寒い日はなどは、自然とおこもり時間が増えてしまいますよね。
おこもり時間の楽しみ方を探しているなら、お気に入りの紅茶やコーヒー片手に映画を観るのはいかがでしょうか?
今回は寒い日のティータイムを温かく彩ってくれる映画を4つご紹介します。
お部屋でほっと一息つきながら、優雅な映画タイムを過ごしましょう。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/GBHjpn/)
1.『グランド・ブダペスト・ホテル』
作品解説
映画タイトル | グランド・ブダペスト・ホテル |
原題 | The Grand Budapest Hotel |
監督 | ウェス・アンダーソン |
出演 | レイフ・ファインズ、トニー・レヴォロリ他 |
公開日 | 2014年/100min |
第87回アカデミー賞で作品賞ほか9部門にノミネートされ、美術、衣装デザイン、メイクアップ&ヘアスタイリング、作曲の4部門を受賞。
『ダージリン急行』『ムーンライズ・キングダム』などを手がけたウェス・アンダーソン監督が、本作でも卓越した美意識や洒落っ気のある音楽チョイス、独特なリズム感のある笑いなど、独自の作家性を発揮しています。
名優レイフ・ファインズが、超高級ホテルのコンシェルジュを笑いと皮肉たっぷりに演じているのも見どころ。
欧州の超高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を舞台に、殺人事件と遺産争いに巻き込まれたコンシェルジュとベルボーイが謎解きの冒険を繰り広げます。
あらすじ
ヨーロッパ最高峰と謳われた超高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」
宿泊客たちは「伝説のコンシェルジュ」と呼ばれるグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)のおもてなしをお目当てに、このホテルを訪れていました。
ある日、グスタヴの長年のお得意様、マダムD(ティルダ・スウィントン)がホテル内で殺されてしまいます。
遺言で高価な絵画がグスタヴに譲られたことから、彼は容疑者の疑いをかけられるはめに。
ホテルの威信を守るため、グスタヴはベルボーイのゼロ・ムスタファ(トニー・レヴォロリ)とともに、ヨーロッパ大陸を駆け回りながら真犯人を探します。
優雅なアフタヌーンティー気分を味わえる
近年話題になっている「ヌン活」※。
2022年の流行語大賞候補になったこの言葉は、「アフタヌーンティー活動」の略語です。
『グランド・ブダペスト・ホテル』は、まさにアフタヌーンティーを詰め込んだような作品。
物語の舞台となるホテルは絵画のように美しい外観で、ファンシーな色使いの衣装や小道具が登場し、かわいらしいスイーツが乗ったアフタヌーンティーセットを想起させます。
さらに注目したいのが、物語のキーとなる洋菓子店メンドルの「コーテザン・オ・ショコラ」。
シュークリームを重ねてチョコレートクリームで繫いだ可愛らしいスイーツです。
このスイーツはさまざまな場面で登場するだけでなく、物語の中で大活躍するのでお見逃しなく!
■※「ヌン活」にちょっと読んでみたいこんな本【管理人・選】
おうちで楽しむための アフタヌーンティー(安達 由香里・監修)
※スコーンや英国菓子のレシピも公開(ザ・リッツ・カールトン大阪、ホテル椿山荘、ザ・リッツ・カールトン京都、コンラッド大阪など)
2.『彼が愛したケーキ職人』
作品概要
映画タイトル | 彼が愛したケーキ職人 |
原題 | The Cakemaker |
監督 | オフィル・ラウル・グレイザー |
出演 | ティム・カルクオフ、サラ・アドラー他 |
公開日 | 2018年/109min |
イスラエル出身の若手監督オフィル・ラウル・グレイツァがメガホンを取り、8年の歳月をかけて製作した渾身の長編デビュー作。
イスラエルのアカデミー賞と呼ばれている「オフィール賞」で9部門にノミネートされるという快挙を達成しました。
同じ男性を愛した男女の心の機微を哀愁たっぷりに描いた作品です。
あらすじ
ベルリンにあるカフェで働くケーキ職人のトーマス(ティム・カルホフ)は、イスラエルから出張でやってきたという妻子持ちのオーレン(ロイ・ミラー)と恋に落ちます。
オーレンがベルリンにいる間だけの逢瀬でしたが、限られた時間を大切に過ごしていた2人。
しかしある日、オーレンは「また一カ月後に」と言ってエルサレムに戻ったきり、交通事故により帰らぬ人となってしまいます。
やがてオーレンの妻・アナト(サラ・アドラー)のカフェにトーマスが現れ、2人の距離は近づいていくのですが……。
同じ男性を愛したトーマスとアナトは、ケーキ作りを通して運命的に惹かれ合っていきます。
料理を通して心の痛みを紐解く
手作りの料理から、その人の人間性や人生観が垣間見えることってありますよね。
そしてそんな料理が心を温かく照らしてくれることも。
本作では同じ男性を愛したトーマスとアナトという男女が登場し、ケーキ作りを通して時にぶつかりながらも、惹かれ合い、痛んだ心を癒していく様子が描かれています。
監督のオフィル・ラウル・グレイツァは本作を、「人生とフードとシネマに捧げる人間賛歌」だと語りました。
「食べる」という人の本能を通じて人の心が浮き彫りになっていく様は、人生と料理が深くつながっていることを感じさせます。
本作には見た目にも美味しそうなクッキーやケーキがたくさん登場する点にも注目です。
哀愁的なピアノ音楽とともに紡がれるシーンの数々と美しいラスト・ショットは、きっとあなたの心に温かな余韻を残してくれますよ。
3.『コーヒー&シガレッツ』
作品解説
映画タイトル | コーヒー&シガレッツ |
