映画『枯れ葉』あらすじ、アキ・カウリスマキ監督が描く孤独な男女の最高のラブストーリー!

枯れ葉
『枯れ葉』

フィンランド映画の巨匠アキ・カウリスマキ監督が、2017年に引退宣言をしてから6年・・・

最高のラブストーリー映画『枯れ葉』を連れて帰ってきました。

本作はヘルシンキを舞台に、孤独な男女がひょんなことから出会い、お互い名前も知らないまま惹かれ合っていく大人のラブストーリー。

恋模様だけではなく、理不尽な理由から仕事を失う主人公やお酒に溺れながらも工場で働く男性、それぞれが直面する厳しい現実も描かれています。

第76回カンヌ国際映画祭では審査員賞を受賞。

アキ・カウリスマキ監督のキャリアの中では、2011年の『ル・アーヴルの靴みがき』に続く大ヒットとなった作品でもあります。

(冒頭画像:引用https://twitter.com/eurospace_d/)

『枯れ葉』:あらすじ

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https://twitter.com/eurospace_d/ 【YouTube:予告編】

舞台はヘルシンキの街。

理不尽な理由から仕事を解雇されたアンサ(アルマ・ポウスティ)、そして酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパ(ユッシ・ヴァタネン)は、ある夜カラオケバーで出会います。

そこでお互い名前も知らないまま惹かれ合う2人は、連絡先の交換をせずにバーを後にします。

その後も互いに想いを寄せ続けていたある日、アンサとホラッパは再会。

彼女はホラッパに連絡先を渡しますが、彼はその紙を落としてしまいます。

果たして2人は再会できるのでしょうか・・・

アキ・カウリスマキ監督が描く、独特の世界観と魅力

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クラシック映画を観ているような懐かしい雰囲気を感じさせ、ストーリーはとてもシンプルなのにどのシーンも記憶に残る本作は、まさにアキ・カウリスマキ監督の世界観といえるでしょう。

35㎜フィルムにこだわりをもち、撮影はほぼワンテイク。

一発本番の撮影にこだわりを持つ撮影現場は緊張感があったとインタビューでアルマ・ポウスティが語っています。

そんな出演者たちの緊張感をも、作品の良きスパイスとなり世界観と融合しているのではないでしょうか。

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また、本作はデヴィッド・リーン監督『逢びき』ビリー・ワイルダー監督『失われた週末』にインスピレーションされたという監督。

どちらも1945年の作品でもあり、近年を舞台にしている本作から漂う時代の雰囲気はここからきているのかもしれないですね。

ラジオからはロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れ、アンサとホラッパを通してパートタイム労働の厳しさを映し出します。

しかし、同時に主人公の男女や友人などから伝わってくる人のあたたかさを感じるところも作品の魅力といえるでしょう。

一度聴いたら頭から離れない、「マウステテュトット」の劇中歌

マウステテュトット,枯れ葉
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ホラッパが友人と行ったカラオケバーのワンシーンで登場するフィンランドの人気姉妹ポップデュオ「マウステテュトット」(Maustetytöt)

メランコリックの曲調が本作と合っていて、まさに一度聴いたら頭から離れない一曲。彼女たちが歌うシーンも見どころですよ。

「マウステテュトット」:プロフィール

フィンランドのヴァーラ出身。

ヘルシンキ在住で、ギターのアンナ・カルヤライネンとキーボードのカイサ・カルヤライネンの姉妹からなるポップ・デュオ。

バンド名はフィンランド語で「スパイス・ガールズ」という意味。

2019年2月にリリースしたファースト・シングル「Tein kai lottorivini väärin(宝くじを外した気がする)」は、1か月でYouTubeの再生数219,000回を記録し話題に。

