このところスカーレット・ヨハンソンの話題がにぎやかです。
ひとつは、シリーズが終わったと思っていたあの『ジュラシック・ワールド』第4弾に出演するというのです。
映画の全容はまだ先になりそうですが、もうひとつの話題が久々の主演映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』です。
役どころは政府の特命を背負ったPRマーケッターで、人類初の月面着陸(1969年)をでっちあげてしまおうというのです。
一体、どういうこと?というわけで、観る前に本作の楽しみ方を解説してみました!
月面着陸のあの映像、直後からフェイク映像疑惑が!
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』を見る前に避けて通れないのがこちらの予備知識です。
1969年7月20日、世界中の人々はアメリカによる人類初の月面着陸映像は、新たな宇宙時代の幕開けとして歓喜したものです。
月から持ち帰った石が日本の万博にも展示され、誰もが疑う余地のない事実と信じ込んでいました。
しかし、それは「捏造である!」と言い続ける人は実は今も後を絶たないのです。
ちなみにこれは世界三大通信のひとつ、AFP(フランス通信社)の日本版に書かれている2019年7月の記事です。
月面着陸から半世紀経ったのを機に(いえ、半世紀も経っているにもかかわらず)、大通信社がいまだにその真偽を話題にしたのです。
参考:AFP BBニュース「月面着陸はうそ? アポロ11号を取り巻く陰謀論」
映画はコメディ?痛烈な皮肉?はたまた新たな発見か?
先に言っておきますと、本作の公開日はアメリカが2024年7月12日、日本公開はぴったり照準を合わせて2024年7月19日という”記念日”(55周年?)になります。
公開された予告やビジュアルを見る限りでは、「捏造」「疑惑」といったシリアスなドキュメント性の雰囲気はありません。
このメインビジュアルはむしろ、原題「Fly Me to the Moon」、「私を月に連れてって!」と言っているようです。
予告編の主演スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムの顔を見ていると、いつまでもくすぶり続ける捏造疑惑を逆手に取ったコメディ映画が正解かも?
●スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)
誕生日:1984年11月22日生まれ
星座:いて座
身長:160㎝
▶おすすめの代表作品
楽しみ方①:単なるコメディ?にシリアスなビッグキャスト3人!
スカーレット・ヨハンソンが演じるのは、主役のマーケティングのプロ、ケリー役です。
ケリーが上部から受けた特命は、絶対失敗の許されない「人類最初の月面着陸」で失敗時に備え完璧な「フェイク映像」を手配しておくこと。
ヒューマンドラマ、コメディからスーパーヒーローまでオールラウンドの実力派女優は、今回の映画での落としどころは本当にコメディかどうか不透明です。
反対するのはチャニング・テイタムで、NASAの発射責任者コール役です。
ケリーから持ち掛けられた「フェイク映像」作成に、まさかNASAの発射責任者が賛成するわけがありません。
マッチョ体系でアクション系のイメージが強いのですが、近作では『ザ・ロストシティ』などコメディ要素の強い作品に登場しています。
そして、もう一人のキーマンとなるのがウディ・ハレルソン演じるモーで、政府の特命担当者でニクソン大統領の側近を演じます。
このプロジェクトがいかに不退転なのか、「フェイクも辞さない!」と強行するその理由は?
●チャニング・テイタム(Scarlett Johansson)
誕生日:1980年4月26日生まれ
星座:おうし座
身長:185cm
出身:アメリカ・アラバマ州
▶おすすめの代表作品
楽しみ方②:国家レベルの「フェイク?」、その背景とは?
捏造強行を進めるウディ・ハレルソンの顔から今作をコメディとして観るのは簡単です。
しかし、「痛烈な皮肉!」として観るならぜひ知っておきたい当時の宇宙開発の背景があります。
それは、当時のアメリカは冷戦下の旧ソ連との宇宙開発に国威をかけており、絶対負けられない激しい競争の真っ最中でした。
人類最初の月面着陸を目指し、1961年にスタートした「アポロ計画」から早8年。
その間、1967年のアポロ1号では死者を出すなど計画に暗い影を落としつつあった時期でした。
1960年代中の実現を宣言していたこともあり、1969年はもう待ったなしの状態にありました。
このひっ迫感を演じたのがウディ・ハレルソンなのです。
●ウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)
誕生日:1961年7月23日生まれ
星座:しし座
身長:177㎝
出身:アメリカ・テキサス
▶おすすめの代表作品
※太平洋戦争の日米決戦、雌雄を決したプロセスが見られます。
※ウディ・ハレルソンが魅せる、弱小新聞社の記者魂を好演!
