ここ数年の間でディズニーの実写化映画が次々と公開され、「ディズニーといえばアニメ」という常識が覆されつつあります。
特に多くの人の心を掴んでいるのが、ディズニープリンセスの実写化。
アニメの世界からそのまま飛び出してきたようなプリンセスたちの姿は、子供だけでなく小さい頃にプリンセスに憧れた多くの人の心を掴みました。
ここでは、ディズニープリンセスの実写化作品を振り返りながら、今後制作予定の作品も紹介します。
実写化ブームから見えてくる「ディズニープリンセスの変化」に注目してみましょう!
時代とともに変わるディズニープリンセス!実写化ブームから見えてくるものとは?
ディズニープリンセスは今、実写化ブームへ!今後の制作予定も紹介!時代から見えてくるものとは?
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/DisneyPrincess/)
ディズニープリンセス、実写化を振り返る
自らの決断で運命を切り開いていく強きディズニープリンセスたちの姿は、たくさんの人に勇気と愛を与えてくれます。
豪華で美しいドレス姿や、おとぎの国のファンタジックな世界観も魅力ですよね。
そんなディズニープリンセス作品が次々と実写化されていますが、そこには現代にマッチしたテーマを新たに取り込もうとするディズニーの姿勢が見えてきます。
実写化された作品の中でも特に人気の3作をとおして、ディズニープリンセスに起きている変化をみてみましょう!
『シンデレラ』(15):オリジナルからさらに深みを増した物語
まずは、2015年に公開された『シンデレラ』。
ディズニープリンセスの王道中の王道といえばこの作品でしょう。
かぼちゃの馬車に舞踏会などのときめき要素が詰まった本作は、ディズニープリンセスらしい作品と言えます。
オーディションで主役の座を射止めたリリー・ジェームズはまさにシンデレラガールです。
■リリー・ジェームズ『シンデレラ』とアニメ版【管理人・選】
※継母や義理の姉たちにこき使われながらも、希望を持ち続けたシンデレラは、ある日妖精に出会います。「12時の鐘が鳴り終わるまで」彼女は、お城の舞踏会へ行き、王子様恋に落ちます。シンデレラと王子は、再び巡り会うことができるのでしょうか。【引用:Amazon】
実写版が大ヒットした理由は、原作アニメのイメージは生かしつつ現代風の脚色を上手に加えた点にあるでしょう。
原作アニメとは違い、「シンデレラと王子が恋に落ちるまで」や「継母がいじわるをする心情」などをしっかりと描きこんでいます。
実写版でシンデレラと王子が出会うのは、舞踏会ではなく森の中!
「ありのままで生きられない」ことに息苦しさを感じている2人がひょんなことから森で出会って惹かれあい、「いつかまた会おう」という約束をしたことが舞踏会のシーンに繋がっていくのです。
そして本作のヴィランと言える継母は根っからの悪人だったわけでなく、嫉妬ゆえにシンデレラを真っ直ぐに愛せないという人間臭い一面があることも判明します。
こうしたオリジナルとの差別化が、多くの観客の共感を誘いました。
さらに実写版では、人種の多様性にも注目。
舞踏会のシーンではアフリカン・アメリカン系やアジア系のキャストたちの姿があります。
『シンデレラ』の舞台である19世紀ですが、実写化に伴って現代の多様化に合わせたキャスティングを行っていることがわかりますね。
『美女と野獣』(17):聡明で意思の強いヒロインの誕生
続いて、2017年に実写化されたのは『美女と野獣』。
『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソンがベル役を演じるとのことで、公開前から話題になった作品です。
演出・映像・音楽、全てにおいて原作アニメへのリスペクトを感じさせる忠実な実写化ぶりに感動した人も多いはず。
実写化が難しいと思われていた野獣や、家具にされた召使のルミエール、コグスワースたちがリアルに再現されていたことには驚き!
ヒロインのベルは、原作アニメでは読書家で空想好き、それでいて勇敢な女性として描かれていました。
実写版では、賢くて発明好きな町娘で、野獣に捕われてからは大胆にもお城から逃げ出そうとするなど、聡明さや意思の強さがさらに増しています。
また、『シンデレラ』と同様に、ベルと野獣が「母親を失った」という点で心を通わせ合ったり、ヴィランのガストンの人物像にしっかりと触れていたりと、原作アニメにはない見どころも加わっているのがポイント。
■エマ・ワトソン『美女と野獣』とアニメ版【管理人・選】
※魔法によって、世にも恐ろしい姿に変えられてしまった野獣。魔法のバラが散る前に誰かを心から愛し、そして心から愛されなければ、彼は永遠に元の美しい姿に戻ることができなくなる。心を閉ざし、絶望の日々を送る野獣だったが、彼の前に美しく可憐な娘ベルが現れた時、運命は大きく動き始める…。【引用:Amazon】
そして本作にも、近年のディズニー映画のキーワード「多様性」が反映されています。
原作アニメよりも一層「精神的強さ」を伴った実写版ベル。
彼女は発明家として洗濯機を作るなどの行動を見せますが、その姿は女性の権利向上に努めるエマ・ワトソン自身の行動力と重なる部分があります。
ガストンの腰巾着ル・フウが同性愛者であることをほのめかしているのも、多様性への配慮ではないでしょうか。
ディティールの部分で現代的要素を取り入れているのが実写版『美女と野獣』の魅力と言えるでしょう。
『アラジン』(19):女性でも「国王」になれることを証明
そして最後に紹介するのは、2019年に公開された『アラジン』。
再現不可能とまで言われたファンタジックな世界観を、ナオミ・スコット主演で見事に映像に落とし込みました。
原作アニメでも名シーンと言われていた魔法の絨毯での空中散歩のシーンは、誰もがくぎ付けになる美しさです。
そして実写版最大のメッセージが「女性はお飾りではない」ということ。
プリンセス・ジャスミンは原作アニメでも王宮を抜け出して庶民の暮らしを理解しようと努める聡明さを持っていました。
実写版でのジャスミンは自らが「国王」になりたいと心に決めており、男性たちに立ち向かっていきます。
まさに女性の社会進出や男女平等が求められる現代ならではの設定と言えますね。
■ナオミ・スコット『アラジン』とアニメ版【管理人・選】
※ ディズニー長編アニメーション映画の第31作。おなじみ『アラジンと魔法のランプ』の世界を、ミュージカル仕立てで構成している。貧しい青年アラジンは、魔法の洞窟で不思議なランプを手に入れて、その中から現れた魔神ジーニー(声はロビン・ウィリアムス/怪演!)から3つのお願いをかなえてもらうことに…。【引用:Amazon】
ジャスミンのキャラクター性を印象付けるために、実写版では彼女のソロ曲「Speechless」も書き下ろされました。
この曲は、アラジンの名曲「A Whole New World」を作曲したアラン・メンケンと、『ラ・ラ・ランド』の作詞家ベンジ・パセク、ジャスティン・ポールらが共作したもの。
実写版オリジナルの新曲も加わったことにより、『アラジン』の面白さは2倍増しになっています。
今後もプリンセスの、実写化ブームが止まらない!
