモ・デル・トロ監督について【管理人・選】
ギレルモ・デル・トロ クリムゾン・ピーク アート・オブ・ダークネス
※本書はデル・トロ自身、手掛けた作品の中で最も美しい作品と自負する「クリムゾン・ピーク」の妖しく美しい世界を大公開する、ビジュアル豊かなメイキング・ブック。豪華出演陣が演じる登場人物たちの誕生秘話や、映画では語られない人物設定をはじめ、デル・トロ節炸裂の不可思議な小道具や、上品で色彩豊かな衣装の数々、そして、舞台となる恐ろしくも美しい屋敷“アラデール・ホール”の設計図までを大公開。【引用:Amazon】
※モンスターや魔術を偏愛した幼少期、デル・トロはH・P・ラヴクラフトの小説やルイス・ブニュエルの映画、『ウルトラマン』などの日本の作品に胸をときめかせながら成長した。弱冠23歳にしてアルフレッド・ヒッチコックについての大著を出版。長編監督作『クロノス』で華々しくデビューした後、『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』『シェイプ・オブ・ウォーター』などでの成功を経て、現代を代表する映画作家の一人となる。【引用:Amazon】
まとめ:美しくも寂しい結末…
映画『クリムゾン・ピーク』の魅力について解説してきました。
今作はゴシックホラーの体裁を取ってはいますが、その軸はロマンスにあります。
一筋縄ではいかない、複雑な感情に揺さぶられるイーディスとトーマスの関係。
その結末は美しくも寂しいものです。
この記事で取り上げた2つの魅力に注目しながら、ぜひ2人のロマンスを追いかけてみてください。
参考記事:ギレルモ・デル・トロの傑作『パンズ・ラビリンス』、タイトルや舞台背景から迷宮を紐解く
《ライター:オオノギガリ》 担当記事一覧はこちらから→
洋画が大好きwebライター。王道の物語も大好きですが、少し捻った作品を偏愛しています。大好きな映画監督はクリストファー・ノーランとクリント・イーストウッド。
主に映画内容の考察を得意としており、魅力に溢れながらも「わかりにくい映画」を最後まで楽しめるお手伝いができればと考えております。
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