楽しみ方③:エンディング、まさかのドンデン返し?
さて、今作の映画評の中でやっぱり気になるのが、エンディングの映画的オチ!
「予想外のエンディングに拍手が鳴りやまない!」ってどういうこと?気になりますよね。
コメディ映画に終始し、(笑)けてジ・エンドではあまりにも人類の一大エポックには失礼すぎるのでは?
一方、「痛烈な皮肉!」をかましたかったのであれば、観る価値は絶対あります。
なぜなら、今、世界情勢はかなり危なっかしい状況で、しかもそのステージが宇宙的規模になってきているのは周知とするところです。
「月」はすでに「有人着陸」目標の時代を過ぎ、火星有人着陸への基地化というレベルに来ています。
そんな背景の中でも、「Fly Me to the Moon」!
さあ、ここを楽しめなかったら単なるB級に終わってしまうと心配するのは筆者だけでしょうか?
関連記事:宇宙開発はNASAから民間事業へ、次世代飛行士『ファースト・マン』を実話映画から学ぼう!
おまけのまとめ
なにかと話題の『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』ですが、おまけで言うともうひとつの楽しみ方があります。
時代が大きく変わった、1960年代。
政治的な難しい話はさておいたとして、もうひとつの楽しみ方は当時のファッション。
60年代はファッションにも大きな転換期と捉えられ、今もアイコニックなファッショントレンドの一角を占めます。
往年の60年代女優を彷彿とさせる雰囲気を持つ主演のスカーレット・ヨハンソン。
今作でもグラマラスさを生かした彼女のファッションが登場しますので、合わせて楽しんではいかがでしょうか?
関連記事:60’sイギリスファッションと、スウィンギング・ロンドン。世界が羨んだオシャレの発信地!
『ブラックウィドウ』以来のスカーレット しかもコメディー?
1960年代が舞台というのもいいし、フェイクニュースを作るというテーマ設定も面白そう。
第一タイトルが最高
タイトルの「Fly Me to the Moon」、素敵ですよね!ただ、Googleで最もヒットするのは残念ながら映画ではありません。ご存じジャズナンバーとして、1964年にカバーしたフランク・シナトラがトップでした。1964年という年は、アポロ11号成功の数年前のことでした。盛り上がる宇宙開発の機運に世間は、「本当に月へ行けるの?」という想いと重なり、まさに「私を月に連れてって!」と爆発的にヒットしたそうです。さあ、この曲は映画のサントラに流れるのでしょうか?
タイトルだけ見るとロマンチックコメディを想像してしまうのは、今まで「月」はロマンチックなものの象徴として描かれてきたからかもしれませんね。現在もビジネスにおいて月の満ち欠けを意識して商談をしている方もいると聞きますし、人は月に魅了され続けていますよね。
そんな中、月面着陸が捏造かもしれない、というテーマに着目した点が非常に興味をそそられます。
個人的には主演2人よりも、昨年公開の「逆転のトライアングル」で強烈な印象を残したウディ・ハレルソンのぶっとんだ演技(間違いないかと)に期待してしまいます。
コメント、ありがとうございます!おっしゃっているように、ある意味、主演二人の落としどころは想像できるのですが、やっぱり今作のキーマンはウディ・ハレルソンですね。
『逆転のトライアングル』は気になっていた作品(未鑑賞ですが)で興味がそそられます。これについては、別記事「https://seikajitu.com/triangle-of-sadness」での考察もありますのでお時間あるとき、ご覧になって下さい。
コメント失礼いたします。
チャニング・テイタムとスカーレット・ヨハンソンという豪華キャスト陣に加えて、この面白そうな題材となると早く観たくてたまらないですね!私はどちらかと言うとあの月面着陸の映像に対しては半信半疑のタイプなので、この映画でさらに新しい解釈が出来そうで楽しみです。
スカーレット・ヨハンソンのレトロなビジュアルやファッションを堪能出来るのも楽しみで、予告編ですでにワクワクさせられっ放しです(^-^)
>あの月面着陸の映像に対しては半信半疑のタイプ…
そうなんですね!まさか!と思うしかないのですが、最近(2024.2.14)でもあの辛辣な辛坊治郎氏が日本放送の「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」で話題にしています。彼の持論は、「あのプロジェクトには40万人がかかわっているが、誰一人としてフェイクと言った人は出てきていない。」と。今の時代、内部告発から真実が暴かれることの多いのに、もしフェイクだったらすでにバラされているかも?ただ、半世紀以上経った今でもこの話題が消えないのは、もはや、都市伝説になってしまったのでしょうか?