多くの良作を世に送り出してきた映画製作会社の※A24から、またもや高評価な作品が登場しました。
アメリカの現代映画を代表する監督であるケリー・ライカートの最新作『ショーイング・アップ/Showing Up』が、公開と同時に各メディアから大絶賛されているようです。
今回は、その『ショーイング・アップ/Showing Up』について、あらすじ・製作秘話など、主演のミシェル・ウィリアムズやライカート監督のインタビューなどをもとにご紹介します。
(冒頭画像:引用https://www.rottentomatoes.com/m/showing_up_2022)
あらすじ:アーティストの日常、ユーモアたっぷりに!
地元のギャラリーで開かれる個展までの最終週で準備に追われ忙しいリジー。
陶芸家としての才能があるにも関わらず、アーティストとしては食べていけず、芸術大学の事務職員としてフルタイムで働いています。
隙間時間を使って製作活動に励もうとするリジーですが、住んでいるアパートのお湯は出なくなるわ、家族に問題が起こるわで、製作活動とのバランスを取るのに必死です。
一方で、リジーの友人でイラストレーターのジョーは、アーティストとしても成功している人物。
リジーの住むアパートの大家でもあります。
リジーはジョーに、お湯が出ないため修理をしてほしいと頼みますが、ジョーはなかなか取り合ってくれません。
周りに振り回されつつも、そのフラストレーションをアートに注ぎ込むリジー。
個展までの1週間がコメディチックに描がかれます。
ミシェル・ウィリアムズ、演じるのは陶芸家
4度のオスカーノミネート歴がある、ハリウッドきってのカメレオン女優のミシェル・ウィリアムズ。
今回はリジーを演じるにあたり、陶芸家のシンシア・ラーティ(作中では、ミシェルのスタントハンドを務めています)のスタジオへ行ったそうです。
一緒に過ごしたことで、アート製作について感銘を受けたミシェル。
シンシアがどれだけこのスタジオで時間を過ごしたのか、どれほど失敗してきたのか、そういったことに思いを巡らせたと語っています。
この経験はリジーを演じるうえで、大いに役立ったに違いありません。
実は、ミシェルはシンシアのスタジオへ行く数ヶ月前から、オンラインでシンシアから陶芸レッスンを受けていました。
ミシェルのNYの自宅に、たくさんの陶芸用クレイと道具を送り、まず始めにボウルや鳥など、簡単なものから製作を開始したそうです。
ミシェルとライカート監督、4度目のタッグ作品
ライカート作品の常連ともいえる、ミシェル・ウィリアムズですが、今回はなんと4度目の出演となります。
ライカートはミシェルの起用について、
「彫刻家のリー・ボンテクー(Lee Bontecou)がスタジオで製作活動する姿と、ミシェルの姿が重なったんです。ボンテクーのヘアスタイル、オーラ、おちゃめな笑顔と、ミシェルの容姿が似ていました。ミシェルがリジーを演じる姿が想像できたんです。」
とプレスリリースで語っています。
▶参考:リー・ボンテクー(Lee Bontecou)・ニューヨークタイムズ記事
●ミシェル・ウィリアムズ(Michelle Williams)
誕生日:1980年9月9日生まれ
星座:おとめ座
身長:163㎝
出身:アメリカ・モンタナ州
▶おすすめの代表作品(管理人選)
●ケリー・ライカート監督(Kelly Reichardt)
誕生日:1964年3月3日生まれ
星座:うお座
出身:アメリカ・フロリダ州
▶おすすめの代表作品(管理人選)
ショーイング・アップ/Showing Up
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有名アーティストを訪ねて、カナダで得たもの
ライカートと脚本担当のジョン・レイモンドは、20世紀に活躍したカナダ人アーティストである※エミリー・カーの伝記を気に入り、参考にすることにしました。
そこで2人は、カーのことを調査するためカナダに行くことにします。
カーについて、2人とも有名なアーティストとは思っていなかったのですが、地元へ行くと彼女の銅像や名前が色々なところにあることを知り驚きます。
レイモンドは「エミリー・カーがこんなにアイコニックだったとは知りませんでした。私たちはそんなにビッグで有名な画家について描きたくありませんでした。」とのこと。
これだけでもがっかりなカナダへの旅でしたが、途中でライカートの家族に問題が起こり、対処に追われてしまいます。
ですが、このことが脚本へのヒントとなったそうで、リジーを取り巻く問題は実際にライカートが経験したことから生まれたようです。
■※エミリー・カーのこと【管理人・選】
※カナダの大自然、先住民のかけがえのない文化遺産を入念に描きとどめ、不屈の精神をもってひたすら芸術のために身を捧げた希有のアーティスト。西欧絵画の伝統を離脱し、きわめて独創的な画風を確立するまでの波乱の生涯。【引用:Amazon】
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撮影は独自文化の、オレゴン州ポートランド!
ケリー・ライカートの映画はそのほとんどがアメリカ・オレゴン州で撮影されています。
今回の『Showing Up(原題)』も、オレゴン州ポートランドで撮影されました。
多くのシーンはリジーの住むアパートメントらしいのですが、そのアパートというのがライカートが住んでいる場所からたった2ブロック先なのだそうです。
ポートランドといえば、日本でも一時期話題になった街なので、ご存知のかたも多いかもしれません。
アメリカ国内でもとても人気の高い街で、カウンタカルチャーが根付いていたり、文化的な面でも独自な路線を行くようなところです。
そんなポートランドを舞台にしている『Showing Up(原題)』は、リジーやジョーのことを描くにはぴったりな街だったのかもしれませんね。
まとめ:米メディアから高評価
ポートランドを舞台に、あるアーティストとその周りの人々の日常を描く『ショーイング・アップ/Showing Up』。
ライカート初のコメディは、ユーモアに富んでいて面白く、アメリカで公開されると各メディアで高評価を得ています。
残念ながら、現時点で日本での公開情報はまだ出ていません。
ですが、2021年にはライカートの特集上映が公開されるなど、日本でもファンの多い監督なので、『Showing Up(原題)』の公開もされるのではないかなと思います。
また情報が入り次第、こちらでもお知らせしますね!
■※制作会社A24のこと【管理人・選】
A24とアメリカ映画の現在 ―『ムーンライト』『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、そして『aftersun/アフターサン』へ―(ユリイカ2023年6月号 特集)
※およそ10年前に設立されて以来、独自の存在感を放ち続けているA24。作品の「ヴィジョン」の精査に基づくキュレーション、ソーシャルメディアを活用した独創的なマーケティング、そしてそれらを「A24」らしさとして印象づけるブランディングは、いまやZ世代をはじめとする広範な層にリーチし、個々の作品の枠組みを越えたファンダムを形成しているように見える…。【引用:Amazon】
《ライター:Ayaka》 担当記事一覧はこちらをクリック→
高校時代にハマった映画観賞が、いつのまにかライフワークに。
ハリウッド大作からインディペンデント作品まで、ジャンルを問わず見ています。
オタク気質ゆえ、気になる作品はとことん調べてしまいます(笑)
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