女性差別と闘った伝記映画『グンジャン・サクセナ』、インド空軍初の女性パイロット物語

グンジャン・サクセナ
『グンジャン・サクセナ-夢にはばたいて-』ジャンヴィ・カプール

今回紹介するのは、『グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-』(2020)。

Netflixオリジナルインド映画です。

グンジャン・サクセナ空軍大尉は、カルギル戦争(1999年)で活躍したインド空軍の女性ヘリコプター操縦士。

彼女は前線で偵察、傷病者移送、物資輸送などの任務を遂行しました。

インド空軍初の女性士官でもある彼女は、いかにしてこの道を歩んできたのでしょうか。

男性社会の空軍でどのように夢を実現したのかを、実話とフィクションをおり混ぜながら描かれます。

(冒頭画像:https://www.netflix.com/)

1分で読める、『グンジャン・サクセナ』あらすじ

グンジャン・サクセナは軍人一家に生まれた女の子。

パイロットの仕事を見たことがきっかけで、自分もパイロットになりたい!と夢を抱きます。

初めは航空学校へ挑戦するも、金銭的な問題で諦めることに。

次は父の助言で、空軍初の女性パイロット募集へ挑戦。

見事試験に合格するも、当時の空軍は男性社会。

女性士官に対して、精神的に厳しい現実が待っていました。

【YouTube:予告編】

 

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女性差別へ立ち向かった、勇敢な姿

①「インドの普通の女の子」という檻をぶち破る

 

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インドに限らないと思いますが、女性はある一定の年齢になれば結婚し、台所に立ち、家庭をもつというのが一般的。

しかし、グンジャンは“パイロットになる”という夢を実現すべく、チャレンジを重ねます。

それが厳しい道のりであっても、くじけなかったのは彼女の強い信念があったからだと思います。

空軍という背景もありますが、グンジャンの背筋の伸びた姿に観ているこちらも背筋が伸びる気持ちでした。

②励まし続けた、父親の存在

彼女の夢を一番近くで支えていたのは、父親でした。

一緒にダイエット計画を立てるシーンがとても印象的でした。

 

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また、男性社会であった空軍では、当然女性を簡単に受け入れるはずもありません。

さらにその彼女が成績優秀で上官に気に入られているとなると、同僚たちも目障り極まりない!といった状態になっていきます。

(注意:仲間外れの描写はかなり厳しいものでした。)

さすがのグンジャンも我慢の限界になり、寮を飛び出し実家へと帰ってしまいます。

挙句の果てに、空軍をやめて誰かと結婚するとまで投げ出そうとする展開がありました。

 

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そんなグンジャンに叱咤という励ましを授けたのも、父親でした。

③前線へ出動し、実際の成果

クライマックスシーンでは、さらに印象的なシーンがありました。

グンジャンの救出活動により、兵士たちの命が救われました。

帰還した直後、これまで散々仲間外れで見下していた同僚たちが、手の平を返すように一斉にグンジャンの勇気ある行動を称えるシーンがあります。

そこでの彼女は達成感というより、困惑の表情をしていました。

この点は、個人的に非常に上手く表現されているな、と感じました。

 

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訓練でいかに優秀な成績を残したとしても、実際の現場で成果を出せるか、それこそが組織にとって重要な意味を持つということを実感しました。

彼女が真に操縦士として優秀であると、男性同僚たちが気づいた瞬間だったと思います。

男性や女性という性別に関係なく、自分の信念を貫き通す強さは、自分だけでなく隣にいる誰かの人生を変えるかもしれません。

大げさかもしれませんが、この映画を観て勇気をもらった女の子(男の子でも)がいれば良いな、と感じました。

メイキング映像では、大尉本人が登場!

映画作製にあたり、グンジャン・サクセナ空軍大尉本人も撮影等に参加されたそうです。

衣装やロケーションなど、多くの場面で彼女自身も協力した様子が収録されています。

【YouTube:予告編】

もっと映画が好きになるプチ情報

①空軍挨拶は、「ジャイ・ヒンド!」

本編の空軍でのシーンでは、上官とのあいさつに「ジャイ・ヒンド!」という言葉を使っていました。

これは、あえて日本語にするとすれば「インド万歳!」のような意味だそうです。

これは私も初めて知りました。

勉強になりますね。

②主演インド女優、「ジャンヴィ・カプール」

主演は、インドで女優として活躍中のジャンヴィ・カプールです。

本作品では軍人を演じていましたので薄めのメイクでした。

しかし、ご覧のようにはっきりとしたお顔と黒髪のロングヘアがとても似合う超絶美人!

Netflixでは他の作品もありましたので、チェックしたいと思います。

 

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③歴史の勉強としての映画

映画はエンタメとしての要素が強いですが、様々な史実を勉強することができるのも醍醐味の一つ。

今回は、未だ解決していないインド-パキスタン国境付近で繰り広げられる印パ戦争が大きな背景にありました。

この戦争は、宗教対立、中国vsソ連の代理戦争、核保有といった複雑な背景のある戦争です。

こういった“意識しないと入ってこない世界史”について、簡単に触れることができるのは映画の大きな魅力だと思います。

印パ戦争を題材にしたインド映画は他にも、『レッド・マウンテン』『インパクト・クラッシュ』といった作品があるようなので、チェックしたいと思います。

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暇さえあれば、映画観る!がモットー。
映画が好きになったきっかけは、時間を持て余していた大学時代。
うかつにも数々のシリーズ映画に手を出してしまったのです。
Marvel、DC、スター・ウォーズ、トランスフォーマー、パイレーツ…
今ではすっかり映画が生活の一部になってしまいました。

Twitterでも、気ままに映画・海外ドラマネタでつぶやいています。
良かったら覗いてみて下さい(^^)//

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