![きぼうの灯2-2 希望の灯](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/きぼうの灯2-2.jpg?resize=678%2C258&ssl=1)
HOLA!
全国各地にひっそり佇む味のある映画館ってありますよね。
映画マニアはこぞってそのような映画館へ行きます。
今回は、筆者(関東在住)がミニシアター映画館で観たおすすめ作品を紹介したいと思います。
(最後に私が利用する実際の映画館を3館紹介しておきますので、ぜひ参考にして下さい。)
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/indengaengen/)
①『サーミの血』
![サーミの血](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/サーミの血.jpg?resize=600%2C252&ssl=1)
1930年代スウェーデン、ラップランドの先住民族サーミ人にたいする差別のお話。
サーミ人の姉妹は寄宿学校に通っているが、スウェーデン人から白い目で見られ苦痛の日々を送っています。
そんな自分が嫌だし、サーミ人も嫌、自由を求めて姉はある日スウェーデン人を装い祭りに参加します。
そこで出会ったハンサムなスウェーデン人青年に恋心を抱き・・・
という、差別の中で自由を求め生きる少女のお話なのです。
![サーミの血](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/サーミの血2.jpg?resize=600%2C252&ssl=1)
そもそも何故サーミ人が差別されていたかというと、知性などの点で低く更に野蛮人であるとして煙たがられていたようです。
北欧映画は流れて止まらない水のような感覚でストーリーが進んでいくものが多く、美しくて儚く、そしてお国柄寒い雰囲気が特徴です。
物悲しくて、鑑賞後ブルーな気分に存分に浸らせてくれます。
本作品は少女の熱いものがストーリーを追うごとに増していくので「がんばれ!」と応援したくなります。
ここがミソなのですが、サーミ人を差別しない優秀な女教師との出会いが彼女の人生を激変させていきます。
その女教師の髪型をよーく見ておいてくださいね
よーく見ていたらラストの感動は大きくなるでしょう。
![サーミの血](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/サ.jpg?resize=199%2C199&ssl=1)
②『パピチャ 未来へのランウェイ』
![パピチャ](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/パピチャ.jpg?resize=600%2C849&ssl=1)
アルジェリアの映画なんてあるんだ!あります!
サッカーのイメージが強いアルジェリア。
本作品は、90年代の理不尽な占領下、女性は目以外の皮膚を全て覆う布ヒジャブの着用を強要させられ、自由などないイスラム原理主義真っ只中のお話。
そんな女性が生きにくい時代に、ファッションデザイナーを夢見る少女が主人公です。
自由と未来を手にいれるため世間に抗い、命がけでファッションショーを開催することを仲間と誓います。
女性監督ムニア・メドゥールの実体験を織り交ぜた長編デビュー作、そして主演のリナ・クードリもアルジェリア出身。
主人公が強い!とにかく勝気さと頼れる姉御肌で自分の夢を絶対叶えてやるぞ感が見ていてスカッとします。
本当に夢を掴みたければ突き進めとは、きっとこういうことなのだというお手本のような主人公。
女性が女性であってはいけないと、無茶苦茶な理由を叩きつけられている中で女性として生きるにはどうしたらいいのか。
観ていると悔しくなってくる内容のシーンが連発、そして考えさせられる映画のひとつでもあります。
![パピチャ](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/ハ.jpg?resize=210%2C210&ssl=1)
③『ボーダー 二つの世界』
![ボーダー](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/ボーダー.jpg?resize=601%2C697&ssl=1)
胸ゾワっ!新感覚の北欧movieの虜に
「ぼくのエリ200歳の少女」の原作者が、自身の原作を元に共同脚本を手掛けたミステリー作品です。
醜い容姿で孤独感を抱える税関職員のティーナには、旅行者のカバンの中身を見ることなく違法な物を持ち込んでいる人間を言い当てることができる特別な才能を持っています。
ある日、風変わりな旅行者のボーレとの出会いをきっかけに自身の出生の秘密を知ることになるのでした・・・
というお話。
色彩が美しい!民話溢れる世界ならでは
そして先ほども言いましたが、北欧映画は暗くて寒いからこそ良い!のです。
最初、ティーナのビジュアルに驚きますがどんどん彼女が可愛く思え好きになってきます。
妖精や小人など民話で溢れている北欧ならではの展開が胸を打たれます。
観たことのない世界観が虜になりますよ。
少し日常を離れたい方必見です、トリップしましょう!
