今回紹介するのは、2022年注目を浴びたサスペンス・コメディ映画『ザ・メニュー』です。
「持つ者・持たざる者/奪うもの・与えるもの」といった世の中の階級差別を風刺的に、芸術的ともいえる豪華な料理を通して描かれた作品となっています。
(冒頭画像:引用https://www.facebook.com/TheMenuFilm)
『ザ・メニュー』:作品概要
映画タイトル | ザ・メニュー |
原題 | The Menu |
監督 | マーク・マイロッド |
出演 | レイフ・ファインズ、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト他 |
公開日 | 2022年/106min |
監督は『アリ・G』『ビッグ・ホワイト』のマーク・マイロッド。
製作に『マネー・ショート 華麗なる大逆転』の監督をつとめたアダム・マッケイがあたっています。
本作は、高級フルコースを中心に物語が進んでいくのですが、三ツ星シェフのドミニク・クレンが監修し本格的な料理が並んでいます。
あらすじ:味わい深い料理に驚愕するも…
太平洋に浮かぶ孤島ホーソン。
そこには予約のとれない高級レストランがありました。
有名シェフが創作する1食20万円もする高級フルコース料理は、選ばれしものだけが味わえるのです。
レストランに招待されたのは、5組のお客様。
芸術的で、味わい深い料理の数々に驚嘆する客たちでしたが……
今夜彼らに用意されたのは、思いもよらぬ恐ろしいサプライズでした。
『ザ・メニュー』:主な登場人物
有名シェフ「ジュリアン・スローヴィク」
有名レストランのシェフを演じるは、『シンドラーのリスト』『ハリー・ポッターシリーズ』『グランド・ブダペスト・ホテル』に出演するレイフ・ファインズ。
天才シェフとして一目置かれる存在であり、終始ミステリアスな雰囲気をまとっています。
●レイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)
誕生日:1962年12月22日生まれ
星座:やぎ座
身長:180cm
出身:イギリス・イングランド
▶おすすめの代表作品(管理人・選)
レストランを訪れた客たち
常連の金持ち夫婦や映画俳優、料理評論家などいわゆる上流特権階級だといわれる人たちが客として訪れています。
その中でもメインキャストとして、『ウォーム・ボディーズ』『マッド・マックス 怒りのデスロード』のニコラス・ホルト、『ラストナイト・イン・ソーホー』『マロ―ボーン家の掟』のアニャ・テイラー=ジョイがうんちく好きの男とそのパートナーを演じています。
●ニコラス・ホルト(Nicholas Hoult)
誕生日:1989年12月7日生まれ
星座:いて座
身長:190cm
出身:イギリス・イングランド
▶おすすめの代表作品(管理人・選)
ライ麦畑の反逆児/ひとりぼっちのサリンジャー
●アニャ・テイラー=ジョイ(Anya Taylor-Joy)
誕生日:1996年4月16日生まれ
星座:おひつじ座
身長:169㎝
出身:アメリカ・マイアミ
▶おすすめの代表作品(管理人・選)
※アニャ・テイラー=ジョイは、『モーガン』『ウィッチ』など、「新絶叫クイーン」の出世作となりました。
コリン・ステットソン手掛ける音楽に注目
音楽を担当するのは、作曲家のコリン・ステットソン。
客が島を訪れ、壮大な景色の元これから高級レストランを堪能するぞ、というような優雅で心躍る音楽からスタート。
中盤では不安を掻き立てられ、終盤幻想的でどこか悲しく、解放される喜びを感じるような音楽が奏でられています。
一度この作品を見れば目をつぶって音楽を聴くだけで、映画のワンシーンが浮かんできそうなほど印象的な曲が多かったように感じました。
【YouTube:Colin Stetson – All Aboard】
ここは軍隊か!勘違いするほど厳しい世界
この作品で印象的なのが、シェフが「はい、注目!」と言わんばかりに手を一発叩くシーンです。
(メインビジュアルにもなっているシーン)
ここで他のシェフも「はい、シェフ!」と声を張り上げビシッと整列します。
まるで軍隊の様。
朝は5時に起き仕込み作業、深夜2時まで作業し寝床まで一緒の共同生活。
料理以外に情熱を注ぐことなんてないため燃え尽きる事はない、と話すレストランのウエイトレス。
苦労やプレッシャーの中戦い続け、料理に情熱や愛情を注ぎ続けてきた彼らの行く末は、決して幸せなことだけではありません。
高くて有名な店で食事をすればそれだけでOKという金持ちは、実際に自分が食べているものにどれだけの苦労や情熱が注がれているかなど考えもしない。
その裏の努力には見向きもせず評価し、ネット上での拡散などによって潰れる店だってある。
本作にはそのようなストレスに日々晒されるシェフたちの、怒りや悲しみの爆発が描かれていると思います。
昨年公開された『ボイリングポイント/沸騰』という作品が、お店側の苦悩を描いた作品としてとてもおススメの作品です。
しかしながら、料理はやはり美しい…料理は芸術なんだ!
本作の料理は、ミシュラン三ツ星シェフのドミニク・クレンが監修しています。
普段私たちが口にする料理とは、遥か彼方に存在するような芸術的な風貌…。
これは食べ物なのか、アートなのか。
ただ食べて、美味しい!それだけではない。
強いメッセージが込められていることに気づかされます。
私は、風土も水も食もすべて言葉にできると思っていますが、料理人になることで、それらの声になれると思ったんです。(引用元:トップシェフからメッセージ。アメリカで女性シェフとして初めてのミシュラン2つ星に輝く – 料理王国 (cuisine-kingdom.com))
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フランス料理など「大きなお洒落なお皿に、ちょこんと元の材料も定かではない何ものかが乗っている」というイメージがあります。
今後、それらの料理は単にお洒落に盛ってあるだけではなく、それが何の食材でどんな思いが込められているのか、じっくり考えてみたいと思わされました。
ネットフリックスのドキュメンタリー作品で『ファイナル・テーブル』という料理コンテストが配信されています。
料理の奥深さについて非常に学びが多く、世界中の有名シェフが集結しているのでとても見ごたえがあります。
興味がある方には是非おすすめしたい作品です。
まとめ
ハラハラするスリラー要素は多いですが、一応コメディにも分類されているのでくすっと笑えるシーンも結構あります。
そして、本作で描かれる社会風刺的部分は、決して料理界だけではなく様々な業界でいえることだと思います。
日頃の自分の行動を思い返すきっかけにもなる作品でした。
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子供の頃から趣味は映画と言い続けている自称ゆる映画好きsioriです。
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