今後もディズニーはプリンセス作品を次々に実写化していくようです。
大人気作品の実写化はもちろんのこと、往年の名作に「多様性」を加えた作品も。
劇場の大画面でプリンセスたちに会える日が今から待ちきれません!
『塔の上のラプンツェル』
ディズニープリンセスの中でも絶大な人気を誇るラプンツェル。
アニメ映画が2010年に公開されて以来、何度も実写化を熱望する声があがっていました。
そしてついに、ディズニーが実写映画を制作中との情報が!
映画『くるみ割り人形と秘密の王国』の脚本家アシュリー・パウエルが脚本を執筆しているそう。
気になるラプンツェル役の候補に挙げられているのは、ディズニーチャンネル出身で映画『ディセンダント』にも主演したダヴ・キャメロン。
そのほかにも、映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のフローレンス・ピューも候補に挙がっているようです。
『塔の上のラプンツェル』はロマンチックで美しい映像も話題になったため、実写版のクオリティにも期待したいですね!
■アニメ版『塔の上のラプンツェル』【管理人・編】
※深い森に囲まれた出口のない高い塔で暮らす魔法の長い髪を持った美しい少女ラプンツェルは、18年もの間一度も塔の外に出たことがなく、母親以外の人間に会ったこともなかった。そんなラプンツェルが、自分の誕生日になると遠くの空に浮かぶ神秘的な“灯り”への好奇心から、その場所までの“初めての”旅をすることに。しかしその旅には、思いもよらぬ運命が待ち受けていた…。【引用:Amazon】
『白雪姫』
ディズニー初のアニメ映画『白雪姫』がついに実写化!
今までに他のスタジオから『スノーホワイト』『白雪姫と鏡の女王』などの童話を元にした映画は制作されましたが、ディズニーによる同作の実写化は初めて。
雪のように美しく白い肌を持つ白雪姫を演じるのは、ラテン系俳優のレイチェル・ゼグラー。
『ウエスト・サイド・ストーリー』でヒロインを演じ、ゴールデン・グローブ賞女優賞に輝いたブレイク中の女優です。
『リトル・マーメイド』のハリー・ベイリー同様、レイチェルの白雪姫抜擢については驚きの声があがりました。
しかし世間の声に対してレイチェルは、「肌をブリーチするつもりはない」と清々しく反論。
実写版『白雪姫』はミュージカル作品になる予定とのことで、レイチェルの歌声を堪能できる日が待ちきれません。
ちなみに、邪悪な女王イヴィル・クイーンを演じるのは『ワンダーウーマン』シリーズのガル・ガドット。
劇場公開は2024年を予定しています。
『アラジン2』
2019年に公開され、大ヒット作となった実写版『アラジン』。
そんな『アラジン』の続編が完全オリジナルストーリーで制作されると報じられました。
現時点でわかっているのは前作のプロデューサー陣の続投のみで、俳優陣の続投やストーリーは一切不明。
アニメ版『アラジン』の続編である『ジャファーの逆襲』とは全く異なるストーリーになることだけが明らかのようです。
さらに、ビリー・マグヌッセン演じるアンダース王子を主人公としたスピンオフもディズニープラスで配信予定だそう。
続編に関するさらなる情報が公開されるのが今から楽しみですね!
まとめ
すっかりブームとなったディズニープリンセスの実写化。
原作アニメをそのまま実写化するのではなく、現代風の解釈を加え、さまざまな角度から「多様性」を表現する試みが見てとれます。
プリンセスだけでなく、往年の名作『ノートルダムの鐘』『ヘラクレス』『リロ&スティッチ』なども実写化予定!
今後ますますディズニーから目が離せません。
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ウェス・アンダーソン作品の世界観が大好き!ライターの「もな」です。
映画にどハマりしたのは、小学生の頃に『ロード・オブ・ザ・リング』を観てから。
それからというもの、映画は私の人生にとって欠かせないもので、大学では映画学を専攻しました。
私の書く記事が、誰かと素敵な映画との出会いの場になったら嬉しいです。
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