原題 | Coffee and Cigarettes |
監督 | ジム・ジャームッシュ |
出演 | ロベルト・ベニーニ、スティーヴン・ライト他 |
公開日 | 2015年/97min 【YouTube:予告編】 |
コーヒーとタバコをテーマに11のエピソードが展開していくオムニバス作品。
『デッド・ドント・ダイ』のジム・ジャームッシュ監督が、18年かけて撮りためてきた短編を収録しています。
第3話目の『カリフォルニアのどこかで』はカンヌ映画祭短編部門のパルム・ドールを受賞。
ビル・マーレイ、ケイト・ブランシェット、スティーヴ・クーガンら豪華俳優が、実名で登場しているのも面白い点です。
あらすじ
『双子』
男女の双子がダイナーで口げんかをしていると、空気を読まないウェイターが絡んできます。
エルヴィスの話をしたがるウェイターをあうんの呼吸でかわす双子でしたが、その後も口げんかが続き……。
『カリフォルニアのどこかで』
カフェの店内。
ミュージシャン兼俳優のイギーは、同じくミュージシャンの男・トムを待っていました。
トムがやってくると「ジュークボックスに君の曲がなかった」と言い放つイギー。
そこからだんだんと2人の会話がすれ違っていきます。
2人にとっては自分たちがコーヒー&シガレッツ世代であることが共通認識のようですが……。
11組の登場人物たちがコーヒーとタバコを口にしながら、とりとめもなく過ごす様が続きていきます。
コーヒー片手に楽しむモノクロ作品
映画の始まりとともに流れるドゥーワップ。
コーヒーを飲み、煙草をくゆらせながら会話をするだけのシンプルな構成。
まるで自分もカフェにいて、登場人物たちの会話を盗み聞きしているような気分になれる作品です。
登場人物たちが繰り広げるのはただのムダ話や世間話。
そこにストーリーなんてありません。
でもその雰囲気がなんだかアンニュイで、「ああ、カフェにこういうおっちゃんいるよな」という妙な親近感さえ覚えるのです。
ほとんどのキャストが本人として登場し、「役」を演じていないからこそ、より自然な空気感が出ているのではないでしょうか?
休日にコーヒー片手にぼーっとしたいと考えている人は、本作を観て心を休めてみてくださいね。
4.『オンネリとアンネリのおうち』
作品概要
映画タイトル | オンネリとアンネリのおうち |
原題 | Onneli ja Anneli |
監督 | サーラ・カンテル |
出演 | アーヴァ・メリカント、リリャ・レフト他 |
公開日 | 2018年/80min |
フィンランドで長年愛され続けている児童書「オンネリとアンネリ」シリーズを実写映画化。
『星の見える家で』のサーラ・カンテルが監督を務めました。
ベストフレンドの女の子2人がさまざまな騒動を起こす様子を描いています。
あらすじ
オンネリ(アーヴァ・メリカント)とアンネリ(リリャ・レフト)はとっても仲良しでいつでも一緒。
ある日2人は「正直者にあげます」と書き添えられた封筒に入ったお金を拾い、夢のように素敵な水色のお家を買うことに。
気難しそうなお隣さんや魔法使いの姉妹、ちょっと個性的なご近所さんに囲まれながら、オンネリとアンネリは2人だけの生活をスタートさせます。
ところがある日、お隣さんのお家に泥棒が入ってしまい……。
ヒュッゲな北欧ティータイムはいかが?
児童書を映画化した本作は、まるで絵本を眺めるように観ることができる作品です。
オンネリとアンネリがご近所さんからティータイムに招待されるシーンがとにかく素敵。
チューリップから顔をのぞかせるカラフルなひよこや、地面から生えるろうそくなど、絵本を再現したような世界が広がります。
作品全体が北欧ならではのポップな色使いで彩られている点にも注目してください。
かわいいスイーツやアクセサリー、オンネリとアンネリのお揃いのお洋服など、宝石箱を覗いているようで、子どもの頃にワクワクしながら世界を眺めていた感覚を思い出させてくれます。
ベストフレンドの2人が織りなす優しい世界観は、ヒュッゲを感じたいティータイムにもぴったりですよ。
参考フィンランド映画:ムーミンの誕生秘話を描く映画『TOVE/トーベ』。自由を愛した女性作者の辿り着いた世界
■「オンネリとアンネリ」の原作紹介
※著者:マリヤッタ・クレンニエミ(Marjatta Kurenniemi)
1918年生まれ。1946年に『赤蟻プッケの冒険』でデビュー。やがて30作品を著し、そのうち5作品で自国フィンランドをはじめ、北欧の児童文学賞を受賞。また、200作品にものぼる海外児童文学の翻訳等も手がけている。本作『オンネリとアンネリのおうち』は1966年に出版され、のちに『オンネリとアンネリのふゆ』(1968年)と他2作品がシリーズとして発表された。2004年没。【引用:Amazon】
まとめ:寒い日は映画でほっと一息
寒い日のティータイムに観たい映画を4つ紹介しました。
ド派手なアクション映画や壮大なファンタジー映画も面白いですが、私たちの日常にそっと寄り添うような映画でほっと一息つくのも良いのではないでしょうか?
ティータイムにぴったりのカラフルで美味しそうな映画から、温かい気持ちにさせてくれる映画まで、今回紹介したのはどれも心をほぐしてくれる作品ばかりです。
お気に入りの一作を見つけてくださいね!
《ライター:もな》 クリックで担当記事の一覧へ→
ウェス・アンダーソン作品の世界観が大好き!ライターの「もな」です。
映画にどハマりしたのは、小学生の頃に『ロード・オブ・ザ・リング』を観てから。
それからというもの、映画は私の人生にとって欠かせないもので、大学では映画学を専攻しました。
私の書く記事が、誰かと素敵な映画との出会いの場になったら嬉しいです。
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