2020年10月にファースト・アルバム「Kaikki tiet vievät Peltolaan(すべての道はペルトラへ続く)」を発表。

同年に発表したセカンド・アルバム「Eivät enkelitkään ilman siipiä lennä(翼がなければ天使も飛べない)」は、フィンランドのチャートで第2位を記録し、フィンランドのグラミー賞といわれる「エンマ・ガーラ」でロック・オブ・ザ・イヤー、バンド・オブ・ザ・イヤーの2冠に輝いている。

主要キャスト:フィンランドで活躍する2大スター

アンサ役:アルマ・ポウスティ

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1981年生まれ。

2007年にヘルシンキ大学シアター・アカデミーで修士号を取得。

北欧諸国で舞台や映像作品を中心に出演。

2020年、ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンの伝記映画『TOVE/トーベ』で主演を演じ、映画俳優としてブレークし、フィンランドのアカデミー賞にあたる「ユッシ賞」で主演女優賞を受賞。その後も数々の北欧映画やTVドラマに出演。

次回作として、ファレス・ファレス監督の『A Day and a Half』では主演、ピルヨ・ホンカサロ監督の『Oreda』の出演が決まっている。

関連記事:ムーミンの誕生秘話を描く映画『TOVE/トーベ』。自由を愛した女性作者の辿り着いた世界

ホラッパ役:ユッシ・ヴァタネン

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1978年生まれ。

2010年、ドメ・カルコスキ監督の映画『ラップランド・オデッセイ』で一躍有名となり以降、数多くの映画やTVに出演。

代表作は2017年、アク・ロウヒミエス監督の映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』で、フィンランドでは史上最高の興収を記録した作品。

2020年、ヴィレ・ヤンケリ監督の『フォレスト・ジャイアント』では「ユッシ賞」の最優秀男優賞にノミネートされた。

フィンランド映画の巨匠、アキ・カウリスマキとは?

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1957年フィンランド、オリマティラ生まれ。

映画評論家として活躍する中、シナリオ作家、俳優、助監督などに携わり1981年に、兄とともに制作会社「ヴィレアルファ」、1986年、ミッドナイトサン映画祭、1987年に配給会社「センソ・フィルム」を立ち上げる。

ヘルシンキの中心部でバーとカフェが併設された映画館を運営するも2019年に閉館。その後、2021年にヘルシンキ北西の小さな町カルッキラに映画館を友人とともにオープンさせる。

作品は、1983年に初の長編作『罪と罰』を発表。

1986年の『パラダイスの夕暮れ』で各国の映画祭に招待されたことで世界の映画人の注目を集めるようになる。

日本では1990年の『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』で注目されてから、以降の作品は全て公開された。

2002年の『過去のない男』では第55回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。第75回アカデミー賞ではフィンランド代表として史上初の外国語映画賞候補に。

2017年『希望のかなた』が第67回ベルリン国際映画祭で上映。銀熊賞を受賞し、同作を最後に映画監督の引退を発表した。

2023年引退を事実上撤回し、本作『枯れ葉』を制作。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、審査員賞を受賞している。

【俳優・監督プロフィール:参考ホームページ】

まとめ:最高のハッピーエンドを!

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いかがでしたでしょうか。

野良犬として登場し、見捨てることのできないアンサが引き取った犬はカウリスマキ監督の愛犬とのこと。ここも見どころのひとつ。

人だけではなく犬にも優しい映画ですよね。

本作は「労働者三部作」として知られる『パラダイスの夕暮れ(1986)』『真夜中の虹(1988)』『マッチ工場の少女(1990)』に続く四部作目とも言われています。

また、「敗者三部作」の『浮き雲(1996)』『過去のない男(2002年)』『街のあかり(2006)』の続きとみることも。

新作公開の度に熱狂的なファンを増やし続けているカウリスマキ監督。

社会の現実さも含めて、どこを切り取ってもカウリスマキ流の世界観とともに最高のハッピーエンドを味わえる作品です。

《ライター:sanae》

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プロフィール,sanae

毎週金曜日は映画館に出没する某新聞社エンタメニュースライター。

子供の頃から観た映画は数知れず、気になった作品はジャンル問わず鑑賞。

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