実話映画『ダム・マネー』はオタク投資家キース・ギルの、前代未聞の空売り大騒動その舞台裏は?

ダム・マネー
ポール・ダノ主演『ダム・マネー ウォール街を狙え!』

SNSを通じて結集した個人投資家たちが金融マーケットを席巻し、社会に衝撃を与えた「ゲームストップ株騒動」の映画化作品『ダム・マネー  ウォール街を狙え!』を観てきました!

ベン・メズリックのノンフィクション書籍を元に、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』クレイグ・ギレスピーが監督を務め、前代未聞の事件の舞台裏をユーモアたっぷりに描き出している本作。

今回は、一見地味な実話作品に見えて、実は良作な掘り出し物映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』の感想をお送りします。

(冒頭画像:引用https://twitter.com/DumbmoneyJP/)

『ダム・マネー ウォール街を狙え!』あらすじ

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映画にはゲームストップ社の店員も登場https://twitter.com/DumbmoneyJP/

2020年のコロナ禍、マサチューセッツ州の会社員キース・ギル(ポール・ダノ)は、全財産5万ドル(約750万円!)を、米国のビデオゲーム店舗チェーン、ゲームストップ社の株に投資。

時代遅れと言われる同社に対し、彼は「ローリング・キティ」としてネット掲示板で声を上げ、株価が低く評価されていると訴える。

やがて彼の訴えに賛同した個人投資家たちがゲームストップ株を買い漁りはじめたことで、株価は驚異的に上昇。

しかし、一方で空売りを行っていた富豪たちは大きな損失を被ることに。

メディアが騒然とする中、キースは一躍時の人となるが、果たしてその先には…。

ポール・ダノが主演を務め、ピート・デビッドソンビンセント・ドノフリオアメリカ・フェレーラセス・ローゲンらが共演する本作は、社会現象となった株騒動の一部始終をリアルに描き出されています。

『マネー・ショート』以来、特大の空売り騒動!

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(YouTube配信をする「ローリング・キティ」ことキース・ギル。頭のハチマキと猫Tシャツがトレードマーク。)

本作は実際に起こったゲームストップ社の株価つり上げ(ショートスクイズ)現象を描いています。

「ショート」(空売り)と聞くと、同じく実話のサブプライムローン騒動を描いた『マネー・ショート』が真っ先に思い浮かびます。

時系列で言うと、ゲームストップ社の騒動はマネー・ショートの約10年後に起きています。

キース・ギル(ポール・ダノ)もリーマンショック時に就職氷河期を味わっていたりと、『マネー・ショート』で起きたウォール界の大混乱の影響をおおいに受けた人物であることが明かされます。

そのため『ダム・マネー』鑑賞の際は『マネー・ショート』とセットで観ると、より当時のウォール界の状況が理解しやすく、また映画に出てくる金融用語の予習にもなるのでとってもおすすめ。

関連記事:難解『マネー・ショート 華麗なる大逆転』をやさしく解説!観る価値ありの実話メカニズム』

個人vs.ウォール街、資本主義ゲームをニュートラルに描く

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(「ローリング・キティ」の影響でゲームストップ株を買った看護師。キティを支持する様々な人物のゆくえが垣間見えるのも本作の見所。)

『ダム・マネー ウォール街を狙え!』において描かれるのは、「一市民である個人投資家兼ネット配信者が莫大な富と影響力を持つウォール界に一泡吹かせる」というごくごくシンプルな構造のスカッとする実話です。

しかし、本作はあくまで個人投資家もウォール街の人間もニュートラルに描いており、どちらかが正しくて、どちらかが悪いというような偏った見方は提示していないように思われます。

ゲームストップ株によって得をした人、損をした人、両者をバランスよく描いていることからも、「資本主義の上では、誰もが資本主義のルールにのっとりゲームをするしかない」、といったことを示しているようにも見えます。

当たり前ですが、投資をする上で自分が何を信じるかはその人次第という事実を再確認させられる作品でもあります。

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(キースを献身的に支える妻キャロライン(シャイリーン・ウッドリー)

「持たざるもの」の逆襲は、本当にあるのか?

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ちょっと作品自体の評価とは外れる話ですが、『ダム・マネー』は『マネー・ショート』意外の他作品にも面白い関係性があります。

それはデヴィッド・フィンチャー監督作『ソーシャル・ネットワーク』から見えてくる共通点であり、『ダム・マネー』の原作であるベン・メズリックの書籍は『The Antisocial Network』というタイトルになっているのがまず1つ。

また、『ダム・マネー』のエグゼクティブ・プロデューサーに、双子タイラー&キャメロン・ウィンクルボスが抜擢されていますが、このウィンクルボス兄弟は『ソーシャル・ネットワーク』マーク・ザッカーバーグを訴えていた敵でもあります。

彼らは仮想通貨取引所の創設者として、今やその分野で億万長者となっていますが、そんな「富を持つ者」が「持たざるもの」であるローリング・キティや個人ネット投資家民たちの物語をプロデュースしてできたのが『ダム・マネー』なのです。

そう考えると、「持たざる者」の成功を提示する一方で、現実は依然として特権階級、富裕層の支配は続いているのだ…という何とも言えない気持ちが余韻として残りました。

まとめ:地味かも?スルーはもったいない!

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©ゆき2024

今回は『ダム・マネー ウォール街を狙え!』をご紹介しました。

ポール・ダノが好きで公開前からチェックしていましたが、話も面白いし、音楽もHIPHOP全開で楽しく、これが予想外にヒットでした。

「実話映画だしなんか地味かも」と思ってスルーしてしまうのは勿体ない、面白くて投資の歴史も学べる映画なので興味がありましたら観てみてください。

《ライター:すどうゆき》 担当記事一覧はこちらへ→

●洋画好きのすどうです。英語が飛び交う環境で働くペーペー社会人。

映画鑑賞で英語上達を画策中。

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