![ボーダー](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/ボ.jpg?resize=197%2C197&ssl=1)
④『希望の灯り』
![希望の灯](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/きぼうの灯3.jpg?resize=601%2C601&ssl=1)
イタリア映画、フランス映画はよく聞くことがあってもドイツ映画はあまり馴染みがないかもしれませんね。
無口な青年クリスティアンは郊外の巨大スーパーマーケットで働くことになる。
飲料セクションの中年ベテラン職員ブルーノの指導のもと、フォークリフトの資格取得に奮闘しつつスィーツセクションの無邪気で可愛らしい中年女性マリオンに恋をします。
クリスティアンには過去に闇を抱えており・・。
雪景色が物悲しいドイツ映画
![希望の灯](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/きぼうの灯2.jpg?resize=598%2C227&ssl=1)
スーパーマーケットという空間の中で展開していく人間模様がおもしろい。
みんな何か抱えているからここにいる。
スーパーマーケットには色々売っていて賑やかだが、自分たちには何もない。そんな登場人物たち一人ひとりに丁寧に焦点を当てた作品です。
海外のスーパーマーケット好きの方は勿論楽しめると思いますが、こちら短編小説が原作なので非常に文学的なストーリー展開が魅力的な映画となっています。
ドイツの田舎の雪景色が本当に憂いをおびていて溜息が出ます。
クリスティアンもう大丈夫やで、と言いたくなります。
![なんじゅん](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/ま.jpg?resize=198%2C198&ssl=1)
⑤『クー!キン・ザ・ザ』
![クー!キン・ザ・ザ](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/02/クー!キンザザ.jpg?resize=602%2C851&ssl=1)
これが!ロシアのアニメだ!
1986年の『不思議惑星キン・ザ・ザ』をアニメ化した作品なのですが、まぁ最初の方は作中出てくるキン・ザ・ザ語という宇宙語を理解するまでに時間がかかるかかる・・
のですが、この映画の何がいいかって、現代から別次元に飛んでも主人公たちが驚かないところ。
冷静極まりない態度がとてもいい。
普通は主人公たちが「どうしよう!」と騒ぐ場面が入るものが多いと思うのですが、筆者の個人的な好みでして騒ぎすぎているキャラクターがいると萎えてしまう・・・。
ある雪の日に、飛ばされた「キン・ザ・ザ星」
こんな騒がしい世の中だし、このくらいのことはあるよね、といったクールな態度がGOODです。
本作品の主人公は、有名なチェロ奏者ウラジミールとDJ志望の青年トリクの二人。
ある日、大雪のモスクワでパジャマ姿で裸足の変な男に話しかけられキン・ザ・ザ星へと飛ばされてしまいます。
特にウラジミールが良い味を出しているので必見です。
所謂、変人天才。
「キュー」と「クー」しか話さない宇宙人たちに翻弄されながらもお互いを理解しあっていくという内容が素敵!
関東近郊のミニシアター映画館
(紹介・画像はXから)
埼玉県川越市元町1-1-1
小江戸ぶらりでお馴染み、人気観光地埼玉県川越市にある映画館です。
街並みもレトロなので、その雰囲気とマッチしている素敵な映画館、筆者一押しは座席のデザイン!
東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下1階
新人映画監督の作品やドキュメンタリー作品を多く上映している映画館です。
ぶっとんだ内容の作品に出会えるチャンスのある映画館
東京都新宿区高田馬場1-5-16
学生でにぎわう(最近では外国人も多い印象)高田馬場の映画館です。
なんと二本立て上映というお得なシステム(一本立ての場合もあり)。
館内もゆったりしており心地の良い場所で、外に出ればラーメン屋、定食屋、居酒屋がずらりと並んでいます。
ぶらり散歩がてらにちょうど良い映画館です。
まとめ:自分のためだけの特別感
いかがでしたでしょうか?
ミニシアターは、ヒット作と違い「自分のためだけに上映してくれている」特別感を感じられますよ。
北欧、中東など、国によって作品の色も全く違うのでお気に入りの国のミニシアターを見つけてみてくださいね!
余談ですが、北欧の鬼才アキ・カウリスマキ監督作品は変わっているものが多いのでお勧めですよ
関連記事:映画『枯れ葉』あらすじ、アキ・カウリスマキ監督が描く孤独な男女の最高のラブストーリー!
![枯れ葉](https://i0.wp.com/seikajitu.com/wp-content/uploads/2024/01/かれ葉5.jpg?resize=205%2C152&ssl=1)
それでは!
NOS VEMOS
《ライター:なんじゅん》 クリックで担当記事一覧へ→
元舞台俳優・劇作家・現イラストレーター
中学生の頃から一人映画館をキめていたくらい大の映画好き。好きな映画は「髪結いの亭主」。
ポップコーンはバター多めで。
記事へのご感想・関連情報・続報コメントお待ちしています!