2024年2月公開の『マダム・ウェブ』は、ソニー製作のスパイダーマン映画「SSU」の最新作です。
ソニーは『スパイダーバース』シリーズの他に、ヴィランたちが主人公の映画を作り続けてきましたが、『マダム・ウェブ』はひと味違うようです。
今回は、『マダム・ウェブ』の内容と、ソニー製作のスパイダーマン映画について解説していきます!
(冒頭画像:https://www.facebook.com/numeromagazine)
未来予知能力を得た、主人公のオリジンストーリー!
マダム・ウェブは、原作コミックでは生まれつき重症筋無力症を患った盲目のお婆さんです。
他のヒーローたちが超人的な身体能力を得ていることに対し、マダム・ウェブの能力はテレパシーや未来予知。
より心理的で、スピリチュアルな力を持ったキャラクターです。
今回キャシー・ウェブ役で主演を務めるのは、ダコタ・ジョンソン。
映画ではかなり若い設定となったようで、彼女が能力を得るきっかけや過程が描かれたオリジンストーリーとなっています。
予告編とともに公開されたインタビュー動画では、本作が心理サスペンス要素の強い作品になったとも。
バディ映画的な要素のあった『ヴェノム』や、ホラー映画の側面が強かった『モービウス』などに並んだ、個性的な映画といえるでしょう。
女性ヒーローの、チームアップに期待!
また、この映画に登場するヒーローはマダム・ウェブだけではありません。
予告編では、とある事故がきっかけで未来予知能力を得たキャシーが、未来に関係する三人の女性を集めている様子が映されていました。
実は、キャラクター名を見る限り、彼女たちは全員正体を隠してスパイダーウーマン/スパイダーガールとして活躍する未来にある、いわばスーパーヒーロー予備軍。
彼女たちは、キャシーが見た未来に登場する今回のヴィラン「エゼキエル・シムズ」と戦うためにチームアップする様子です。
今までのスーパーヒーロー映画にありそうでなかった、女性だけのヒーローチームがようやく出てきてくれました!
登場するのは、スパイダーウーマンことジュリア・カーペンター(シドニー・スウィーニー)、スパイダーガールことアーニャ・コラゾン(イザベラ・メルゼード)、二人目のスパイダーウーマンのマティ・フランクリン(セレステ・オコナー)。
ここにキャシー・ウェブを加えた四人が今回のチームです。
今回『マダム・ウェブ』のヴィランは?
今回のヴィラン、エゼキエル・シムズを演じるのはフランスの俳優タハール・ラヒム。
2023年の『ナポレオン』や『モーリタニアン 黒塗りの記録』(21)で活躍しています。
予告編のキャシーの台詞では、「ママと一緒に蜘蛛の研究をしていた」と説明されていました。
スパイダーマンを模したようなスーツを着ていることがわかるエゼキエル。
ピーター・パーカーと同じような能力を持っていることが伺えます。
「蜘蛛の研究」というと、『アメイジング・スパイダーマン』がそうだったように、ピーターの父親リチャードも関わっているのかもしれません。
「若き日のベンおじさん」が登場?!
そして、今回注目されているのが、アダム・スコットが若き日のベン・パーカーとしてキャスティングされているということです。
ベンおじさんといえば、ピーターの育て親のひとりであり、スパイダーマンになるきっかけとなった人物です。
重要なキャラクターですが、スパイダーマンのオリジンストーリーでは亡くなってしまうのが定石ですよね。
その人となりについて映画などで詳しく描かれてきたことはありません。
一体どんなふうに物語に関わってくるのでしょう。
「SSU版ピーター」は存在するのか?
「ベンおじさんが若い頃」ということは、ピーターが生まれるよりも前の時代であることが伺えます。
予告編から見える劇中の時代は、服装やメイクから見ておそらく2000年代のはじめ辺りと思えるのですが、この時代設定にも理由がありそうです。
ヴェノムやモービウスがいるSSUの世界に、ピーター・パーカー/スパイダーマンがいるのかどうかは、今までわかりませんでした。
ところが『マダム・ウェブ』では、これまで出てこなかったピーター・パーカーに関係する名前が次々と登場しています。
今回で、ようやくSSUのピーター・パーカーの存在が示唆されそうです。
なぜ今まで出てこなかったのか、それともまだスパイダーマンになっていないだけなのかなど、これまでファンの間にあった疑問に答えてくれる映画となることが期待できます!
ソニー製作、スパイダーマン・ユニバースをおさらい!
それではここで、ソニー・ピクチャーズ製作のスパイダーマン映画について改めておさらいしていきましょう。
SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)とは、ソニー・ピクチャーズが製作した、『スパイダーマン』コミック原作の映画群です。
ここ10年ほどヒットを繰り返しているMCUは、マーベル・コミックの自社製作映画シリーズ。
ソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオは別の会社です。
『スパイダーマン』の映像化権はソニー・ピクチャーズが90年代に獲得し、以降ずっと保持しています。
当時マーベル・コミックは経営難に陥っており、資金のためにさまざまなキャラクターの映像化権利をあちこちに売っていたのです。
スパイダーマン映画で必ずクレジットされるコロンビア・ピクチャーズは、ソニー・ピクチャーズの子会社です。
ソニー・ピクチャーズはテレビやカメラなどを作るソニーグループの中の一つで、映画を作る部門ということですね。
ソニーが独自に『スパイダーマン』の世界をユニバース化する計画を始めたのは、2018年の『ヴェノム』からです。
エディ・ブロックというキャラクター自体は、トビー・マグワイアの『スパイダーマン3』ですでに一度映像化されていました。
トム・ハーディの一人二役がばっちり決まったこともあって、かなり好評だったと筆者は記憶しています。
その後、『ヴェノム』は続編『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が製作され、3作目も公開が決まっています。
2022年には『モービウス』が公開。
吸血蝙蝠を題材にしたかなり古風でダークなオリジンストーリーでした。
さらに『マダム・ウェブ』のあと、2024年8月にはアーロン・テイラー=ジョンソン主演で『クレイヴン・ザ・ハンター』が予定されており、こちらはもう予告編が公開されています。
まとめ:SSUはどこに向かうのか?
これらはみんな、ソニーが権利を有している『スパイダーマン』に登場するヴィランが主人公の物語。
最終的にチームアップしてスパイダーマンと戦ったりするのでしょうか?
アンドリュー・ガーフィールドの『アメイジング・スパイダーマン2』のポストクレジットでは、ヴィランチームの「シニスター・シックス」の可能性が示唆されていました。
同作が興行的な失敗に終わったことでこの計画は頓挫してしまったようですが、MCU版スパイダーマンが成功したことで何やら復活の兆しを見せているようです。
現に、『モービウス』や『ノー・ウェイ・ホーム』のポストクレジットではMCUとSSUが行き来できる別々の世界だということがすでに示されています。
筆者の予想ですが、ひょっとしたら、シニスターシックスはユニバースを超えて結成されるものだったりして……。
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高校2年生で『アベンジャーズ』を観て以来の映画ファン。大学と大学院では映画研究にどっぷり浸かっていました。
アナログでファンアートを描いてはインスタグラムに載せています。楽し〜!
話題の作品や、そこにつながる過去の名作、注目のキャストなどをわかりやすく楽しく紹介していきたいです!
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